障害のある子どもたちが通う特別支援学校では、教室の不足が全国的に課題となっています。このうち大阪府では500余りの教室が不足し、全国の都道府県で最も深刻になっていることが文部科学省の調査で分かりました。
文部科学省が行った調査結果は「公立特別支援学校における教室不足調査の結果について(令和3年10月1日現在)」に掲載されています。
ここには都道府県毎に「授業の実施に支障が生じており、今後整備する必要がある教室数」及び「今後必要が見込まれることから、新たに整備が必要な教室数」が合算集計されています。大阪府は全国で最も多い528教室、次いで東京都の514教室、千葉県220教室とされています。
保護者等で作っている「大阪の障害児教育をよくする会」が府へ提出した請願書には、様々な実情が記載されています。
2日、府内の保護者や教職員でつくる「大阪の障害児教育をよくする会」が大阪府議会に請願書を提出しました。
請願書では、教室不足のために、▼カーテンなどで間仕切りした教室で授業が行われたり、▼音楽や家庭科の教室が転用されたりしていて、教育環境が十分でないとして、学校の増設などを求めています。大阪府の推計では、特別支援学校に通う知的障害のある児童・生徒は今後もさらに多くなるとされ、教室不足は今後も深刻化するとみられています。
ここ数年の大阪府の対応は、非常に遅々とした物でした。府立支援学校教育環境整備事業費には、毎年7教室分の改修費しか計上されていません。
このペースだと、必要な教室数を改修するのに70年以上が必要となります。言外に「教室不足を解消する考えは無い」と伝わってきます。
また、新たに新設される特別支援学校は、大阪市西淀川区に計画されている学校(旧西淀川高校跡地)のみです。数年前に難波支援学校(施設規模が著しく過大だった大阪市立栄小学校旧校舎を使用)が設置されましたが、全く足りません。
お世話になっている小学校でも、少なくない児童が特別支援学級に在籍しています。更に多くの児童生徒が特別支援学校に登校しているでしょう。
特別教室の転用はまだしも、カーテンで間仕切りした教室で授業を行ったり、体育館や廊下を間仕切りして授業を行うのが異常です。これを放置している現状に唖然としました。