2023年度が始まりました。年を重ねるにつれて1年が過ぎていくのが早く感じます。

今朝の保育所は普段より静かに感じました。新1年生は既に卒園したのに対し、新入園児が未だ保育室内にいない為です(入園式は本日午後の予定)。

既に保育所等に在籍している方にとっては常識ですが、入園式の翌日からフルタイムで保育を利用出来るわけではありません。

園や年齢によって若干の差はありますが、数日から2週間程度は「慣らし保育」が行われます。1-2時間程度の登園→昼食→午睡といった様に、少しずつ保育時間を延ばして慣れていくものです。

大阪市では2016年4月4月に認可外保育施設にて登園初日の園児が死亡する事故が発生しました。

【ニュース】認可外保育「たんぽぽの国」(大阪市淀川区東三国)で1歳男児が死亡

大人にも言えることですが、生活する環境が変わった初日は様々なストレスが掛かります。子供なら尚更です。

最近の調査では、保育現場や自宅で発生する乳幼児の突然死は、保育が始まった当日とか、あるいは予防接種を受けた当日あるいは翌日とか、何か環境の変化とかストレスが生じた直後に、急変し亡くなるというケースが多いとされる。今回、初めて預けられたその当日に事態が起こっているため、イベントとしては全体的には稀な出来事だが、非常に起こりやすい時期にあったことは間違いない。

涙無しには読めない「たんぽぽの国保育事故調査報告書」

こうした事故等を受け、大阪市は慣らし保育の必要性を周知しています。また、4月中は慣らし保育に専念し、民間企業等で復職する期限を4月末までとする運用を行っています(下記引用文は大阪市職員の扱い)。

◎入園初期リスクの軽減に向けた本市の動き
・上記通知等により入園初期リスクを周知するとともに、事故防止巡回時において、入園初期の情報収集の大切さと「慣らし保育」の必要性について周知を行っている。
・大阪市において、2週間を限度として「慣らし保育」期間中も職員が育児休業を取得できるよう、取扱いの変更があった。(平成 30 年 4 月 1 日実施)

https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/cmsfiles/contents/0000278/278530/siryou2-3.pdf

慣らし保育は急ぐものではありません。慣らし保育が終わった後も子供は体調を崩しやすく、保育園へ登園できない日が長期化しがちです。特にコロナ禍以降は発熱時の扱いが強化されて、「登園再開は解熱後24時間以降とする」という対応となっています。

子供の安全の為なので仕方ありませんが、登園できない日が続いて仕事が溜まる・有給休暇が急減する・手取額が減少する・病院通いで疲弊するのは著しく重い負担です。

「子供の体調不良」というリスクを社会全体で分かち合い、報いるのが「子育て支援」です。