平成29年度保育所等一斉入所申込状況分析、第13回は東淀川区を取り上げます。

なお、同区に関する過去の分析記事は「検索:東淀川区 分析」から、その他の昨年の分析記事はH28申込分析H28結果分析からご覧下さい。大阪市子育て支援施設マップ(非公式)も役立つと思います。

※11月4日に発表された数字に基づきます・保育士優先利用数は申込者数に含んでいます

大阪市から発表された平成29年度保育施設利用申込状況に基づき、区別・年齢別・年度別の申込数・募集数一覧表を作成しました。
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昨年より入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ・0.1倍以上減少した区は水色・入所倍率が2倍を超えた箇所は赤・保育士優先枠が存在する申込欄は薄緑で表示しています。

申込数横ばい・募集数増

東淀川区の入所倍率は1.04倍となっています。申込数はほぼH28と同じ、H28の募集数が実態と合っていないので変化は不明です。ただ、施設の増加数は減少しているので、H28よりやや入りにくくなったと推定されます。

年齢別に見た場合、2歳児の変化が目立ちます。申込数が34人増加、そして募集数は66人も減少しています(但しH28募集数には大きな誤りがあります)。申込数が顕著に伸びており、2歳児の約半数は入所できない見通しです。

やや厳しいのは1歳児です。募集数260人に対して申込数は343人、入所倍率は1.32倍です。H28よりやや入りにくくなると考えられます。

申込数が20人増えて厳しくなったのは0歳児です。申込数が212人、募集数が230人、入所倍率は0.92倍となりました。区全体としてみれば全ての入所希望者が入所できる結果です。が、地域毎・施設毎の偏りがあるので、入所できない児童が生じてしまうでしょう。

こども園も人気

東淀川区の特徴は「認定こども園を第1希望とする世帯が多い」という点です。こども園は保育所と幼稚園を混ぜ合わせた様な施設です。

とはいえ、前身となる施設が幼稚園か保育所かによって、性質が大きく異なっています。幼稚園からこども園になった施設は幼稚園的な、保育所からなった施設は保育園的な雰囲気や内容が色濃く残っている様子です。

「こども園」という括りですが、中身は千差万別です。見学等を通じてご確認下さい。

上新庄駅周辺は小松保育園・風の子へ集中

また、同区は阪急上新庄駅周辺が入所しにくく、入所倍率が高い保育所等が集中しています。今年も例年通りの傾向となっています。

同区で最も入所倍率が高かったのは、小松保育園(こども園)の3.18倍でした。同駅から徒歩4-5分の場所にあります。

募集数が昨年より大きく減少したのに対し、申込数は大幅に増加しています。0-2歳児の入所倍率は全て2.5倍を超えています。フルタイム共働きでも入所できない児童が生じる見通しです。

同じ地域にあって、毎年多くの方が第1希望としているのが風の子保育園です。今年の入所倍率も2.00倍と高くなっています。しかし、年齢別に見ると少し違った様子が感じられます。

同保育園を第1希望としている0-1歳児は、H28より大きく減少しています。0歳児は25人から15人、1歳児は40人から29人となりました。2年連続で減少傾向を示しています。

同保育園は上新庄駅前にあって利便性は抜群です。一方で希望者が多く、入所しにくい状況が続いていました。その為、同じ地域にある小松保育園を第1希望とする傾向が生じているのかもしれません。

両園は幼稚園を母体とするこども園と純粋な保育所、成り立ちは大きく違います。入所倍率は参考程度としつつ、どちらの施設が家庭や考え方に合っているかでご判断下さい。

風の子保育園で極めて厳しいのは2-3歳児です。2歳児は募集数2人に対して16人が第1希望、しかも内1人は保育士優先枠で申し込んでいます。実質的には募集数1人に対して15人が殺到しています。加点がなければ絶望的でしょう。

更に厳しいのは3歳児です。募集予定がありません。現2歳児の一部が幼稚園等に進学して募集が行われる可能性もありますが、入所するのは容易ではないでしょう。

こどものくに・菅原保育園も希望者多い

上新庄駅から南に徒歩7分程度の場所にある保育園こどものくにも入所しにくいです。入所倍率は2.21倍です。

同保育園の特色は「0歳児募集がない」という点です。0歳児入所を検討している方は対象外となってしまいます。反対に1歳児募集枠が多く、年度後半生まれの方にとっては選びやすいと言えるでしょう。

1歳児は募集数11人に対して第1希望が22人、入所倍率は2倍となりました。フルタイム共働きであれば概ね入所できると感じました。また、2歳児は募集数8人に対し、12人という多い児童が第1希望としています。

同駅周辺には他にも多数の保育所等があります。しかし、第1希望は上記3施設に集中しています。

そうした中で多くの第1希望が集まっている小規模保育施設があります。くじら保育園です。0歳児クラスが募集数3人に対して7人が第1希望としています。

上で指摘した保育園こどものくにや、少し東にある豊里第1保育所は0歳児募集を行っていません。その為、0歳児から保育を必要とする世帯は、くじら保育園を希望しているのではないでしょうか。

東淀川区役所の近くにある菅原保育園も多くの方が第1希望としています。入所倍率は2.2倍です。

0-2歳児の入所倍率は全て2倍を超えています。また、保育士優先枠の申込みが多く、それ以外の方への募集枠が減少しています。特に0歳児は実質募集数が2人となり、極めて厳しい状況です。

同保育園は駅からやや離れた場所にあります。登降園・通勤に自動車を利用している方が多いのでしょうか。駅から距離がある施設でこれほど多くの第1希望が集まっているのは珍しいです。

やはり1-2歳児が心配

一方、上新庄駅の周辺地域以外にある保育所等は、過度の集中や変化等は感じられません。

淡路保育園の1歳児等、入所倍率が極めて高くなっている施設・年齢があります。しかし、そうした施設の周辺には他の保育所等もあります。入所保留となってしまう可能性は高くありません。

注意が必要なのは1-2歳児です。上新庄駅周辺を中心に、区内全域での大量の保留児童が発生するのは不可避です。認可外保育施設は決して多くなく、どうにもならないケースが生じてしまいそうです。

今後の予定&お願い

今後は此花区(特に高見・伝法東部・島屋)、住吉区、港区(特に波除地域)、城東区(中央区に近い地域)、住之江区、旭区、東住吉区、西淀川区に関する内容を掲載する予定としています。

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