逮捕から23日、宇都宮市にあった認可外保育施設の元施設長が保護責任者遺棄致死の罪で起訴されました。
現時点では余罪等による再逮捕は行われていません。
また、同時に逮捕された元施設長の長女・次男は釈放されました。

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乳児死亡事件 元施設長を起訴
08月12日 18時15分

去年7月、宇都宮市の託児施設で生後9か月の赤ちゃんが熱中症で死亡した事件で、宇都宮地方検察庁は12日、高熱を出していた赤ちゃんを放置し、医療機関の診察も受けさせなかったとして、施設を経営していた元施設長を保護責任者遺棄致死の罪で起訴しました。

起訴されたのは、宇都宮市の「託児室といず」を経営していた元施設長の木村久美子被告(59)です。
起訴状によりますと、木村被告は去年7月、宿泊保育中だった生後9か月の山口愛美利ちゃんに下痢や発熱の症状があったにもかかわらず、医師に診せるなどの適切な処置を行わずに放置し、熱中症で死亡させたとして保護責任者遺棄致死の罪に問われています。
これまでの警察の調べに対して、木村被告は「その場にいて看病していたが、医者に連れて行くような症状ではないと思った」と供述し、容疑を否認しているということです。
一方、この事件では、施設の元従業員で木村被告の28歳の長女と23歳の次男も逮捕されていましたが、宇都宮地方検察庁は12日、2人を不起訴とし、釈放しました。

元施設長が起訴されたことを受けて、愛美利ちゃんの両親が宇都宮市で会見を開きました。
このなかで父親は「元施設長を起訴できるところまで捜査を進めて頂いたことは感謝していますが、娘の遺体に残された傷痕などから、起訴された保護責任者遺棄致死という罪だけでは真実に即していないと考えており、悔しいです。今後の捜査で真実を明らかにするとともに、元施設長は罪を認めて心から謝ってほしい」と話していました。
また、母親は「元施設長と一緒に逮捕された2人が釈放されたことは、納得できません。あす娘のお墓参りをするが、残念な報告をしなければならず、悲しいです」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20150812/3957491.html

元施設長は容疑を否認しており、裁判の長期化が予想されます。
また、釈放された2人はあくまで従属的立場であり、当時の事実関係を認めているのではないでしょうか。

本事件の様に宿泊保育を行っている保育所は殆ど無く、24時間保育を行っている認可外保育施設を利用するケースが専らだと推測されます。
大切な子供を宿泊保育で預けっぱなしにする事に対する批難の声も聞きますが、核家族化が進行して労働形態が多様化する社会では避けられないでしょう。
宿泊保育が可能な認可施設の整備、多種多様な保育サービスを提供している認可外保育施設への指導監督の強化等、行政にはこれまで以上の責任と、こうした認可外保育施設を野放しにした検証が求められるでしょう。

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