大阪市立茨田北小学校(鶴見区)に不審者が侵入しました。柵や塀を乗り越えたのでは無く、「忘れ物を届けに来た」という名目で校門を堂々と通過しました。

 「忘れ物を届けに来た」とうそを言って小学校に侵入したとして、大阪府警は24日、大阪市内の50代の男を建造物侵入の疑いで現行犯逮捕した。府警によると、男は校内で上半身裸で暴れていたが、児童らにけがはなかった。男は「病院に行ったら、小学校だった」と話しているといい、刑事責任能力について慎重に調べている。府警への取材でわかった。

 鶴見署によると、男は24日午前8時40分ごろ、大阪市鶴見区の市立茨田北小学校の校門にあるインターホンで「忘れ物を届けに来た」と職員に伝え、門を解錠させて敷地内に侵入した疑いがある。男は体育館や運動場で大声を上げ、上半身裸になって暴れていたが、同校からの110番通報で駆けつけた警察官が取り押さえた。凶器は持っていなかったという。当時、同校は朝のホームルーム中で児童は全員、教室内にいた。

https://digital.asahi.com/articles/ASQBT3HZQQBTPTIL001.html

茨田北小学校は鶴見区の東部に位置する学校です。東へ1kmも進めば大東市です。

進入したのは月曜日の朝でした。慌ただしい時間帯です。運動場や体育館等に全児童が集い、朝礼を行う学校も多いでしょう。たまたま同校は全児童が教室内におり(リモート朝礼、もしくは朝礼は別の曜日に?)、被害はありませんでした。

しかしながら、これは極めて危険な事案でした。もしも男が凶器等を持っていたら、そして運動場や体育館等に児童が集っていたら、大惨事は免れませんでした。まさに「ヒヤリ・ハット」です。

本事件でクローズアップされたのは、校門における身元確認の甘さです。「忘れ物を届けに来た」という理由だけで簡単に解錠してしまったのであれば、担当者の危機意識が欠落しています。

大阪教育大学附属池田小学校に男が侵入し、多くの児童を殺傷した事件は2001年の事でした。既に20年以上が経過しています。惨状や報道が記憶に無い教職員が年々増えています。

茨田北小学校は侵入当日の夕方に学校日記へ「保護者の方へのお願い」と題する記事を投稿しました。

http://swa.city-osaka.ed.jp/swas/index.php?id=e701572

保護者サイドの協力も必要です。ただ、本件においては教職員の対応に問題がありました。児童の学年・組・氏名、担任の氏名、忘れ物の内容を聞き取った上、教職員が校門まで取りに行けば侵入は防げました。保護者へのお願いは二の次です。

今後は同種の侵入行為が続く恐れがあります。保育所等も例外ではありません。今一度、校門等での安全確認を徹底する必要があるでしょう。