児童虐待が続きます。今度は大阪府枚方市のアパートで2歳次女を振り回してテーブルにぶつけた疑いで、父親が逮捕されました。先月8月にエアガンで撃った疑いでも逮捕・起訴されています。

去年12月、大阪・枚方市のアパートで当時2歳の次女を逆さづりにして振り回し、テーブルに顔をぶつけて大けがをさせたとして24歳の父親が傷害の疑いで逮捕されました。

逮捕されたのは、大阪・枚方市の運送業、平井凜太郎容疑者(24)です。警察によりますと去年12月、自宅アパートの1室で当時2歳の次女の足首をつかんで逆さづりにして振り回し、テーブルに顔をぶつけて歯ぐきを切るなどの1か月の大けがをさせたとして傷害の疑いがもたれています。

警察は先月(8月)、同居する女性から「彼氏が子どもにエアガンを撃った」と通報を受けて、次女が通う保育園への聞き取りや病院の受診歴を調べるなど捜査していました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20220912/2000066193.html

虐待は1年以上も続いていました。各紙・各番組によって報じている内容が異なるので、それらをまとめて時系列で並べました。

日付出来事
平井容疑者は実子の次女と長女(5)、内縁の妻(20)の計4人で暮らしていた。
2021年6月長女と次女が夜間徘徊していたのを警察が保護した。
8月保育園から枚方市へ「姉妹の登園が滞っている」との連絡があり、見守りの対象にした。
10月近隣住民から「泣き声が聞こえる」と通報があった。
保育園から枚方市へ「左目のまわりにアザがある」などの連絡があった。
11月児相等はネグレクト(育児放棄)と判断、「要保護児童」と登録していた。
12月26日枚方市の集合住宅の自室で、逆さづりにした当時2歳の次女を左右に振り回してテーブルに口をぶつけ、歯茎が切れて歯がぐらつくなど全治1カ月のけがをさせた。
12月27日次女が顔を腫らした状態で保育園に登園した。保育園の職員が歯の亜脱臼に気付いた。記録に残し、市へ連絡した。平井容疑者は「玄関の扉で打った」と弁解した。
2022年1月?祖父が次女を連れて病院を受診していた。
3月身体的虐待の可能性もあると判断した。
8月21日内妻が「子供がエアガンで撃たれて内出血している」と警察へ通報した。
8月22日枚方署が傷害容疑で逮捕した。容疑者は「姉妹喧嘩に腹が立った」「頭を叩いた事もある」と供述している。この前後に姉妹は児相に一時保護された。
9月1日大阪地検が傷害罪で起訴した。
9月12日昨年12月に次女を振り回してケガを負わせた疑いで再逮捕された。「食事をせずに泣くのでこらしめようと振り回したが、ぶつける気はなかった」と供述している。

こうした経緯を見る限り、次女が命を落とした後に父親が逮捕されるシチュエーションも予期されました。長期間の虐待が続き、収まる気配は皆無でした。虐待がエスカレートし、生命に関する重大な結果が生じる恐れがありました。

周囲は姉妹の異変に気付き、徐々に警戒を強めていました。ただ、あくまで見守るだけであり、より積極的な介入等を行った形跡はありません。

状況が一変したのは、今年8月に内縁の妻から「エアガンで虐待している」との通報があった以降でした。翌日に逮捕し、今月9月には別の傷害容疑で再逮捕しました。内縁の夫(逮捕された平井容疑者)の行為に内妻が我慢できなくなり、その通報を受けた枚方署の行動は迅速でした。

実は大阪府では児相と府警が虐待情報を全件共有しています。

虐待情報21年度に全件共有 警察と児相、大阪府全域で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57275390W0A320C2AC8Z00/

内妻から通報を受けた直後、枚方署は虐待情報を改めて把握し直した筈です。児相案件+同居家族からの通報+内出血の痕で逮捕に至ったのでしょう。

これらと比べると、枚方市や児童相談所の動きの緩慢さが目立ちます。保育園は健康状態を重点的に観察しており、随時適切な情報が上がっていたはずです。

市や相談所は見守りを行っていたつもりであっても、傍目には「放置している」様に見えてしまいます。手を拱いている間に虐待が深刻化していました。

どの段階で子供を親から引き離し、警察が介入するかは難しいのは理解できます。ただ、児童虐待が余りに多く、中には命を落としてしまうケースが少なくないのを踏まえると、より積極的かつ早期に介入して欲しいと感じています。

勿論その為には人員や予算等の増強が不可欠です。大切な子供の命を守る為、税金を有効に活用して欲しいです。