以前にご紹介した「大阪市保育施設等の利用調整に関する事務取扱要綱の一部改正がまとまりました。
大阪市保育施設等の利用調整に関する事務取扱要綱が改正されます(2019年10月、パブコメ実施中)

原案通り、2020年度一斉入所から(1)育休延長希望者の順位抑制、及び(2)育休中に地域型保育を卒園しても申込可能、となります。

「大阪市保育施設等の利用調整に関する事務取扱要綱」の一部改正(案)に係る意見公募結果の公表について
https://www.city.osaka.lg.jp/templates/kisoku_kohyo/kodomo/0000479894.html

注目すべきは、パブリックコメントに対して提出された様々な意見です。

いただいたご意見と考え方
https://www.city.osaka.lg.jp/templates/kisoku_kohyo/cmsfiles/contents/0000479/479894/01iken.pdf

本改正案に対する意見から、子育て世帯の不満や不安が透き通って見えてきます。幾つかご紹介します。

自宅に近い保育所が立地の良さにより遠方から点数の高い方が入所することで定員枠が埋まり、自宅から遠い園に通わなければならなくなるため、利用調整において、保育の必要性の高さの点数ではなく、まずは保育施設近くに住む世帯のみで選考するのがよいのではないか。

現状は保育所の目の前に住んでいる方よりも、点数が高くても遠方から登園する方が優先される制度となっています。

この気持ちはよく分かります。ただ、どの地域で線引きをするか、保育を優先すべき子供が排除されてしまう等、様々な問題も生じてしまいます。

とは言え、近所にない保育所等への入所を抑制すべきと考えるケースもあります。「保育士等の優先入所です」。

優先入所先の保育所等を調べたところ、それ以外の入所希望社よりも区内中心部にあって交通利便性が高い保育所等に集中する傾向がありました。

中には複数の優先入所希望により、それ以外の子供が入所できる枠が皆無となったケースもありました。

家庭内就労の場合に減点があるが、保育の必要性は就労場所ではなく、職種や業態によって異なることを考えていただきたい。

家庭外就労と比べ、家庭内就労は点数が減じられています。

しかしながら、家庭内であっても子供の様子を見ながら就労するのは非常に難しいと感じています。

私自身にもそうした時期がありましたが、作業効率が極端に落ちていました。作業ができたのは、子供が寝ている時間帯だけでした。

家庭内就労よりも家庭外就労でも職場や親族等の支援を受けられる世帯を優先すべき理由とは、と感じざるをえません。

新設小規模保育が多くできたが、卒園時に『行き場がない』では、待機児童問題の先送りになっている。大阪市全体としての課題である。3歳児の枠を増やす、3歳児受け入れのできる保育施設を作るなど早急な対策をお願いしたい。

小規模保育の連携施設枠が2歳児クラスの人数よりも少なく、他の希望する施設にも入れない状況を改善していただきたい。

地域型保育事業に対する不安が噴出しています。やはり卒園後の保育の場所が担保されていない点が気掛かりです。

ここ数年の一斉入所においても、大半の保護者は「6年保育を行う保育所等」を第1希望としています。

小学校入学前の保育が保障されるので、親としては非常に心強いです。また、子供や親同士の人間関係もずっと継続されますし、年齢が離れたきょうだいが同じ施設に通う事も出来ます。

地域型保育事業や企業主導型保育のメリットもあります。しかしながら、こうした6年保育のメリットを上回る魅力を感じにくいのが実感です。

今後はこれまで以上に保育所・こども園の拡充を図って欲しいです。