H26保育所一斉入所結果分析、11回目は入所倍率が最も高かった西区を取り上げます。
但し、H27一斉入所では幾分かは緩和される見込みです。
各保育所毎の新入所者数・入所者平均点・入所基準点を取り上げ、H25とH26を比較した上で分析検討を行ってみます。
(入所者平均点・入所基準点の計算方法はこちらに記載しています。)
なお、【H26保育所入所申込状況分析】(6)西区も参考にして下さい。
※各区の分析を順次行っていますが、「○○区の状況を早めに知りたい」「○○保育所についてもっと突っ込んだ分析を」等のリクエストがありましたら、コメント欄やお問い合わせからお寄せ下さい。
名称 | H26入所者数 | H26入所者平均 | H26入所基準点 | H25入所者数 | H25入所者平均 | H25入所基準点 |
梅本保育所 | 36 | 198.3 | 195 | 34 | 199.6 | 195 |
西保育所 | 27 | 192.2 | 165 | 27 | 194.0 | 185 |
西六保育園 | 33 | 202.5 | 195 | 34 | 205.5 | 205 |
メリーガーデン保育園 | 14 | 194.8 | 185 | 14 | 199.8 | 195 |
鈴の音保育園 | 31 | 184.9 | 155 | 32 | 188.6 | 175 |
YMCAとさぼり保育園 | 15 | 202.2 | 195 | 23 | 199.4 | 195 |
YMCAあわざ保育園 | 6 | 175.5 | 125 | 7 | 192.6 | 185 |
ソフィア南堀江保育園 | 13 | 197.0 | 195 | 15 | 198.8 | 195 |
うつぼほんまち保育園 | 11 | 202.0 | 195 | 11 | 202.8 | 195 |
ポプラ保育園 | 10 | 199.5 | 195 | 16 | 200.5 | 195 |
新町保育園 | 16 | 201.8 | 195 | 18 | 201.6 | 195 |
アポロ南堀江保育園 | 34 | 192.6 | 165 | 78 | 195.2 | 185 |
波除学園分園なみぴよ | 7 | 171.2 | 155 | 8 | 173.0 | 125 |
波除学園分園ぴよこじま | 10 | 169.5 | 125 | 11 | 174.6 | 125 |
アスク南堀江保育園 | 51 | 189.1 | 175 | |||
堀江敬愛保育園 | ||||||
りんりん保育園 | ||||||
(新設予定) | 平成27年4月開所予定/西区新町一丁目 |
大阪市の中心に位置する西区は東隣の中央区と同じく再開発が盛んで人口流入が盛んです。
現在も居住用マンションが数多く建設されています。
平成26年4月1日時点での就学前児童数は4,877人と、前年から198人(+4%)も増加しています。
北区・天王寺区・阿倍野区・浪速区とほぼ同じ伸び率です。
余談ですが就学前児童数が増えているのは、上記の通り大阪市内中心部の御堂筋線・四つ橋線沿線の区に集中しています。
子育て世帯の急激な都心流入が起きているのかもしれません。
市中心部の企業で共働きをする場合、生活コストが上昇しても中心部に住んでしまった方が効率的なのは事実でしょう。
特に保育所への送迎時間がシビアに絡んできます。
入所申込数は昨年から36人増えて542人となり、入所倍率0.21倍上昇して1.72倍となりました。
入所倍率及びその上昇幅は市内1でした。
新入所者平均点も193.40点と高くなっています(市内4位、詳細はこちら)。
西区の入所倍率が著しく高くなってしまった原因は明確です。
(1)入所申込数の増加
(2)新規入所児童数の減少
(3)新設保育所の開所遅れ
(1)は上述の通り、前年比36人増(+7%)となっています。
就学前児童数の増加数を上回る水準で入所申込数が増加しました。
(2)は既存の保育所への新入所枠が減少したのが理由です。
大半の保育所で微減している事から、定員減ではなく年度末に合わせた退所者が減少したのが理由だと推測されます。
平成25年・26年に開所したアポロ南堀江保育園及びアスク南堀江保育園を除くと、新入所者数はH25:250人→H26:229人と減少しています。
(3)について、西区では平成26年4月開所に向けて3保育所の新設を進めていました。
アスク南堀江保育園は予定通りに開所できたのですが、堀江敬愛保育園(定員70人)は5月、りんりん保育園(定員90人)は7月と予定より延期されてしまいました(遅くなりましたがりんりん保育園の開所情報のご提供、ありがとうございました)。
仮に(3)が平成26年4月に間に合っていた場合、新規入所児童数は160人増えて475人となっていましたと考えられます。
入所倍率は1.14倍です。
市内平均値より下となった計算です。
実は西区は保育所整備に力を入れ続けています。
手元の資料によると、平成15年度ー平成24年度の10年間で何と8保育所が新設されています。
平成25年度以降の新設分も合わせると、約15年間で区内の保育所が4倍になる形です。
平成27年4月には新たに新町一丁目に保育所の新設が予定されています(詳細はこちら)。
そうした状況であっても入所倍率が上昇してしまうとは、就学前児童の都心回帰の流れは本当に急激なのでしょう。
都心部にあってフルタイム共働きが多いと推測される西区、入所基準点や入所者平均点も著しく高い保育所が多いです。
特に木津川以東の西区東部の大半の保育所は、基準点が195点・入所者平均点が200点前後となっています。
この地域は保育所へ入所するのが市内で最も困難な地域の一つでしょう。
西六保育園・YMCAとさぼり保育園・うつぼほんまち保育園・新町保育園は平均点が200点を超え、入所するのが極めて困難な状況となっています。
年齢によっては、フルタイム共働きの200点であっても入所できなかった児童がいたと推測されます。
H27一斉入所において、程度は定かではありませんが、西区では保育所へやや入所しやすくなると考えられます。
とは言っても就学前児童を有する共働き世帯の都心回帰は今後も続くと予想され、入所基準点が劇的に低下するとは考えにくいです。
西区は幼稚園が多い地域なので、長時間保育が必要でなければ保育ママ・小規模保育・幼稚園を検討するのも一案でしょう。
なお、平成27年度以降は保育所及び市立幼稚園保育料を引き上げ、私立幼稚園保育料を引き下げる方向で検討が進められています(詳細はこちら)。
保育料の変更が保育所入所申込数に与える影響は少なくないと見ています。