大阪市は考え得る様々な方法を駆使して待機児童の解消を図っています。
一つの方法が「市営住宅等の活用」です。市営住宅の一室を利用して、小規模保育を設置する計画です。事業者の募集・利用方法・費用負担等を定めた実施要綱(案)が制定されています。
本市では、待機児童の解消を市政の最重要課題としており、平成30年4月において待機児童はもとより保育を必要とする全ての児童に対応した入所枠を確保するため、平成28年7月に市長をリーダーとする「待機児童解消特別チーム会議」を設置し、待機児童対策の一層の強化に取り組むことといたしました。
当該特別チーム会議の議論をふまえ、市内における保育施設用の土地・物件の不足等に対処するため、これまでにない新たな対策の一つとして、平成29年度から区役所庁舎・市役所本庁舎への保育施設設置をはじめとする、市有財産の活用が打ち出されており、その取組みの一環として、市営住宅の空き住戸を活用することが強く望まれております。そこで、増加する地域の多様な保育ニーズに対応し、待機児童の解消を図るとともに、大阪市営住宅団地及び地域住民のコミュニティの再生・活性化を図ることを目的として、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第238 条の4 第7 項に基づき、大阪市営住宅及び大阪市営住宅附帯駐車場(以下、「市営住宅等」という。)を、小規模保育事業所として活用するために本件要綱を定めることを検討しております。
http://www.city.osaka.lg.jp/templates/kisoku_boshu/toshiseibi/0000407386.html
要綱(案)は下記の通りです。
ざっと読んで、重要だと感じた箇所を箇条書きでまとめてみました。
・募集対象は小規模保育事業のみ
・市営住宅及び駐車場を「市営住宅等」と定義した
・使用期間は1年間(更新あり)
・使用者は家賃(近隣の住宅相場)、敷金、保証金、水道光熱費等を負担する
当然の内容です。一つだけ気になったのは「駐車場」も対象としている点です。駐車場を改装して園庭等を設置するケースを想定しているのでしょうか。
課題はあります。待機児童が数多く生じているのは市中心部です。しかし、市中心部には市営住宅が多くありません。西区等に市営住宅は皆無です。
また、市中心部にある市営住宅は入居希望者が数多くおり、空き部屋が殆どありません。市中心部に設置するのは困難でしょう。
一方、可能性が比較的高いのは市周縁部です。「3歳からは幼稚園へ通うが、少し早めに保育施設を利用して短時間でも働きたい」というニーズに合致しそうです。
本要綱案は8月31日まで意見公募(パブリックコメント)が行われています(詳細はこちら)。意見がある方は積極的に提出して下さい。