自民党の二階幹事長(党ウェブサイトより)

会食に関する自民党の二階幹事長の発言に激しい反発が集まっています。

自民党の二階幹事長、大人数会食批判に反論

 自民党の二階俊博幹事長は27日放送のBS朝日番組で、自身を含む菅義偉首相らとの大人数会食に批判が出ていることについて「会食を目的にやっていない。意見交換を考えてやっている。全く無駄なことをしているわけではない」と述べ、反論した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/86e5d909677f9f59c061257093d0311150c29751

より詳しい発言内容は東京スポーツに掲載されています。

 自民党の二階俊博幹事長(81)が27日、BS朝日「激論!クロスファイア」に出演し、14日に菅義偉首相らと行われた〝ステーキ会食〟について「飯を食うために集まったんじゃない」と、会食の事実を否定した。

 二階氏はこの件について「ある意味では誤解ですよね」とし「我々はいろんな面で出会っておったような人たちで年に1回忘年会を開いておったわけですよ。で、ちょうどいい機会だから、総理もそれぞれの人、各界の代表的な人だし、出会っておいた方がいいかなと。そんなふうな感じですから」と説明。政府が5人以上の会食を控えるよう呼び掛けている中の行動だったが「これを分けて頭から3人とかね、4人で切るとかいうわけ(にいかない)じゃない」と語った。

 さらに「別に8人で会っただけで、会食ってそんなことを特にやったわけではない。飯を食うために集まったんじゃないんですよ」と会食の事実自体を否定した。

「飲食店でお食事を共にしたらそれは会食では?」と疑問の声も出たが、二階氏は「飲食店でやったというだけで飯を食うために集まったんじゃないんですよ。ただそこでその時間に出会ったということですよ」と釈明。

「一般の人は普通の忘年会も我慢している」という指摘には「会食を目的に出会ってるんではないですからね。そこで出会って意見交換をすること、今の事態に対してどう対応するかということを考えてやってるんですから」と述べ「まったく無駄なことをやってるんじゃないんですよ」とぶ然とした表情を見せた。

 この〝会食〟には首相や二階氏の他、ソフトバンクの王貞治球団会長、俳優の杉良太郎、タレントのみのもんたらが同席。みのは本紙の取材に「特に盛り上がるような話題もないから、静かに食事してました」と証言し、「政治や社会について」の会話はしていないとしている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8ca629538a414873d6fb2726aa89181215c69221

この発言が飛び出したのは、BS朝日『激論!クロスファイア』です。

放送内容
二階幹事長を直撃!
2020年の総括と菅政権の評価
12月27日(日)

二階 俊博
自民党 幹事長

林 尚行
朝日新聞 経済部長代理

BS朝日『激論!クロスファイア』

ヤフーニュースに寄せられたコメントは、28日午前10時の時点で2万件を越えています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/86e5d909677f9f59c061257093d0311150c29751

コメントが1万件を越える記事も稀な中、2万件を越えるのは極めて珍しいです。それだけ強い反発が集まっているのでしょう。

これだけの批判的なコメントが集まったのは、(1)現政権で実質的な意思決定権を有していると目される自民党幹事長が、(2)政府が自粛を呼びかけている多人数での会食を行い、(3)多人数会食の危険性を理解せず、(4)会食を否定し、(5)他の代替手段を考慮しなかった、という点に集約されるでしょう。

意見交換を行うのが目的であれば、会食抜きで集まればよいだけです。会議で十分です。リモート会議も可能です。

ご飯を食べてリラックスした方が自由闊達な意見交換が行いやすいでしょうが、今はそれを避ける時勢です。

幹事長の姿勢で特に問題だと感じたのは、会食の危険性を全く理解していない部分です。会食の危険性は政府分科会の尾身会長が強く指摘しています。

https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ful/bunkakai/cyokumen_3tsunokadai.pdf

ステーキ店に集ってマスクを外して食事や会話を行うのは、客観的には「会食」です。

自粛を呼びかける立場の人間がステーキ店で大人数の会食を行っても「会食でない」と否定し、会食の危険性すら全く認識していなかったら、一定の国民が繁華街等の飲食店に繰り出してどんちゃん騒ぎを行うのは無理はありません。

うちの子ですら「お友達でご飯を食べながらお喋りするのはよくない」と分かっています。給食は無言で食べているそうです。

先週末、止むに止まれぬ所用があったので、久しぶりに大阪市内の繁華街へ出掛けました。街中は閑散としており、特に高齢者や家族連れの姿は非常に少なく感じました。外出自粛の呼びかけが効いているのを実感しました。

一方で若い人の姿は数多く見かけました。コロナ禍以前と遜色がない水準です。中には換気が悪い居酒屋等で大盛り上がりしている姿も見受けられました。

こうした中からクラスターが発生し、様々な経路を辿って医療機関や高齢者施設でのクラスターを引き起こし、医療機関の逼迫化や重症者・死者の増加に繋がっていくのでしょう。

少なくない方が今年2月から感染リスクを有する様々な活動を控えていると思います。我が家も外食を控え、出先でマスクを外す機会や三密空間で過ごすのを避けています。

現政権で実質的に最終的な意思決定権を有している二階幹事長のコロナウイルスを恐れない態度は、国民に伝わります。様々な批判はありますが、強い言葉で繰り返して外出自粛・多人数での会食自粛を呼びかける大阪府の吉村知事とは対照的です。

残念ながら永田町に近い首都圏での感染者増加が年末年始でも収まらないでしょう。新たな感染者が減った様に見えても、それは年末年始で検査数が抑制されるからです。

子供にも罹りやすいと言われる変異種も心配ですね。学校や保育所等に入り込んだら、多くの子供が感染してしまいかねません。

仕事初め以降は首都圏を中心とする様々な地方で今以上の感染者が発生すると見ています。首都圏に住んでいる身内にも「しばらくは会えないね」と話しています。