亡くなった新村桜利斗ちゃん
https://digital.asahi.com/articles/ASP9Q73RHP9QPTIL029.html

酷い実態が次々と明らかになっています。ここまでの報道等を総合すると、「桜利斗ちゃんは見殺しにされた」と言えます。

60度熱湯シャワーを5分以上も

松原拓海容疑者は桜利斗ちゃんへ60度の熱湯シャワーを5分以上も掛け続け、重度の火傷を負わせて死に至らしめました。

 捜査関係者によると、桜利斗ちゃんは母親の長男で、摂津市鳥飼本町5丁目のマンションで暮らしていた。8月31日午後、母親と交際し、同居していた松原容疑者の119番通報で駆けつけた救急隊員が、全裸で倒れていた桜利斗ちゃんを病院に搬送したが、まもなく死亡した。死因は全身やけどによる熱傷性ショックだった。

 捜査関係者によると、府警は複数の医師らに鑑定意見を求めた。その結果、桜利斗ちゃんのやけどは重く、少なくとも5分以上にわたって高温の湯を浴びたために生じたと判断したという。マンション浴室のシャワーはキッチンにあるパネルで、最高75度まで温度を上げることができるタイプだった。

 府警は、松原容疑者が何らかの方法で桜利斗ちゃんを逃げられないようにし、全身に湯を浴びせ続けたとみている。

https://digital.asahi.com/articles/ASP9R5VV7P9RPTIL006.html

一方、事件のおよそ1週間後、知人女性ら周囲に対し「シャワーでお湯の温度を上げる遊びをしていた。38度から始めて最終的に60度まで上げた」などと話していたことがわかりました。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210924/2000051675.html

松原容疑者は「遊び」と主張していますが、これは典型的な「リンチ」です。「遊び」というのは加害者側の主観的一方的な認識に過ぎません。

何らかの方法で桜利斗ちゃんが逃げられないようにし、60度の熱湯を掛け続けました。大きな悲鳴を上げ、意識を失っても掛け続けました。

念の為、我が家おシャワーの設定温度を確認しました。最高でも44度までしか上げられませんでした。60度まで上げられるシャワーにも問題があります。

虐待行為は熱湯シャワーに限られないでしょう。以前から様々な暴行を加え、時には保育所を休ませて隠蔽を図っていました。

桜利斗ちゃんは母親の知人に何度も「たっくん(松原容疑者の呼び名)嫌い」と何度も呟いていたそうです。警告は発せられていました。

児相は警察と情報共有せず、摂津市案件だから

もしも虐待情報を警察が把握していたら、警察官の訪問等が行われていたでしょう。しかし、児童相談所と協議した摂津市は、警察と情報を共有していませんでした。

摂津市によりますと、去年1月と今年4月、桜利斗ちゃんが通う保育所から虐待を疑う報告がありました。6月にも母親の知人から通報があり、児童相談所と対応を協議しましたが、警察には情報を共有していませんでした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5eed2f56735148fa1e5a82ac16268b4c5a0bbf64

大阪府の児童相談所は全ての虐待情報を警察と共有する仕組みとしています。児相が対応した概要リストを定期的に大阪府警へ提供しているそうです。

児相から警察への共有方法は自治体によって違い、(1)システム上で児相情報の一部を警察が閲覧(2)対応した概要のリストを定期的に警察に提供(3)警察も出席する「要保護児童対策地域協議会」でリストを共有-のおおむね3パターン。

(1)の埼玉県では警察は通報を受けたときにシステム上で児相の対応歴を調べることができ、(2)の大阪府では児相が対応したケースを警察がダブルチェックできる。(3)の長崎県では警察を含む関係機関で、支援が必要な子供全員を見守ることが目的となる。

https://www.sankei.com/article/20200731-CD4QR54KZVPHBK3YFWNJWQUBQY/2/

しかし、本件は摂津市の対象案件とされ、全件共有対象から外れていました。

 吉村氏は、3歳男児の家庭の問題が摂津市の担当案件とされ、児童相談所が全ての虐待情報を警察に伝える府の「全件共有」の対象から外れていたと指摘。「部会ではそれが正しいのかを含めて検証したい。市町村担当案件でも警察との全件共有を考えた方が良い」との認識を示した。

https://jp.reuters.com/article/idJP2021092401001085

どうして児相案件ではなく摂津市案件としたのか、その判断は検証されるべきです。

摂津市は松原容疑者との同居を把握せず

驚くことに摂津市は松原容疑者との同居を把握していませんでした。開いた口が塞がりません。

【独自】熱湯3歳児殺害、市は交際相手の男と母子の同居を把握せず…母親「週末に来るだけ」

 今年5月6日、母親から「交際相手が子どものほっぺたをたたいてあざができた」と相談があり、市の担当者が同12日にマンションで松原容疑者と面談。松原容疑者は「もう手を出しません」と話し、母親は「週末に来るだけ」と同居を否定したという。

 6月2日には、母親の知人から市に「交際相手が桜利斗ちゃんをたたいたり、おもちゃを投げつけたりしている。このままでは殺されてしまう」と情報が寄せられた。市の担当者は翌日に母子と面会し、母親が暴力を否定し、桜利斗ちゃんに外傷が確認されなかったことから、緊急性が低いと判断した。市はその後、自宅の訪問や松原容疑者への面談を実施せず、同居を把握していなかった。

 厚生労働省は虐待リスクの判断には、交際相手の同居を含め、家庭環境を正確に把握することが欠かせないとしている。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210924-OYT1T50039/

摂津市の担当部署がここまで仕事をしていないとは思いませんでした。連れ子にとって、内縁の夫との同居は極めて高いリスクがあるのは常識でしょう。ここ数年の間に発生した虐待事件の多くは、内縁の夫(同居男性)が妻(シングルマザー)の子供に危害を加える事例でした。

同居している事実は、少なくとも保育所は(薄々ながら)認識していた筈です。3歳児ともなれば、自宅での出来事などを先生に伝えています。その情報が保育所内に留まっていたか、摂津市役所に伝えられていたかは不明です。

摂津市は同居どころか、交際相手の氏名や人定も把握できていませんでした。

摂津市によりますとことし5月に母親が市役所に面談に来た際、「交際相手が子どもをたたいた」と担当者に話していたということです。この6日後には市の担当者が自宅を訪れ、松原容疑者とみられる母親の交際相手に対し「たたくことはだめだ」と伝えると、相手はうなずいて「わかった」と答えたということです。

https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20210923/2000051648.html

何の為の訪問だったのでしょうか。「訪問した」というアリバイ作りにしか見えません。

しかし摂津市の担当者は「対応は適切だった」と弁解しています。

市の担当者は「対応は適切だった」とする一方、「今回の事案を重く受け止め、二度と起こらないように検証する」と話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/86007402988f77d0720efe722c830401015621d5

子供の命はこんなに軽い物なのでしょうか。

これまでの所では、摂津市の対応の悪さが際立っています。どうしてこの様な軽い対応を行い、見殺したのでしょうか。若干の違和感を感じます。