関西空港から広がった「はしか(麻疹)」感染、ついに尼崎市の市立保育所で集団感染に至りました。また、別のこども園でも感染が確認されています。大阪市内でも感染が広がる恐れがあります。

はしか 保育園で集団感染か
09月08日 18時13分

関西空港で働く人などに、はしかの患者が相次いでいますが、兵庫県尼崎市の市立の保育園で、園児や職員など6人が、はしかに感染していることがわかりました。

いずれも関西空港を訪れたことはないということで、尼崎市は、感染ルートの特定や拡大を防ぐ対策を急いでいます。
尼崎市によりますと、市内に住む5歳の男の子が、先月22日ごろから鼻風邪のような症状が続いたため、保護者からの申し出で市が検査したところ、今月2日にはしかと診断されました。

その後の検査で▼男の子の母親と▼男の子と同じ市立の保育園に通う1歳から3歳までの男女の園児3人、それに▼保育園の30代のアルバイトの職員も、はしかに感染していることがわかったということです。いずれも症状は軽く、快方に向かっているということです。

6人は、いずれも関西空港の利用や海外旅行の経験はなく、感染ルートは、わからないということですが、尼崎市は集団感染とみて感染ルートの特定を進めています。

また、尼崎市内では、ほかにも関西空港で働く20代の女性と中学3年の女子生徒が、はしかと診断されていて、市内の患者は8人に上っています。

市は、拡大を防ぐため、ワクチンの接種を呼びかけるとともに、発熱や発しんなどの症状が出た場合は、すみやかに医療機関に相談してほしいとしています。

http://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20160908/5517661.html(リンク先に動画あり)

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(9/10追記)
集団感染が発生している保育所が判明しました。報道された保育所の外観とストリートビューが一致しました。保育所からのお知らせに「感染症が出ているので、園庭開放は休みます」との旨も掲載されています。

様々な配慮が必要な為、現段階では名称等の公表を控えます。施設・児童・保護者等に責任は全くありません。問い合わせや過剰な警戒等は自粛される様にお願いします。
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(9/13追記)
集団感染が疑われる保育所を中心に、感染者が更に増大しています。潜伏期間を踏まえると、更に広がるでしょう。

はしか新たに7人 尼崎、患者計17人に

 兵庫県の尼崎市保健所は12日、新たに7人がはしかに感染したと発表した。いずれも軽症で快方に向かっている。同市内の感染者は計17人となり、国立感染症研究所感染症疫学センター(東京都)に専門職員の派遣を依頼した。

 集団感染が疑われる保育所で、新たに3歳男児2人と1歳女児の感染が発覚。この保育所での感染は計10人になった。

 このほか、それぞれ別の保育園に通う2歳男児と7カ月の女児、幼稚園に通う3歳男児、22歳の男子大学生の感染が判明した。男子大学生は8月23、26日に関西空港を利用したという。

 いずれも感染の経路は分かっていない。13日に同センターから派遣された職員から指導や助言を受け、対応に役立てるという。

http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201609/0009481794.shtml

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報道以外での感染も確認されています。園児1名が発症した武庫愛の園幼稚園(認定こども園、尼崎市南武庫之荘)では、ウェブサイトを通じて注意を呼びかけています。

9月5日に1名の園児が麻疹(はしか)を発症していたと保護者の方から報告を受け、現在完治されて登園されております。9月9日現在新たな感染の報告は受けていない状況ですが、ご妊娠中の方、ワクチン接種をされていないお子様がいらっしゃいましたら、ご来園はご自身でご判断下さい。

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(9/9 13:00追記)
MBSで報じられました。関西空港で感染した可能性が濃厚です。

 兵庫県尼崎市の保育所に通う園児や母親など10人が、はしかに感染していたことがわかりました。市は、保育所内で集団感染したとみて感染経路を調べています。

はしかに集団感染したのは、尼崎市内の保育所に通う1歳から5歳までの男女の園児5人と母親などあわせて10人です。先月29日、保育所に通う5歳の男の子が発疹などの症状を訴え保健所に届け出たところ、はしかと診断されました。感染した園児5人はいずれも予防接種を受けていたということです。

また、はしかに感染した別の幼稚園に通う4歳の女の子は先月末に旅行で関西空港を利用していました。関空では先月から従業員らがはしかに集団感染していることから、保健所が関連を調べています。

http://www.mbs.jp/news/kansai/20160909/00000018.shtml

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関西では関西空港・尼崎市・西宮市にてはしかの感染が確認されています。潜伏期間が長く、大阪市内で広がっていても不思議ではありません。

大阪府のウェブサイトによると、はしかの症状には下記の様な特徴があります。

感染後に潜伏期10~12日を経て発症します。38度前後の発熱が2~4日間続いたのち、一旦少し解熱した後に再び高熱が出て、耳の後ろ~くび~額に発疹が出現し、翌日には顔面、体幹部、上腕に、2日後には四肢末端にまで広がります。
発疹が全身に広がるまで、発熱(39.5度以上)が3~4日間続きます。その後、解熱し、全身状態も回復しますが、発疹は色素沈着がしばらく残ります。
合併症のないかぎり7~10日後には回復しますが、体力等が戻って来るには結局1ヶ月位を要することも珍しくありません。

発熱する頃から、発疹が出るまでの間、強い感染力があります。
学校保健安全法では、解熱した後3日を経過するまで出席停止とされています。

潜伏期間が長く、強い感染力があり、発疹・高熱が発生し、中には肺炎・脳炎等を併発する事もあるそうです。38度前後の発熱が続く、遅くとも首から上を中心とする広範囲で発疹が生じたら、医療機関で受診して検査を受けるべきでしょう。

症状を鑑みると、少なくとも1週間は保育所等を休む必要がありそうです。その間は仕事にならないでしょう。保護者が感染している可能性もあります。

現時点で感染を防ぐにはワクチンを接種するしかないでしょう。母子手帳等でお子様及びご自身のワクチン接種歴を確認下さい。

国立感染症研究所によると現在、はしか・風疹混合生ワクチン(MRワクチン)は1歳児に1回目、小学校入学前に2回目の定期予防接種が受けられるそうです。一方、ワクチン未接種者・ワクチン接種前の0歳児・妊婦は特に注意が必要でしょう。

かかりつけ医と相談の上、適切な接種を心がけて下さい。