大阪市平野区で児童虐待が起き、3歳男児を死亡しました。殺人容疑で逮捕されたのは、知的障害がある姉(23歳)でした。

3歳児死亡させたか 姉逮捕

04月05日 07時10分

4月、大阪・平野区の住宅で3歳の弟の腹を踏みつけて死亡させたとして、23歳の姉が殺人の疑いで逮捕されました。
調べに対し「死んでしまうとは思わなかった」などと供述しているということです。

今月2日、大阪・平野区の住宅で「息子がおなかが痛いと言っている」と母親から消防に通報があり、3歳の男の子が病院に運ばれましたが、死亡しました。

警察によりますと、死亡したのは金城雷斗ちゃん(3)で、遺体を詳しく調べたところ、腹を強い力で押されたことによる失血死だったことがわかったということです。

この家では、両親と6人の子どもたちの8人が暮らしていましたが、その後の調べで、23歳の長女が、雷斗ちゃんの腹を足で踏み続けたことを認めたことから、殺人の疑いで逮捕しました。

警察によりますと長女には知的障害があり、調べに対し「弟の面倒を見るのに嫌気が差していた。死んでしまうとは思わなかった」などと供述しているということです。
雷斗ちゃんの体には、ほかにもあざややけどの痕のようなものがあるということで、警察が育児の状況などを調べています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/osaka/20190405/2000014162.html

大阪市平野区の住宅で男児(3)が体に複数の変色がある状態で病院に運ばれ死亡した事件で、大阪府警捜査1課は5日、男児の腹部を踏みつけて死亡させたとして、殺人の疑いで、同居する姉(23)を逮捕した。

逮捕容疑は2日午前11時20分ごろ、平野区加美鞍作2丁目の自宅で、男児の腹を足で踏み続け、午後0時半ごろ死亡させた疑い。

捜査1課によると、司法解剖の結果、男児は腹部の圧迫による失血死。左腕や左足にやけどの痕もあった。姉は知的障害があり「風呂場であおむけの弟のおなかに乗った。死ぬとは思わなかった」と供述している。

一家は両親と子ども6人の8人家族で姉は長女、男児は三男という。

https://www.nikkansports.com/general/news/201904050000067.html

 殺人の疑いで逮捕されたのは大阪市平野区に住む作業員の女(23)です。警察によりますと、女は今月2日午前11時20分ごろ、自宅で3歳の弟の腹を片足や両足で踏み続けるなどして殺害した疑いが持たれています。女は両親と亡くなった弟を含む兄弟6人の8人暮らしで、事件当時は父親をのぞく7人が家にいたということです。

 女は逮捕前に「弟の面倒を見させられていたことに嫌気がさした」と話す一方、取り調べに対しては、「死んでしまうとは思わなかった」と殺意は否認しているということです。警察は、女の刑事責任能力の有無について慎重に調べています。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20190405/GE000000000000027259.shtml

事件は4月2日(火)の昼に、JR加美駅南部に広がる古い住宅地で起きました。

当時は父親を除いた一家7人が在宅していました。春休みと言えども、平日日中に7人が在宅しているのが引っかかります。

報道されている内容を聞く限り、児童虐待が生じやすいハイリスク家庭だと感じました。

一つは子供の多さです。一家は両親と子供6人の8人家族でした。

6人の子供を育てるのは容易ではありません。育児や家事労働、そして金銭的負担は非常に重くなります。時間や経済力が著しく不足すると、育児放棄(ネグレクト)に繋がりかねません。

また、一家には知的障害がある長女(23歳)もいました。一般的な家庭以上に、子供に要する負担が大きくなります。

両親は長女に弟の面倒を任せていました。これを理不尽に感じた長女が弟の腹部を踏み続け、死亡させました。

7人が在宅しているにも関わらず、長女が腹部を踏み続けているのに他の家族は気づきませんでした。日常的に育児を長女に押しつけていたのでしょうか。

平野区役所や児童相談所等はこの一家の存在を把握し、適切に援助や指導等を行っていたのでしょうか。現時点では明らかになっていません。

今後、一家の生活状況等が徐々に報道されていくでしょう。

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(4/6追記)
児童相談所は一家の存在を認識し、昨年6月には育児放棄の疑いで雷斗ちゃんを一時保護していました。

