待機児童数及び利用保留児童数は昨年同期と比べて微減しています。
大阪市の保育所等利用待機児童数について(令和2年10月1日現在)
令和2年10月1日現在における保育所等利用待機児童数は、厚生労働省が定めた基準により集計した結果、昨年の同時期に比べて43人減少し、26人となりました。利用保留児童数については、昨年の同時期より40人減少し、4,508人となりました。
また、保育所等在籍児童数は、昨年の同時期に比べて1,202人増加し、55,819人となりました。
数字だけを見ると「昨年も今年も似た状態かな」と感じました。しかし、昨年と今年は「転所希望者」の取り扱いが変わっており、それを考慮して比較する必要があります。
昨年(令和元年)10月時点での利用保留児童数は5,155人と発表されました。これは「転所希望者」が含まれた数字です。
大阪市の保育所等利用待機児童数について(令和元年10月1日現在)
令和元年10月1日現在における保育所等利用待機児童数は、厚生労働省が定めた基準により集計した結果、本年4月1日に比べて41人増加、昨年の同時期に比べて321人減少し、69人となりました。利用保留児童数については、昨年の同時期より367人増加し、5,155人となりました。
また、保育所等在籍児童数は、昨年の同時期に比べて1,497人増加し、54,617人となりました。
一方、今年(令和2年)10月時点での利用保留児童数は「昨年の同時期より40人減少し、4,508人となりました。」と発表されました。昨年の同時期は5,155人と発表されていますが、計算が合いません。
ここでの昨年同時期の利用保留児童数は、昨年10月の5,155人から転所希望者たる607人を引いた後の数字である4,548人を基準として計算されています。
これを考慮して今年と昨年を比較したところ、利用保留児童数が大きく増加していたのは城東区(38人)・東住吉区(37人)・港区(21人)・旭区(20人)・北区(16人)でした。
この5区に共通項を見いだす事は難しいです。
強いて言えば、相次ぐ子育て世帯の転入に保育所等の整備が追いつかない城東区と北区、そして保育所等の整備が一段落したと見做されている港区と旭区、そして過剰だと考えられている東住吉区と分類されるのでしょうか。
保育所等の整備を進めて欲しい一方、就学前児童数は減少へ転じています。今年4月と昨年4月を比較したところ、100人以上増加していたのは福島区(244人)と天王寺区(137人)だけでした。
この2区は大型マンションの供給が盛んです。今後は保育所等のみならず、小学校の狭隘化が急激に進行すると考えられます。福島区は過大規模校の再編対象地域から外れており、問題が生じても後手後手に回りかねません。
就学前児童数は大阪市中心部から離れ、通勤しにくい地域ほどに減少していますね。平野区・鶴見区・東淀川区・都島区(意外?)は200人以上減少しています。
今後は子供の減少と保育需要の両方を踏まえつつ、地域の実情に応じた保育所等の整備が行われていくのでしょう。これまでの様に「とにかく増やして!」という時代は終わろうとしています。