保育施設職員による園児虐待が後を絶ちません。
福島県二本松市にある保育所「すまいるえくぼ」(平成31年4月に地域型保育事業から移行)では、元園長(先日辞任)が園児への暴言や体罰を繰り返していました。
二本松市の保育所の元園長が、預かっていた子どもに虐待をしていたとして、県はこの施設に対し、業務改善命令を出しました。
元園長による虐待が明らかになったのは、園児21人が通う二本松市の保育所、「すまいるえくぼ」です。
県子育て支援課によりますと、先月中旬、二本松市から「入所中の園児に暴言や体罰が行われている」と連絡が入り、保育所に聞き取りを行いました。
その結果、当時の園長が園児に対し、体罰や暴言などの虐待を行っていたことが確認できたとして、先月18日に、施設に対し業務改善命令を出したということです。
業務改善命令では、承認を得るまで、園長が利用する子どもたちに直接携わらないようにすることや、今月18日までに県に改善計画書を提出し、承認を得ることなどを求めています。
改善が確認できない場合は、県が業務停止、あるいは認可の取り消しを命じるとしています。虐待をした当時の園長は、責任をとるとして辞任したということで、施設側は、先月中旬に保護者会を開き、経緯の説明などを行った上で、現在も業務を続けているということです。
https://www3.nhk.or.jp/lnews/fukushima/20201209/6050012609.html
「すまいるえくぼ」は福島県二本松市平石高田2丁目492番地1にあります。二本松市の中心部から阿武隈川を挟んだ対岸側ですね。
https://www.city.nihonmatsu.lg.jp/data/doc/1565079630_doc_46_0.pdf
本事件は福島テレビが集中的に取り上げています。
【独自 認可保育園で元園長が虐待】園児を持ち上げ足で踏みつける…保護者から怒りの声 福島県が改善命令
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/?mode=detail&news_id=2020120900000002「私のやり方だから口出さないで」認可保育所で元園長による虐待…園児約20人が被害〈福島県〉
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/?mode=detail&news_id=2020120900000004《認可保育所での児童虐待》虐待の内容を改めて整理 被害児童の保護者は怒り・気づけなかった後悔…
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/?mode=detail&news_id=2020120900000005《認可保育所での児童虐待》虐待はなぜ止められなかった?保育所側の対応・警察の捜査は?
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/?mode=detail&news_id=2020120900000006
虐待行為の内容は証言・防犯カメラの映像・再現CG等で明らかにされています。
踏みつけや蹴飛ばし、「殺すぞ」「ぶっ飛ばす」「ばーか」という暴言、閉じ込めやおやつ抜き、人間として、ましてや保育者として考えられない行為です。
元園長は園児の服を掴んで持ち上げ、繰り返し踏みつけるような虐待を行っていた。
虐待は今年に入ってエスカレートし、これまで虐待をうけやめた園児もいて今でも園に近づくだけで泣く子もいるという。
保護者:「園長というかその一番上の方がそんな虐待をしてるなんていう疑いも考えてもいなかったので許せないですね。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5f8df8fe66aabdda71bf91ea90a383a047444db7
園児が着ている服の裾を掴んで持ち上げ、大きく揺さぶり床に落とす。
さらには体などを繰り返し蹴っていた。
保育所内での虐待はこれだけではなく、保護者全員に配られた資料によると「殺すぞ」「ぶっとばす」といった暴言や、0歳児を揺さぶる、蹴る。
園児の胸ぐらを掴んだり部屋に閉じ込めたりした他、おやつを与えないといった行為を日常的にしていたという。
玄関に立っているのは、当時の園長。
壁の陰には園児がいる。園長(当時)「帰れー! おらおらおらおらー! あばっちんじゃない!(ふざけるんじゃない)」
園長は、園児をうつぶせで持ち上げ、振り回している。
さらに、園児に向けられたのは、足。
けっているように見える。これだけではない。
園長(当時)「ばーか! ばーか! ばーか!」
虐待行為が行われている事は以前から二本松市等は把握していました。しかし園長への聞き取りだけで済ませていました。結果として園長を野放しにし、虐待行為を続けさせてしまいました。
しかし、堪りかねた職員が遂に声を上げたそうです。二本松市や福島県等、様々な機関へ相談・通報したと推測されます。
以前にも被害を受けた子どもの保護者が二本松市などに通報していたというが、園長に対する聞き取りだけで済んでいたという。
職員は虐待された子どもをフォローしようとすると園児への体罰や暴言が激しくなったことから止められなかった。
ただ、今年に入って虐待行為がエスカレートしたことから園の職員が声を上げた。園の関係者:「私たちの力じゃ止められないと思ったのが一番の理由ですし、子どもたちが表情や態度がもう怖いという思いが精神状態がこどものなかでも表面に出てきたので、園は楽しい所だって思ってもらいたいのでそこを何とかしなきゃと思って動きましたね。」
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/?mode=detail&news_id=2020120900000006
元園長は辞任し、現在は新しい園長が就任しています。しかし、元園長は経営者として園に残り、事実上の支配を行おうとしています。
改善命令を受けて「すまいるえくぼ」には新たな園長が就任たが、元園長は経営者として残ることになっている。
https://www.fukushima-tv.co.jp/localnews/?mode=detail&news_id=2020120900000006
これでは再び虐待行為が行われたり、園児や職員に悪影響が及ぶ可能性が高いです。
元園長が園児等に直接携わらないだけでなく、園との関係を完全に断ち切る必要があるでしょう。また、虐待行為は園児に対する暴行です。刑事事件としての捜査も進みそうです。
ただ、園の不動産を元園長が所有していると話が難しくなります。経営者としての関係がなくなっても、不動産賃貸人としての関係が残ってしまいます。
今回は職員が声を上げた事によって事態が大きく動きました。しかし、二本松市が保護者からの訴えに耳を傾けていれば、より早期に解決していました。
保護者の声は園児の声です。もっと早い段階で介入し、解決できた事案です。行政の後ろ向きな姿勢が気掛かりです。