児童相談所によりますと、去年6月、家庭内で育児放棄の疑いがあるとして雷斗ちゃんを一時保護しましたが、家庭訪問などを行って雷斗ちゃんの両親と話し合った結果、状況が改善されたとして、保護から12日後に自宅に返したということです。

https://www.mbs.jp/news/kansainews/20190405/GE000000000000027271.shtml

担当したのは大阪市南部こども相談センターでしょう。大阪市南部を管轄地域として、一昨年10月に開所した新しい相談所です。

 大阪市では、児童のセーフティネットの中核的な専門機関として「大阪市こども相談センター」を運営してまいりましたが、この度第2の児童相談所として、阿倍野区、住吉区、東住吉区及び平野区の4区を管轄する「大阪市南部こども相談センター」を、平成28年10月3日(月曜日)に開設します。

 これまで増加を続ける相談に対し、体制強化を図りながらスケールメリットを生かして1か所で対応してまいりましたが、より丁寧なケース検討や迅速な意思決定など効果的な事業実施を行う観点から、2か所目を開設します。

 当局といたしましては、次世代を担うこどもたちが健やかに心豊かに育つよう、児童虐待の対応をはじめとしてセーフティネットの強化に努めてまいります。

https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kodomo/0000373786.html

しかし、保護解除後も両親は育児を放棄し、知的障害がある長女に押しつけていた可能性が高いと考えられます。

こうしたハイリスク家庭に対しては、保護解除後も定期的に訪問・相談等を行い、育児放棄が再発しない様に務める必要があるでしょう。それができるだけのマンパワーを児童相談所が有していたかが気掛かりです。

全国各地で発生している児童虐待事案の多くは、何らかのタイミングで児童相談所が相談・一時保護等を行っていました。

ハイリスク家庭の存在を認識しながらも虐待死を防げない背景には、児童相談所のマンパワー不足が大きな要因を占めそうです。

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(6/14追記)
思いがけない追加報道がありました。

三男を死亡させた疑いで家宅捜索をしたところ、監禁されていた長男を発見しました。監禁容疑で両親が逮捕されました。

 知的障害のある長男(22)を自宅の一室に閉じ込めたとして、大阪府警捜査1課は13日、監禁容疑で、大阪市平野区加美鞍作(かみくらつくり)のトラック運転手、金城(かねしろ)信雄容疑者(45)と妻の利美容疑者(41)を逮捕した。同課によると、監禁期間は少なくとも約1カ月にわたるとみられる。閉じ込めていた4畳の洋間はドアノブが取り外され、照明器具がなかった。長男はバケツで用を足していたという。

 逮捕容疑は、4月1日午後5時50分から2日午後2時15分ごろまでの間、長男を自宅3階の一室に監禁したとしている。食事は与えており、長男の健康面に問題はないという。同課によると、「長男が外で悪さをするので夫婦で相談して閉じ込めた」といずれも容疑を認めているという。

 今年4月には、三男(3)の腹部を踏みつけて死亡させたとして、府警が殺人容疑で知的障害のある長女(23)=鑑定留置中=を逮捕した。

 当時、金城容疑者宅は8人家族で、この事件の捜査の過程で府警平野署員が金城容疑者宅を訪れた際、自宅3階の4畳の洋間に閉じ込められている長男を発見した。部屋のドアノブが取り外されており、内側からドアを開けることができなくなっていた。

 金城容疑者らは調べに、「今年3月上旬から長男を閉じ込めていた」と供述。ただ、同課によると、長男は昨年4月ごろにも部屋で排泄(はいせつ)していたとみられ、同課は監禁がどのくらいの期間に及んでいたかについても捜査している。

https://www.sankei.com/affairs/news/190613/afr1906130071-n1.html

6人の子供の内、少なくとも2人に知的障害があり、そして1人は姉に踏み殺されました。

虐待等に対応する児童相談所だけでは手に負えなかった案件でしょう。福祉の限界を感じます。