大阪市が発表する市立学校園の臨時休業は、平日及び土曜授業を行う日のみが対象とされています。金曜日に感染者が判明しても、土日と重なるので臨時休業を行いません(=発表されない)。

大阪府内の感染者は極めて高い水準を維持している事から、週明けは極めて多くの学校園が臨時休業を発表するでしょう。

各校が発表している臨時休業情報の中には、学校が大混乱に陥っていると思料されるケースもあります。その一つが大阪市立旭陽中学校です。

4日連続で緊急下校を行い、5日間の臨時休業となりました。致し方ない部分もありますが、対応が後手後手に回り続けたのは否めません。

大阪市ウェブサイトには「濃厚接触者等複数による臨時休業」と記載されています。学校日記から、ここ数日間の対応を集約しました。

日付出来事
1月14日(金)生徒感染により13時半に緊急下校、部活動中止
1月15日(土)臨時休業を解除、部活動も実施可
1月16日(日)部活動も実施可、午前中に生徒感染判明、翌17日は臨時休業に
1月17日(月)臨時休業
1月18日(火)職員感染により13時半に緊急下校、部活動中止
1月19日(水)職員感染により13時半に緊急下校、部活動中止
1月20日(木)生徒感染により13時半に緊急下校、部活動中止
1月21日(金)職員感染により13時半に緊急下校、部活動中止
1月22日(土)~26日(水)臨時休業、部活動中止
1月27日(木)~30日(日)臨時休業、部活動中止(1/26追記)

こうしてカレンダーに落とし込むと、オミクロン株への軽い対応と甘さが浮き彫りとなります。もしも私が保護者だったら「学校を再開したい気持ちは理解するが、もう少し慎重に判断して欲しい!」という複雑な気持ちを抱くでしょう。

全く理解できないのは15-16日です。臨時休業を解除し、部活動の実施も認めました(実際に活動した部の有無は不明)。部活動を休止し、自宅待機及び健康観察を呼びかけるべきでした。

案の定、16日に新たな生徒の感染が判明しました。翌日17日は臨時休業となりました。

混沌を引き落としたのは、19日以降の対応です。職員の感染が判明した18日は、給食後に緊急下校しました。ここまでは仕方ありません。

しかし、何故か翌19日は通常授業を実施、しかも部活動も認容する様な記載がありました(当初から不許可なら「部活動中止」と付記しない)。

学校では職員の感染は要注意です。職員室や教室等から他者へ広がりやすいです。職員室での感染拡大を強く疑うべきでした。濃厚接触者の調査を学校に委ねた弊害が生じた様に感じます。

19日に通常授業を行った弊害は、即座に現れました。2日連続の緊急下校です。私が保護者なら、学校に強い不信感を抱きます。1日は仕方ないとしても、2日連続は許容できません。

しかし、学校は翌20日も通常授業を行うとしました。「三度目の正直」を狙ったのでしょうか。しかし、「二度ある事は三度ある」となりました。今度の生徒の感染が判明し、3日連続の緊急下校となりました。

これまでの経緯から、学校が校内感染の広がりを全く掴んでいない事は明らかです。見えない感染が潜んでいるにもかかわらず、何故か翌21日も通常授業を行いました。

案の定、21日も緊急下校となりました。同校の対応に苦言を呈する電話が殺到したのではないでしょうか。

また、4日間の緊急下校はいずれも給食後に行っています。もっと早い時間に感染を認識した日もあったでしょう。家庭で昼食を急に準備できない、学校に残る生徒の昼食確保、食べなかった昼食を破棄する手間等を考慮し、敢えて給食を食べさせたのだと推測しています。

ようやく22日から5日間の臨時休業となりました。遅すぎた判断でした。振り回された家庭や生徒に同情します。

オミクロン株の感染は非常に足が早いのが特徴的だと感じています。濃厚接触者の調査を行っても手遅れという話が頻繁に出ています。学校で感染が判明した場合は若干日の臨時休業を行い、児童生徒や教職員の健康に問題がないのを確認した方が良さそうです。

無理に通常授業を続けようとしても、旭陽中学校の様に緊急下校が続く懸念が強いです。

家庭にとっては、度重なる緊急下校より一定期間の臨時休業の方が負担は少ないです。勤務先にも言いやすいです。「緊急下校だから、4日連続で早退させて下さい」とはとても言えません。