悲惨な事件です。
7カ月の女児転落死か、母親逮捕
19日午前10時15分ごろ、大阪市平野区の市営住宅で「子どもが9階から転落した」と母親を名乗る女性から119番があった。近くに住む生後7カ月の民谷柚希ちゃんが敷地で倒れているのが見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。平野署は殺人の疑いで母親の瞳容疑者(36)を逮捕した。
署によると「私が手を離したことで落ちて死んだことは間違いないが、突き落としてはいない」と容疑を否認している。市営住宅の階段部分から、敷地内の公園に落ちたとみられる。階段には高さ約1.2mの手すりがあった。
逮捕容疑は19日午前、市営住宅で三女柚希ちゃんを何らかの方法で殺害した疑い。
別の報道では、「9階の踊り場から転落した」「親子はこの市営住宅に住んでいない」と報じられています。
女の子が見つかる直前、市営住宅から約500メートルほど離れた近所に住んでいる30代の母親から「子どもが9階から転落した」という内容の119番通報がありました。女の子は非常階段の9階から転落したとみられ、警察は母親から事情を聴き、事件と事故の両面から捜査を進めています。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20200119-00000016-ann-soci
事件現場は大阪市営長吉六反第1住宅1号館(平野区長吉六反1丁目)の西側階段でした。
ストリートビュー正面にある市営住宅の9階踊り場から地上の公園へ向け、女児を投げ落とした疑いが持たれています。
動機等はまだ報じられていません。
亡くなった女児は三女でした。少なくとも上に2人の女児が存在すると考えられます。3児(もしくはそれ以上)の子育てによるノイローゼだったのでしょうか。
民谷瞳容疑者と思われるフェイスブックが公表されています。子供の写真を表示にしています。
https://www.cinyour.facebook.com/people/%E6%B0%91%E8%B0%B7%E7%9E%B3/100007055714807
2014年8月に更新された表紙なので、亡くなったばかりの女児ではないでしょう。
写真の背景には散らかっている部屋が写っています。壁に貼られたお絵かき、干された洗濯物、積み重なった洗濯物・・・・。
多くの子育て世帯も似たり寄ったりだと思いますが、日々の負担が伝わってきます。
以後、続報も掲載します。
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(1/21追記)
民谷瞳容疑者は「あやそうとして座らせた」「パニックで手を離した」「育児に悩んでいる」と供述しているそうです。
大阪市平野区の市営住宅で、近くに住む生後7カ月の民谷柚希ちゃんが転落死した事件で、殺人容疑で逮捕された母親の瞳容疑者(36)が「9階付近の階段の踊り場であやしていたら泣きやまずパニックになり、片手を離してしまった」と供述していることが20日、大阪府警捜査1課への取材で分かった。
捜査1課によると、瞳容疑者は「手すりに座らせたら落ちた」「手を離した後に思い直して支えようとしたが間に合わなかった」とも供述しており、転落の詳しい経緯を調べている。
司法解剖の結果、柚希ちゃんの死因は脳挫滅とみられ、頭蓋骨が折れていた。
1月19日、大阪市内の市営住宅で生後7か月の女の子が転落して死亡し、母親が殺人の疑いで逮捕された事件で、母親が当初「あやそうと手すりに座らせた」などと話していたことが分かりました。
19日午前、平野区長吉六反の市営住宅で、近くに住む民谷柚希ちゃん(生後7か月)が転落して死亡し、母親の瞳容疑者(36)が「9階で手を離したことで落ちて死んでしまった」などと話したことから、殺人容疑で逮捕されました。
捜査関係者によりますと、瞳容疑者は当初、「高い所の景色を見せてあやそうと思い手すりに座らせた」などと話していたということです。
警察の調べに対して、瞳容疑者は「突き落としてはいない」と殺意を否認する一方で、「育児に悩んでいた」という趣旨の話をしていて、供述に変遷もみられることから、警察は当時の状況などを慎重に調べています。
https://www.mbs.jp/news/kansainews/20200120/GE00031223.shtml
供述には矛盾点もあります。
母親はこの市営住宅ではなく、約500メートルほど離れた場所に住んでいるそうです。乳児と一緒にわざわざ500メートルも移動し、9階まで上っています(エレベーター?)。
高いところの景色を見せたければ、他にも多くの場所があるでしょう。わざわざ9階まで上る必要はありません。
更に手すりに座らせる必要は皆無です。だっこで十分です。7カ月の乳児が椅子にじっと座れない事は十分に認識できていた筈です。
となると、「確実に転落死させる為に市営住宅9階まで移動し、踊り場の手すりに座らせて」と考えるのが自然です。残酷な話です。
ただ、母親は「育児に悩んでいた」とも供述しています。報道によると、瞳容疑者は母親・夫・子供4人の7人家族だったそうです。
母親が同居しているとは言え、4人の育児は本当に大変でしょう。恐らくは小学生・保育園児や幼稚園児・乳児という構成です。これに家事が加わります。母親1人で回すのは容易ではありません。
そして7カ月の乳児です。寝返りやハイハイが始まり、目が離せなくなる頃です。私もこの頃から満1歳までの間がとても大変だったのを覚えています。
目が離せない7カ月、母親に構って欲しい上3人、育児に悩むのも無理はありません。
家族や地域の誰かが異変に気づき、行政や福祉等の支援が受けられれば、違った結果が待っていたかもしれません。
