大クラスターが発生した城山保育園(UL設計室より)
「コロナは風邪」「ノーマスク」「反ワクチン」等の荒唐無稽な主張や行動を展開する人もいますが、私は「違う世界の住民だ」と遙か彼方から様子を見ています。
しかし、こうした運動や行動が保育所で行われたら別です。
熊本市西区にある城山保育園(じょうざんほいくえん、豊田亮園長)にて、職員が敢えてマスクを外して保育を行っていた事が明らかになりました。
保育施設における国内最大規模のクラスターです。
大規模クラスターが発生した熊本市西区の城山保育園で、感染対策がずさんだったことが熊本県民テレビの取材で明らかになった。
城山保育園では、園児64人、職員など14人の合わせて78人の新型コロナウイルスへの感染が確認された。
熊本市によると、去年8月から今年5月にかけて「職員がマスクをつけていない」「換気や手洗いが十分でない」などの情報が5件寄せられた。園長は熊本市に対し「職員の表情が園児に見えるようにマスクを外している」と説明した上で、着用する意思を示したという。
しかし、その後も「マスクをしていない」という情報が寄せられたという。クラスター発生を受けて、熊本市が8月31日に園に立ち入り調査をしたところ、おもちゃの消毒が徹底されていなかったり、園児や職員が対面で食事をしていたりするなど万全な対策が取られていないのを確認した。
城山保育園はKKTの取材に対し、「園長不在のため答えられない」としている。
城山保育園は熊本県熊本市西区上代6丁目9−1にあります。
ノーマスクを徹底している様子は、昨年11月に公表された園を紹介する動画からも窺えます。登場する職員や保護者全員がマスクを着用していません。
https://www.youtube.com/watch?v=1koxSZh06KU
当然ながらアクリル板もありません。これが園では日常茶飯事だったのでしょう。保育士どころか給食調理員もノーマスクです。異常です。
熊本市も怒っています。同市はこうしたクラスターでは施設名を公表していないのですが、感染規模が余りに大きくなってしまったので公表しました。
https://www.city.kumamoto.jp/hpkiji/pub/detail.aspx?c_id=5&type=top&id=37339
実は同園では約20年前に行われたもちつき大会において、約300人が嘔吐する集団食中毒事案が発生していました。
当時を知る職員は殆ど在園していないかもしれません。しかし、公衆衛生を軽視する体質は変わっていません。極めて厳しい対応が必要です。
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(9/4追記)
市長も怒っています(下記リンク先の動画後半部分)。
園児など79人が感染するクラスターが発生した熊本市の「城山保育園」。
マスクや消毒を徹底していなかった実態が明らかになった。
熊本市西区の認定こども園「城山保育園」では、3日までに園児65人、職員など14人の合わせて79人の新型コロナへの感染が確認されている。
熊本市によると去年8月から今年5月にかけて「職員がマスクをつけていない」「換気や手洗いが十分でない」などの情報が5件寄せられた。
園長は熊本市に対し「職員の表情が園児に見えるようにマスクを外している」と説明した上で、着用する意思を示したという。
しかし、その後も「マスクをしていない」という情報が寄せられたという。
保育園からは「職員のマスク着用」についてこんなメールが保護者に一斉に送られていた。
『感染のリスク以上に子どもたちの発達に支障をきたす状況になるので園内ではマスクをせず、子どもたちに職員の表情や口元が見えるようにしている』
クラスター発生を受けて熊本市が8月31日に園に立ち入り調査をしたところ、おもちゃの消毒が徹底されていなかったり、園児や職員が対面で食事をしていたりするなど万全な対策が取られていないことを確認した。
ニュース映像中にメール全文が紹介されていました。書き起こしてご紹介します。
職員のマスク着用について
保護者各位
日頃より、当園の教育・保育にご理解ご協力いただきありがとうございます。さて、本日、熊本市保育幼稚園課より「保護者から連絡があり、園の職員がマスクをしていない。」との連絡がありました。
マスクの着用によって、子ども達から見える範囲が、眉毛と目のみとなってしまい、職員の表情が見えづらい状況が続くことで、子ども達に必要以上に緊張感が(原文ママ)強いる(職員の顔を伺おうとするなど)状況が続きます。また、会話においても口元が見えないことから、子ども達の言語習得に一定の支障が生じつつあります。
当園では、感染のリスク以上に、子ども達の発達に支障をきたす状況になりますので、園内では職員はマスクをせず、子ども達に職員の表情や口元が見えるようにしております。
子ども達の心身にあまりよくない影響を与え、発達のねじれを生じさせてしまってからでは取り返しのつかないことにもなりかねません。また、マウスシールドを全職員が所持しておりますが、プラスチック性(原文ママ)である為、子どもに怪我をさせる場合がありますので、食事の配膳以外では使用していません。
幸い、当園の建築構造上、ほとんど壁がなく、閉鎖した空間が少ない為、この園舎に移りましてから、インフルエンザの流行期も園内での流行はほとんどありません。
ただし、外部からの来客(見学等)、ある一定の時間会話する場合は、マスク及びマウスシールドを着用しております。また、咳症状がある職員につきましては、終日マスク着用にて対応しております。
ご理解の程よろしくお願い致します。
園長
いや、理解できません。今は感染予防が第一です。
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(9/7追記)
クラスターが発生した原因の一端が見えてきました。
換気は晴れた日のみ行い、バイキング方式の給食を大勢の職員・園児が一緒に食べていたそうです。
熊本市はクラスター発生後の8月31日に立ち入り調査。換気は晴れた日のみ、給食はセミバイキング方式で園児と職員およそ60人が一緒に食事をとっていたことも分かりました。子供が感染した保護者は濃厚接触者となり看病をしながら自宅待機の日々が続いています。
不十分な換気、バイキング形式の給食、そしてノーマスク。クラスターは起こるべくして起きました。
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(9/14追記)
保育所が再開しました。
https://www.youtube.com/watch?v=FVC1-hf8ZiQ
https://www.youtube.com/watch?v=FQmHbCGudiQ
大規模なクラスターとなり休園していた熊本市の保育園が、13日再開しました。
「西区の城山保育園です。今日からの再開にあたっては換気や消毒を一層徹底するということです」(記者)
城山保育園は、園児65人と職員14人のあわせて79人が感染する大規模なクラスターとなり、その後熊本市による4回の現地確認・指導を受け、園の再開が可能と判断されました。
13日の再開にあたっては、クラスター化の主な原因と指摘された職員のマスク着用や換気・消毒を徹底することなどを確認。
また、これまでは園児と職員が一緒に昼食をとっていましたが、時間を分けて別室で食事することに。
保護者の送り迎えも玄関先までに限るなど、外部との接触を最小限にするよう体制を改善したということです。
https://rkk.jp/news/backno_page.php?id=NS003202109131655440111
熊本市は約2週間の間に4回もの現地確認や指導を行いました。異常な回数です。それだけ本件事案を問題視しています。
対策はごく当たり前の方法です。職員のマスク着用・換気や消毒の徹底・職員と園児の別食事・保護者の入室規制、どの園でも行われている物ばかりです。
もしも園が対策を徹底しなければ、休園措置を継続したと考えられます。再開後も熊本市は同園を監視し続けるでしょう。