宗教上の理由によるピアスを装着した園児の入園を求めたところ、保育園から「園内では外して欲しい」と求められる事案が生じました。

園児のピアス、母国の風習でも駄目? 理解得られず入園辞退

 双子の娘は、父親と同じイスラム教徒(ムスリム)。女性は仕事に就くために今年4月から2人を保育園に預けることにしたが、入園式目前に園側から呼び出しを受けた。要件は「確認書」への押印。提示されたプリントには計6項目のチェック事項が並び、その一つにこうあった。

 「ピアスそのほか装飾品は園外ではずし登園します。(中略)園内ではつけず、子どもが手に持ったり、他児が目につくようにはしません」

 他にも、男女混在で着替えやシャワーをすること、豚由来の食べ物や製品に触れる場合もあること-などが記されていた。いずれもムスリムの習慣には反するが、最後には「保育については園の方針に従います」とあり、西宮市長あてに両親の押印を求めていた。

 女性によると、夫の母国では、女の子は生後間もないうちにピアスをつける。「生きる証し」や「魔よけ」などの意味があるとされ、親の愛情を表現する大事な慣例という。

 女性は園側に「全てこちらの習慣に合わせてほしいと望んでいるわけではない。ただ、ピアスには特別な意味があり、安全性にも問題はない」と訴えたが、受け入れられなかった。

 結局、入園は辞退し、今は別の園に通う。そこでは給食の豚肉を取り除くなど一定の配慮はあるが、ピアスに関してはやはり不可。夫は「(ピアスの)穴が開いたままだと、子どもに良くないことが起きるのでは」と悲嘆しているという。

 これに対し、西宮市保育事業課は「あくまで子どもの安全が第一。集団保育の中で、小さく、とがったピアスを他の園児が飲み込んでしまっては困る」と説明。海外との文化の違いについては「今後もできる範囲で対応したい」とする。(以下省略)

https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201910/0012767770.shtml

お世話になっている保育所でも、外国にルーツがある園児が在園しています。一目で分かる欧米系やアフリカ系、分かりにくい東アジア系の子供もいます(親との会話で分かる)。

外国の風習と園児の安全、保育所が選択すべきなのは「園児の安全」です。

西宮市の判断は当然でしょう。「宗教的価値観だからダメ」ではなく「危ない物はダメ」という判断です

外国には様々な風習があります。中には保育施設で対応可能な物もあります。

例えばOHANAほいくえん はねだでは「宗教食による除去食」を提供しています。


https://www.kidslife-nursery.com/base/ota/ohanahaneda/

ANAグループ従業員専用の保育所なので、早くから国際化に対応しているのでしょう。

ただ、こうした対応を全ての保育施設が行うのは難しいのが実情でしょう。園児の生死に直結する「アレルギー食の除去」とは性質が異なります。

ピアスはより困難です。引っかかってケガをするのが園児本人のみであれば、保護者の了承を得て園内でも装着できるという考え方もあるかもしれません(私は否定的です)。

とは言っても、西宮市が指摘した「小さく、とがったピアスを他の園児が飲み込んでしまっては困る」という危険は排除できません。

保護者は「ネジ式なので、勝手にはずれる事は無い」と主張しています。だが、衝撃や何かの弾みで外れる可能性はあります。他の園児が引っ張ったり触ったりする事もあります。

そうした危険に各保育士が注意を払い続けるのは困難です。万が一でも他の園児が飲み込んだりケガをしたら、保育園は他の保護者に何ら言い訳ができないでしょう。

保育施設で何よりも優先されるのは「園児の安全」です。

園庭遊びでの軽傷等、受け入れるべきリスクもあります。しかし、ピアス等の装飾具は該当しません。

保育所の服装について(大阪市民の声)

ピアスではありませんが、「大阪市民の声」で「大阪市立保育所での服装について」という投書がありました。

市民の声

 裾が広がってるお洋服はやめてくださいと説明があり、丈や形状など気をつけて服を用意し着用させていました。今の時期汗もかくためフィットしている服は子供が嫌がります。

ダメと言われ買い直しをしたこともあります。この服はいいですか?と先生に聞くとギリギリセーフですとの回答がありました。先生達もルールが漠然としていて白黒つけにくいのではないでしょうか?

体操服など指定の服の検討をお願いしたいです。保育所用、家用と服を分けているので経済的にも指定にして頂ける方が助かります。

市の考え方

 子どもたちの服装について、保護者の方には第一に安全性を留意していただくようお伝えさせていただいています。

 保育所での活動では、年齢により活動量も違い、活動内容によっては着ている服装により、自分の服の裾を踏んで転倒する、服が遊具にひっかかるなど、子どもに危険が伴うこともありますので、基本的には、子どもたちが活動しやすい服装をお願いしているところです。保育所からも危険性がある場合には、その服装を控えていただくことをお伝えしています。

 また、子どもたちが生活習慣を身につけていく中で、自分たちで脱ぎ着ができるようになりますので、脱ぎ着をしやすい服をお願いしています。

 体操服や指定の服の導入については、保護者の方にも経済的な負担がかかりますので、現在のところ予定はございません。

https://www.city.osaka.lg.jp/seisakukikakushitsu/page/0000480255.html

「危険の除去」「活動しやすい服装」というのは、西宮市と同じ考え方です。

しまむらやユニクロ等で買った服が他の子供を重なってしまうのは仕方ありません。記名が大切ですね。