先日、この様なメールを頂きました(固有名詞等は伏せ、事実関係を若干変えています)。

A区在住、今は育児休業を取得中、4月からフルタイムで復職する予定です。

きょうだいが同時に申込み、上の子が隣接したB区の第2希望保育所、下の子が居住するA区の第1希望保育所に決まりました。

面接時に同じ保育所を希望するとしましたが、入所保留が怖いので別々でも可としました。

決まってほっとした反面、そこそこ距離が離れている別の保育所に決まったのでショックです。

今から何をすべきでしょうか?

まずは入所内定、おめでとうございます。

しかし、きょうだいが距離が離れた別の保育所に内定してしてしまうとは、強く想定していなかった事態でしょう。困惑する気持ちが伝わってきます。

すべきなのは2点、「同じ保育所等への転所手続」と「2か所保育のシミュレーション」です。

同じ保育所等への転所手続を

大阪市の保育所等入所調整では、きょうだいが通っている保育所等への入所申込は7点~10点が加点されます(きょうだい加点)。優遇されています。

この加点を得た上で、別のきょうだいが通っている第1希望の保育所等へ転所できる様に手続を行います(2次調整ではなく、年度途中からになると思います)。

転所希望先で退所者が生じた場合、一斉入所と同じ様な利用調整が行われます。点数が高い児童から入所が決まります。

最終的にきょうだいが通っている保育所等へ転所できた事例は少なくありません。

【入所体験談】きょうだいで別施設を希望・入所→夏前に同一施設へ転所

ただ、注意が必要な点もあります。

現行の入所調整システムが導入された当初から認可外保育施設の利用者に5点~7点が加えられていましたが、1年前からは企業主導型保育の利用者にも5点が加えられる様になりました。

企業主導型保育は施設へ公費助成が行われており、認可外保育施設より保育料も低くなっています。子育て世帯にとっては「利用しやすい」施設です。

この結果、きょうだい加点に企業主導型保育加点が上積みされたと推測される事例が相次いで観測されています。

先日発表された一斉入所にて「きょうだい加点があっても入所できなかった」という場合では、二重の加点があった児童が存在したと推測されます。

2か所保育のシミュレーション

より心配なのは2か所保育です。

ただでさえ不安な復職、それ加えて毎朝夕に2か所の保育所等を回らなければならないのは、本当に大変です。

しかし、4月復職・入所は待ってくれません。

まずは送迎や出退勤が物理的に可能かどうかを、実際に試す必要があります。

復職後と同じ時間に子供達と一緒に自宅を出発します。まずは先に登園する保育所等へ向かい、後で登園する保育所等へ向かい、最終的に勤務先へ到着する段取りです。

朝の決められた時間までに自分と子供達の身支度を済ませるのは、慣れるまでは時間が掛かってしまうでしょう。朝は戦場です。

そこから2か所の保育所等へ向かうのも一苦労です。子供と一緒に、通勤・通学等で混み合う道路を移動するのは気苦労が絶えません。意外に交通量が多く、移動するのが困難な道もあるでしょう。

まだ入所していないので、保育所等で預けるわけにはいきません。ただ、登園すると想定している時間帯の保育所等や周囲をぐるっと回ると、付近の様子がよく分かります。

なお、保育所等で保育士へ子供を引き渡すまでには、着替えの入替や体温測定といった様々な作業が発生します。オムツが外れない0-1歳児は15分程度は見込んでおくべきでしょう。

2か所の保育所等を回って既に疲れているでしょう。しかし、ここから出勤し、夕方まで仕事が続きます。

夕方の流れは朝と反対です。各保育所等を回って子供を引き取り、必要ならば途中で買い物をしてから自宅に戻ります。

帰宅後は食事の準備、寝かせつけ、保育所等の明日の荷造が待っています。

こうした手順を毎日できそうでしょうか?

繰り返しになりますが、2か所保育は本当に本当に大変です。復職までに夫婦でしっかりと話し合い、適切に分担する様にして下さい。