天皇陛下の退位・皇太子様の即位に伴う10連休につき、困惑と対応が広がっています。
GW10連休、悩める保育園 開所したいけど人手が…
10連休となる今年の大型連休(GW)が2カ月後に迫りました。連休商戦が盛り上がる一方、仕事が休めない保護者にとっては、子どもが通う保育園が利用できるのかが、切実な問題です。対応に乗り出す自治体も出てきましたが、保育現場では、慢性的な人手不足がネックになっています。
東京都小平市の薬剤師福田佑見子さん(32)の0歳と4歳の子どもが通う保育園は、最初の土曜日を除き、9連休になる見込みだ。しかし、勤め先の調剤薬局は日曜も祝日も営業する。同じく薬剤師である夫が勤める病院は、ふだん日祝は休みだが、今回は連休中も何日か開院することが決まった。「夫と勤務日がかぶったら、どうすれば……」。同僚の半数も子育て中で、自分だけ休むことは難しい。シフト表が出るのを、2人ではらはらしながら待つ。
そもそも保育園は、認可保育園を中心に大半が日祝は休みで、福田さんの園と同様、9連休になる場合が多いとみられる。暦通り休園するかは自治体や各園が判断する。(以下省略)
政府は「保育ニーズに応じた保育施設の開所」を促しています。
10連休、保育補助を加算 政府方針 学校授業振り替えも
政府は皇位継承に伴う四月末からの十連休で、国民生活に影響が出る事態を避けるための対処方針をまとめた。通常の休日よりも保育施設への一時預かりのニーズが増えると想定し、十連休に限って国が補助を加算する制度を創設。競馬や競輪などの公営ギャンブル、パチンコに未成年者が関わらないよう年齢確認を徹底する。政府関係者が二十五日、明らかにした。
各府省庁はこの対処方針を基本として順次更新し、十連休対応に万全を期す方針だ。異例の長い連休になるため、保育や医療、ライフラインなどの運用面で支障が出かねないと不安視する意見があった。
対処方針によると、地域の実情に応じた保育を確保するため、国の補助加算制度に加え(1)十連休中の追加ニーズの把握(2)事業者の受け入れ数拡充(3)住民への情報提供-を各自治体に要請する。
医療機関では、救急対応や外来患者の受け入れ予定などの論点を整理した上で、必要な体制が取られていることを都道府県を通じ地域住民に周知。電気、ガス、水道などのライフラインの安定供給でも支障が生じないよう関係事業者に万全な体制整備を依頼する。
金融機関では、現金自動預払機(ATM)などの顧客サービスは通常の休日と基本的に変わらないものの、連休前後の平日に集中する事務を円滑に処理するための人員確保を各機関に要請した。
小、中、高校の授業時間数の確保が困難な場合は、夏休みなど長期休暇の一部を授業日に振り替えることや、弾力的な時間割を編成することで対応する。一般家庭ごみは、十連休でも適切な対応が取られるよう状況把握や周知を行う。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201902/CK2019022602000117.html
子育て世帯に直結するのは、保育施設・学校・医療機関の開閉情報でしょう。
保育施設は各地域のニーズを踏まえた上、一時預かり等に対して手厚く加算する事によって開所を促し、同時に子育て世帯へ情報提供を行う事を求めています。
政府が保育施設の開所を指示するのでは無く、自治体が適切に対応する様にと促しています。10連休を決定したのは政府なのに・・・・と恨み言が聞こえてきそうです。
話が聞こえない大阪、動き出す神戸市・兵庫県
大阪市・大阪府内の各自治体が10連休中の保育施設で特別な対応を行うかは、未だ情報が得られていません。一方、神戸市や兵庫県は動き出しています。
今春の10連休、神戸市が休日保育の受け入れ拡充
神戸市は25日、皇位継承に伴う今春の10連休(4月27日~5月6日)のうち、例年は休日でない4月30日、5月1、2日の3日間に限り、休日保育の受け入れを大幅に増やす方針を示した。通常は3施設で実施しているが、23施設に拡大。児童館などでの放課後児童クラブ(学童保育)は、各区1カ所を開設する。(石沢菜々子)
保育施設や学童保育は土曜日も開所しているため、実際には9連休となる。同市は、例年は休日でない3日間について、仕事を休めない保護者の保育ニーズがあるとみて、特別の対応を決めた。同日の予算特別委員会で、市こども家庭局が明らかにした。
保育施設では、民間の認可保育所、認定こども園などに呼び掛け、市立も含めた計23施設で対応する。各施設おおむね10人程度、午前8時から午後6時まで受け入れる。対象は同市内の認可保育所などを利用中の子どもで、安全性確保のため満1歳以上とする。事前に面接を行う。(中略)
■自治体の大半「検討中」
10連休中の保育態勢については、神戸市のほか、兵庫県内の都市部を中心に、各自治体で検討が始まっている。
川西市の保育施設では、事前申し込みによる休日保育の制度があり、10連休中も市内2カ所で実施する予定。しかし人繰りが厳しく、各日ともどちらか1カ所の開所になるという。
一方、対応を決めかねている自治体も多く、市内2施設で休日保育を実施する姫路市は「検討中」とし、尼崎、西宮、明石市も、現時点で方向性が固まっていない。国の通知では「地域の事情に応じた保育ニーズの充足」を図るよう求めているが、担当者からは「どのくらいの家庭が利用するか、需要を把握しきれない」など戸惑いも漏れる。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/201902/0012095641.shtml
神戸市は市立保育所を中心とする市内23施設にて、4月30日~5月2日の3日間に限って特別保育を実施する見通しです。別の保育所等を利用している児童であっても、この3日間に限っては特別に保育を行うそうです。
問題は保育ニーズです。土曜保育を利用しているのは、一般的に4分の1程度の児童と言われています。土曜日の利用率を下回ると推定されますが、一定程度の利用者はいるでしょう。
10連休中の保育を実施するか否か、自治体や保育所運営法人は頭を痛めています。
仮に一定の保育ニーズが合ったとしても、その次には出勤できる保育士の確保が課題となります。
ただ、園側には慢性的な保育士不足が立ちはだかる。9連休の閉所を決めた山形県内の認可保育園長は、「接客業や自営業の保護者に『連休こそ開けて』と言われるが、人手不足で有休消化がゼロの職員もいる」とこぼす。
東京都内のある自治体では各園との調整が難航。担当者は「連休も開所したいが、子育て中の保育士も多く、働き手の確保が厳しい」と明かす。
子育て中の保育士は殆どが出勤できないでしょう。独身者や子育てを終えた保育士に負担が偏る恐れがあります。
最終的には多くの自治体にて、神戸市と同じ様に一部の保育所に集約して休日保育を実施する事になりそうです。少量ながら強い保育ニーズ・保育士の勤務シフトを踏まえると、こうした対応をせざるを得ないでしょう。
気掛かりなのは事故です。慣れない園舎・保育士・児童に囲まれたら、何らかのトラブルが生じる恐れが強いです。普段より手厚く保育士を配置し、事故等が発生しない様に対応する必要があるでしょう。
休日保育の集約化が制度化?
その反面、この様な「休日保育の拠点集約化」が安全に実施できれば、今後も継続して実施される可能性があります。
土曜・休日保育を必要とする家庭は限られる一方、こうした保育を実施する保育施設には負担が掛かります。
こうした保育を一部施設に集約して実行できれば、保育施設に掛かる負担が大いに軽減されるでしょう。
やはり心配なのは事故です。幼児クラスならまだしも、乳児クラスは非常に難しいのでは無いかと感じます。