一歩間違えれば、命に関わる重大な事故が発生していました。

大阪市北区にある市立中学校にてプール設置工事を行っていた所、添乗から落下して鉄製配管(重量10kg)が落下し、下を歩いていた1年生の頭部に当たりました。

10キロの鉄製配管が落下、中学生の頭に当たりケガ 学校で工事中に

 大阪市は20日、同市北区の市立中学校のプール設置に伴う工事中に、1階渡り廊下の天井部分から鉄製配管が落下し、女子生徒が打撲を負ったと発表した。

 市都市整備局によると、同日午後3時20分ごろ、工事業者が電気配線用の鉄製配管(長さ約3・6メートル、重さ約10キロ)を設置作業中に、誤って落下させた。配管は下を歩いていた1年生の女子生徒の頭に当たり、生徒は病院で診察を受け、打撲と診断されたという。

 市は、工事業者が作業中は生徒が通行しないと思い込み、十分な安全対策をとらないまま作業を行ったとみている。市は今後、詳しい事故原因を調べるとともに、再発防止に取り組むという。

https://digital.asahi.com/articles/ASR4N7429R4NOXIE02F.html

より詳しい内容が大阪市報道発表に掲載されています。

報道発表資料 大阪市立の中学校プール設置その他電気設備工事における事故の発生について

 令和5年4月20日(木曜日)15時20分頃に、大阪市立の中学校プール設置その他電気設備工事受注者が1階渡り廊下の天井部分に電気配線用の配管を設置していたところ、部材が外れ1階渡り廊下を通行していた生徒が側頭部を打撲する事故が発生しました。

 大阪市都市整備局においては、この度の事故により負傷された方に心よりお詫びとお見舞いを申し上げますとともに、今後、作業時の安全管理の徹底を行い、再発防止に取り組んでまいります。

1 発生日時
令和5年4月20日(木曜日)15時20分頃

2 発生場所
大阪市立の中学校

3 発生状況と当該事故による負傷者の状況

 令和5年4月20日(木曜日)15時20分頃、大阪市立の中学校プール設置その他電気設備工事において、工事受注者が1階渡り廊下の天井部分に電気配線用の配管を設置していたところ、部材(長さ約3.6メートル)が外れ1階渡り廊下を通行していた生徒が側頭部を打撲する事故が発生しました。なお、打撲された生徒はその後に病院での診察を終えて帰宅されています。また、今回の事故による教育活動への影響は本日及び明日以降もありません。

4 発生原因と今後の対応
 工事受注者が当該時間帯には生徒が通行しないものと思い込み、安全確保に対する十分な対策を取らないまま、工事を行ったことによるものです。今後、詳しい発生原因について調査を行うとともに、再発防止に取り組んでまいります。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/toshiseibi/0000598075.html

重さ10kgの鉄の塊が天井から落下し、頭部を直撃した事態を想定してみて下さい。相当の衝撃が加わります。重篤な症状が発生する可能性も高いです。大阪市からの発表はあっさりとした内容ですが、極めて危険な事故と言えます。

事故が起きたのは昨日4月20日の午後3時20分頃でした。まだ授業が行われている時間帯であり、学校内には多くの生徒が滞在していた筈です。こうした時間に工事を行うのであれば、付近は立入禁止にした上で警戒担当を配置するのが当然でしょう。

大阪市の報道発表を読む限り、生徒が通行していた渡り廊下の天井部分にて工事を行い、部材が落下しました。つまり、当初から生徒の真上で工事を行っていたと考えられます。仮に事故が起きなかったとしても、真下を一般人(特に生徒)が通行している直上で工事を行うのは考えにくいです。

「生徒が通行しないものと思い込み」との部分も問題です。中学校には数百人の生徒が滞在しています。そもそも「通行しないもの」という認識が誤っています。立入禁止措置等を行っていても通行する場合もありうるという前提の下、安全対策を行うべきでした。

ケガをしたのは中学1年生でした。この4月に入学したばかりで、まだ中学校内の構造や工事状況等を把握出来ていなかったでしょう。こうした生徒が多い時期に工事を行うのであれば、尚更慎重な対応が求められます。

年の為、大阪市都市整備局工事請負発注予定より、大阪市北区にある市立中学校におけるプール設置工事等の実施状況を調べました。

少なくとも新豊崎中学校(北区長柄東2丁目)にてプール設置その他工事が行われています。工事期間は2023年8月までとされています。


https://www.city.osaka.lg.jp/toshiseibi/cmsfiles/contents/0000499/499473/04.12.09.pdf

保護者は学校を信頼し、子供を預けています。事故等をゼロにするのは非現実的ですが、可能な限りゼロに近づける努力を行う事は必要です。

今回の事故は受注業者における極めて初歩的なミスだったと考えられます。また、学校が生徒へ適切な注意喚起や通行止め等を行わなかった可能性もあります。いずれにしても、余りにお粗末でした。重大な結果を招かなかったのが不思議なぐらいです。