昨日7月27日に第79回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議が開催されました。
その中から、幾つか驚いた資料をご紹介します。
第6波で約23万人(18歳以下)が感染
数字が間違っていないかと疑った資料です。第6波(2021年12月17日~2022年6月24日)の間に、大阪府内の18歳以下227,451人が感染していました。この年代の18.5%に相当します。
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/38215/00430565/ikkatsu.pdf
期間を長めに設定している事もありますが、感染規模の大きさに本当に驚いてしまいました。30人学級換算だと6人弱が感染した事になります。
感染した子供の割合が特に高かったのは小学生です。422,433人の内、90,661人(21.5%)が感染していました。中学生や高校生より感染割合が高いのは、ワクチン小児接種が行われていなかったのが大きく影響しているでしょう(3月から開始)。
そして第7波(2022年6月25日~)では既に72,285人が感染しています。感染割合が最も高いのは中学生です。221,610人の内、既に15,247人(6.9%)が感染しています。
第6波(190日間)で感染した中学生は15.4%でした。第7波はたった32日で第6波の半分弱の中学生が感染しています。第7波の中心は中学生、次いで小学生(6.6%が感染)です。ワクチン接種割合が低く、学校からのノーマスク圧力が強い年代を直撃しています。
大阪府の18歳以下ワクチン接種率は全国最低
子供の感染者が極めて多い理由の一つは、ワクチン接種率の低さです。12~17歳のワクチン3回目接種率は15.4%、5~11歳の2回目接種率は6.7%に過ぎません。
実は12~17歳のワクチン3回目接種率は全国最低です。感染が爆発している沖縄県は19.6%です。大阪を上回っています。
5~11歳の都道府県別接種率は公表されていませんが、全国平均で16.7%です。感染爆発中の沖縄県那覇市は11.13%(7月20日時点)です。大阪府の接種率は全国平均の半分以下、恐らくは全国最低です。
これは非常に恥ずかしい数字です。衛生観念の低さ、科学的素養の乏しさ、ワクチンに対する懐疑論の広がり、接種に及び腰だった自治体、ワクチンに関する話題に極力触れなかった学校や保育所等、様々な原因が交錯していると考えられます。
当時の議論を振り返ると、「小児ワクチンは慎重に」という意見が支配的でした。努力義務が外れた事が強調され過ぎました。周囲でもワクチンの話題をするのがタブー視されていました。
が、第6波が学校等で急激に拡大しているのは共通認識でした。マスクや換気等では防ぎきれません。ワクチンの効果を軽視し、副反応や個人の意思を尊重し過ぎた結果が子供の間の感染爆発です。
児童施設・学校でクラスター多発、入院病床逼迫
第7波は子供を直撃しています。大阪府内の児童関連施設や学校で数多のクラスターが発生しています。
この資料はまだ参考程度に過ぎません。保健所のマンパワーが追いついていない大阪市内のクラスターは、全ては含まれていないでしょう。
我が家がお世話になっている保育所でも、クラスター認定される規模で感染者が生じました。が、それ以上に感染が広がった保育所も幾つか聞いています。このクラスター数で済んでいる筈がありません。
入院患者の1/3は0歳児です。が、多くの中学生も入院しています。新型コロナは子供にとっても脅威です。「子供はコロナで重症化しない」のは大きな間違いです。
今後の見通し
残念ながら、今後も子供の感染は広がり続け、なかなか減少しないと見ています。
減少する要素としては、夏休みや盆踊りの中止が上げられます。学期中と比べ、接触する機会は確かに減ります。
一方、子供に対する行動制限は行われていません。それ以外の活動は通常通りに行われています。ハイリスク活動たるスポーツ大会や部活動も行われています。大勢の子供が体育館に集まり、ノーマスクで運動する姿も見かけます(窓は開けていますが)。
帰省等も制限されていません。子供同士でも活発に遊んでいます。保育園もノーマスクのままです(そろそろマスクを着けたい、という話は漏れ聞こえてきました)。
ワクチン接種も緩慢です。接種率の大幅な伸びは期待できません。
無事に夏休みを終え、2学期を迎えられるのでしょうか。保育所は臨時休業せずに開所され続けるのでしょうか。我慢の夏は始まったばかりです。