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(1/29追記)
詳しい状況が伝わってきました。
「敷地内の幼児用公園のそばで救急隊員3人が2~3分話し合っているんです。急病人かケガ人か知らんけど、はよ搬送せんでええんかなと思って、後部ハッチが開いていた救急車を覗き込むと、毛布でお団子みたいにくるまったものが担架に乗せられていた。それが転落した赤ちゃんで、かわいそうに、ほぼ即死だったんじゃないかって……」
(中略)
瞳容疑者には中度の知的障害がある。時折、乱暴な言い方をすることがあり、周囲を戸惑わせることも少なくなかった。柚希ちゃんの父親が仕事に出かけたあとは、姑が子育てや家事を含めフォローしていたようだ。瞳容疑者の知人が語る。「瞳さんはぶっきらぼうに見えるところがあるけれども、自分なりに4人の子どもに愛情を注いでいた。お姑さんとも何でも言い合える関係だった。柚希ちゃんには障害のあるお姉ちゃんがいて、いつも嫁姑コンビで施設に送り迎えしたり、瞳さんが愛情たっぷりのお弁当を作って持たせてあげていた。事件は信じられない」
(中略)
「……。ただ、このくらいの子を持つ親はみなさん、大なり小なりそういう悩みや苦しみを抱えていると思うんです。そうしたほかのご家庭と比べてうちはどうだったかというと、まだ冷静に考えられず、お話しできる状態ではありません」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200129-00017059-jprime-sociより引用
民谷瞳容疑者には軽度の知的障害があり、子供の1人も障害を有していたそうです。同居している義母がフォローしていたとは言え、様々な悩みを抱えていても不思議ではありません。
民谷容疑者の夫も同趣旨の話をしています(上記引用末尾)。言葉に詰まります。
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(2/18追記)
母親に保護観察付きの懲役3年・執行猶予5年の判決が言い渡されました。
乳児殺害で母に保護観察猶予判決
去年1月、大阪・平野区で市営住宅の階段の踊り場から生後7か月の娘を落として殺害した罪に問われた母親に対し、大阪地方裁判所は、育児疲れなどで適応障害になり心神耗弱の状態だったと判断して、保護観察のついた執行猶予の判決を言い渡しました。
大阪・平野区の民谷瞳被告(37)は去年1月、生後7か月だった三女の柚希ちゃんを自宅近くの市営住宅の高層階の階段の踊り場から落として死なせたとして殺人の罪に問われました。
18日の判決で、大阪地方裁判所の坂口裕俊裁判長は、「被告は4人の子どもの育児や家事などによる睡眠不足や疲労が蓄積する中、家族や行政機関に何度も助けを求めていた。しかし適切なサポートが得られないまま適応障害となり、犯行当時は心神耗弱の状態だった。その経緯には気の毒な面も多くあり強く非難することはできない」と述べ、保護観察のついた懲役3年、執行猶予5年を言い渡しました。
この裁判の判決は当初、先月26日に言い渡される予定でしたが、裁判員が新型コロナウイルスに感染したことなどから、18日に延期されていました。
適応障害や心神耗弱、そして母親の帰りを待つ家族の存在を最大限に考慮したのでしょう。
判決文で注目したのは「家族や行政機関に何度も助けを求めていた。しかし適切なサポートが得られないまま適応障害となり、犯行当時は心神耗弱の状態だった。」という部分です。
ここでいう「行政機関」とは大阪市や平野区役所です。行政機関の不作為、福祉を必要とする家庭への冷たさが厳しく指摘されています。
こうした事件が二度と起こらない様に、行政機関には適切なサポートを行って欲しいです。
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(2/19追記)
より詳しい事情が明らかになっています。
18日の判決で大阪地裁の坂口裕俊裁判長は、母親が犯行当時、自分の行動をコントロールする能力が著しく低下した、心神耗弱の状態だったと認定。
その理由として、「知的障害」と「適応障害」をあげ、以下のような経緯があったとしています。
●母親自身が中度の知的障害を抱えながら、障害のある子を含む4人の育児に追われ、睡眠不足や疲労が蓄積していた。
●こうした状況を行政機関に相談したが、具体的な支援が得られなかった。
●三女を「施設に預けたい」と夫や義母に相談しても反対された。
●夫と義母を含む家族4人がインフルエンザにかかり、世話にも追われた。
●義母との口論で「この子さえいなければこのような思いをしなくて済んだ」と発言してしまった後、三女を夜通しあやしながら、自分の発言で頭がいっぱいになって適応障害の状態に陥り、翌朝、犯行に及んだ。
こうした経緯について、坂口裁判長は「気の毒な面が多分にある」と言及。
「強い殺意に基づき、非常に危険で悪質な犯行」としつつも、「適応障害などの影響によるところが大きいため、強く非難することはできない」と述べました。
誰も助けてくれず、それどころか家族の看病や三女の育児で夜も寝られず、退路が無い程に追い詰められていました。
こうした家庭であっても適切な福祉に繋がらなかったのが残念であると同時に、大阪市の福祉行政に対して更なる不信感すら感じてしまいます。
ここまでの状況ではありませんが、私も数年前に追い詰められて区役所に助けを求めた事があります。が、冷たくあしらわれた事は今でも鮮明に覚えています。
区役所へ相談に行くのは、切羽詰まって追い詰められたが故の行動でしょう。ただ、その切迫感を行政機関の担当者が理解・認識できていないケースが余りに多いのではないでしょうか。
都市開発・インバウンド・府市一元化も結構ですが、まずはもっと住民に寄り添った行政を行って欲しいです。バランスが重要ですね。