栗原心愛さん(小学4年生)が両親の暴行によって死亡した事件の続報です。

12月下旬にも暴行した疑いによる、父親の栗原勇一郎容疑者を明日2月14日にも再逮捕する方針だと報じられています。

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小4女児死亡 別の傷害で父親を再逮捕

2019年2月14日 10時24分

千葉県野田市で小学4年生の栗原心愛さん(10)が自宅で死亡し両親が逮捕された事件で、41歳の父親が去年12月末から先月初めにかけても心愛さんに暴力を振るいけがをさせていたとして、傷害の疑いで再逮捕されたことが捜査関係者への取材でわかりました。

警察は日常的に虐待していたと見て調べるとともに、死亡との関連についても捜査を進めることにしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190214/k10011814301000.html

2学期が終わり、冬休みが始まった直後に行われた暴行でしょう。複数のアザ等が残り、3学期になっても学校を休ませ続ける事態に繋がっていきます。

勇一郎容疑者は今でも虐待行為を認めてないそうです。「冷水シャワーや暴行は躾だ」という固定観念が出来上がっていたのでしょう。しかし、誤った考え方です。

虐待行為を行われ続けた栗原心愛さんは、一時保護後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)の疑いがあると診断されていました。

小4女児死亡 一時保護の際 PTSDの疑いと診断

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し両親が逮捕された事件で、女の子が以前、児童相談所に一時保護された際、PTSD=心的外傷後ストレス障害の疑いがあると診断されていたことが野田市への取材で分かりました。県は、女の子をその後、親元などに戻した判断が適切だったかどうか検証することにしています。

先月、千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さん(10)が自宅で死亡した事件では父親の勇一郎容疑者(41)と母親のなぎさ容疑者(32)が傷害の疑いで逮捕されています。

心愛さんはおととし11月、小学校のアンケートに父親の暴力を訴え、児童相談所に一時保護されましたが、その際、PTSDの疑いがあると診断されていたことが野田市への取材で分かりました。

当時の記録によると、両親と面談した心愛さんは、おそれを感じた様子で泣き続けていたということです。

1か月余りたったおととし12月、一時保護は解除されましたが、市の記録には児童相談所からの報告として「PTSDの疑いと診断を受けている以上、父親と2人だけで会わせないというのではなく、一定期間、絶対に会わせないという条件にすべき」などと書かれていたということです。

ところが、心愛さんはいったん父方の親族の家に預けられ、その2か月後、両親のもとに戻されることが決まりました。

児童相談所は、保護を解除する際などにPTSDの疑いを考慮したのか「個人情報なので答えられない」としていますが、今後、千葉県はこうした判断が適切だったかどうか検証することにしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190211/k10011811011000.html

PTSDの定義や症状は、厚生労働省のウェブサイトに詳しく記載されています。

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)は、強烈なショック体験、強い精神的ストレスが、こころのダメージとなって、時間がたってからも、その経験に対して強い恐怖を感じるものです。震災などの自然災害、火事、事故、暴力や犯罪被害などが原因になるといわれています。
突然、怖い体験を思い出す、不安や緊張が続く、めまいや頭痛がある、眠れないといった症状が出てきます。とてもつらい体験によって、誰でも眠れなくなったり食欲がなくなったりするものですが、それが何カ月も続くときは、PTSDの可能性があります。ストレスとなる出来事を経験してから数週間、ときには何年もたってから症状が出ることもあります。こうしたつらい症状が続いているときは、専門機関に相談しましょう。

https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_ptsd.html

父親による虐待行為が強いショック体験や精神的ストレスとなり、一時保護後も症状が出ていたのでしょう。

心愛さんの一時保護を解除するには、少なくともPTSDの原因たる勇一郎容疑者と会わせない事が必要不可欠でした。また自宅で生活するには、勇一郎容疑者に二度と虐待行為をさせない様にし、必要であれば容疑者への治療等も検討されるべきでした。

しかし、一時保護の解除後は勇一郎容疑者の親族宅で生活しており、容易に面会できる環境でした。

また、勇一郎容疑者は学校や児童相談所へ激しく反発しており、自身の行動を反省するどころか虐待行為すら全面的に否定していました。親元へ帰宅させれば、PTSDが再発する危険性が非常に高かったでしょう。

しかし、児童相談所は親元へ帰す決定をしました。

小4女児死亡 父親からの連絡を追認し帰宅決定か 児童相談所

千葉県野田市で小学4年生の女の子が死亡し、傷害の疑いで両親が逮捕された事件で、女の子が児童相談所による一時保護を経て親族の家に預けられていた去年2月、まだ親元に戻すことが決まっていなかったにもかかわらず、父親が小学校に対し、子どもの送り迎えを再開すると伝えていたことがわかりました。児童相談所は報告を受けても特に対応を取らず、その翌日、追認するように女の子を親元に戻す決定をしていて、県が詳しい経緯を調べることにしています。

千葉県野田市の自宅で亡くなった小学4年生の栗原心愛さん(10)はおととし、父親からの暴力を訴え、柏児童相談所に一時保護されました。

保護が解除され、父方の親族の家に預けられていた去年2月、親元に戻されることがまだ正式には決まっていなかったにもかかわらず、父親の勇一郎容疑者(41)が学校に対して「今後は妻が子どもの送り迎えをする」などと電話で連絡していたことが野田市の記録からわかりました。

実際、この日以降、学校では母親の姿が目撃されていたということです。

児童相談所は当日のうちに報告を受けて事態を把握しましたが、特に対応は取らず、その翌日、追認するように心愛さんを親元に戻す決定をしていました。

事件後の会見で児童相談所は「親元に戻したのは総合的な判断の結果」と説明しましたが、適切な判断だったのかどうか今後、県が詳しい経緯を調べることにしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190211/k10011811271000.html

児童相談所は父方の親族宅で生活する事を条件として、一時保護を解除しました。

が、児童相談所の目が届かないのを良い事に、勇一郎容疑者は親族宅等で心愛さんと会い、自宅に引き取り、なし崩し的になぎさ容疑者が送迎する様になりました。

勇一郎容疑者の強引なペースを学校・市教委・児童相談所は止められず、黙認や追認するかの様な行動を取り続けていました。

その後、虐待行為は水面下で行われ続けました。学校等に裏切られた心愛さんは二度とサインを出さず、勇一郎容疑者に恫喝された児相等は積極的な接触を行いませんでした。

やはり心愛さんは見殺しにされていました。何が問題だったのでしょうか。