平成31年度保育所等一斉入所申込状況分析、第7回は大阪市鶴見区です。施設毎に気になる点を駆け足で指摘しています。
※10月末に発表された数字に基づきます。保育士等優先利用数は申込者数に含んでいます。
昨年と比較し、入所倍率が0.1倍以上増加した箇所はオレンジ、0.1倍以上減少した区は水色、入所倍率が2倍を超えた箇所は赤、保育士等優先利用申込がある箇所は緑で表示しています。
1-4歳児は市内屈指の高倍率、200人近くが入所保留か、保育士不足?
鶴見区は入所倍率が急上昇しています。1歳児が1.28→1.52倍、2歳児が1.77→1.9倍、3歳児が1.35→1.72倍、4歳児が1.0→1.23倍です。区全体で200人近い入所保留児童が生じそうです。
これは申込数が38人増加したのに加え、募集数が54人も減少した為です。市内屈指の高倍率となってしまいました。
十分な数の保育所等が新設されたと判断されたのか、新年度へ向けた保育所の新設は行われていません。地域型保育事業が1箇所、こども園への移行が2箇所のみです。
また、鶴見区は1歳児を中心に募集数を減らしている保育所が少なくありません。「保育士不足で縮小運営を余儀なくされている」という話を聞きました。本当であれば、極めて深刻な保育士不足が生じています。
つるみ保育園・もろぐち保育園・トレジャーキッズよこづつみ保育園が3倍超え
区全体と同じく、鶴見区は入所倍率が非常に高い保育所が目立ちます。3倍を超える保育所は3箇所もあります。
最も入所倍率が高いのは、もろぐち保育園(本園)の6.5倍です。募集人数が2名のみであり、9人が第1希望としている2歳児で募集を行わない為です。
なお、0歳児(北分園)は0.67倍、1歳児(南分園)は1.21倍(保育士あり)です。
次がつるみ保育園の4.17倍です。募集を行うのは0歳児のみですが、非常に多くの1歳児・4歳児が第1希望としています。
昨年まで1歳児は9人を募集していたにも関わらず、今年の募集予定数は0人です。きょうだいすら入所できる見通しが立たず、深刻な影響が生じそうです。
保育士優先枠のみで埋まるクラスも多い
トレジャーキッズよこづつみ保育園も3.67倍という高倍率です。特に1歳児は12倍、市内で最も高い数字かもしれません。昨年・一昨年と同傾向です。
1歳児には2人の保育士が優先枠を利用して申し込んでいます。募集数が増えない限り、優先枠以外の入所希望者が入所できる可能性はゼロです。希望変更を推奨します。
ただ、同園の1歳児クラスのみを第1希望として申し込めば、間違いなく入所保留通知が得られます。育休を延長したい方が、同園のみを第1希望として提出すべきでしょう。
これ以外にも、優先枠のみで募集予定数を満たすクラスは少なくありません。注意して確認して下さい。
6保育所が2倍超え、1歳児の募集減が目立つ
これらに加え、鶴見区では6保育所の入所倍率が2倍を超えています。
いずみの保育園は2.24倍です。1歳児3倍、2歳児2.5倍、3歳児5倍です。加点が無い1歳児は厳しいかもしれません。3歳児は地域型保育事業の卒園児のみで埋まってしまいそうです。
よこづつみ保育園は2.22倍、1歳児2.63倍、2歳児9倍(保育士で決定)、3歳児は募集予定無しです。ここも加点が無い1歳児は厳しいでしょう。募集予定数1人の2歳児は保育士優先枠で決まりです。
今津保育所は2.81倍、0歳児1.83倍、1歳児5倍(保育士あり)、2歳児1.67倍です。0-1歳児は募集数が昨年より減少しています。1歳児は優先枠・きょうだい加点等で充足してしまいそうです。
俊英舘保育園は2倍、2歳児5倍(保育士で決定)、3歳児4倍です。H31は0歳児募集を行わない見通しであり、それ以外の年齢の募集数も減少しています。鶴見区は募集数を減らしている保育所が目立ちます。
鶴見えのもと保育園は2.5倍です。募集を行うのは0歳児のみです。昨年は5人を募集していた1歳児は募集予定が無く、第1希望としている8人は厳しい状況に追いやられています。
鶴見みどり保育園は2倍、こちらも1歳児募集予定がありません。方や0歳児は9人募集に対して第1希望者は2人のみ、極端な偏りが生じています。
1歳児倍率が1倍を切る保育所も、差が大きい
それ以外の保育所も個別に見ていきます。
にじの木保育園は落ち着いた倍率ですが、希望変更する1歳児が心配です(これ以外の保育所も同じ)。
のぎく保育園は分園で0-1歳児を募集しています。1歳児3.14倍と非常に高い値です。殆どは加点がある児童で埋まってしまうでしょう。
2歳児以降は本園へ申し込んでいますが、募集予定は皆無です。本当にゼロなのか、それとも募集予定がはっきりしていないのでしょうか。
みつばさ保育園は0歳児1.17倍、1歳児い1.22倍です。ここも1歳児希望者が増えてしまいそうです。
茨田大宮保育所は1歳児が0.71倍に留まっています。鶴見区中心部の1歳児倍率は高騰していますが、それ以外の地域は落ち着いた数字が目立ちます。
茨田第1保育所は0歳児2倍です。きょうだい加点とフルタイム共働き世帯で埋まってしまいそうです。
茨田第2保育所は0歳児1.83倍(保育士あり)、1歳児1.86倍(保育士あり)、2歳児2.14倍(保育士あり)、3歳児1倍です。0-2歳児はフルタイム共働きを下回る点数の方は厳しいと感じます。
茨田東保育所は0歳児1倍(保育士あり)、2歳児1倍です。過去の入所者平均点はやや低く、今年もフルタイム共働きに満たない点数でも入所できそうです。
横堤みのり保育園は2歳児3倍です。1歳児は入りやすそうです。
俊英舘第二保育園は入所しやすい数字です。俊英舘保育園を第1希望として、第二保育園を第2希望としている方が多いのでしょうか。こぐま分園も入りやすそうです。
鶴見はとぽっぽ保育園は0歳児1倍、1歳児1.17倍、2歳児1倍です。フルタイム共働きでしたら概ね入所できそうです。
鶴見みどり第二保育園は1歳児募集予定がありません。注意が必要です。
鶴見学園は0歳児1.33倍、1歳児1.11倍です。フルタイム共働きでしたら概ね入所できそうです。
放出保育園は0歳児1.5倍、1歳児1.58倍(保育士あり)、2歳児1倍、3歳児0.83倍です。0-1歳児はフルタイム共働きでなければ厳しいでしょう。
三愛こども園は1歳児1.75倍です。過去の入所者平均点が若干低く、フルタイムなら入所できそうです。
ほっぺるランド鶴見緑地は1歳児1.88倍、2歳児は募集予定なしです。希望者が急増した1歳児は、やや厳しそうです。
ポピンズナーサリースクール鶴見緑地は2歳児募集無し、3歳児1.33倍です。0-1歳児は第1希望者が少なめですね。
地域型保育事業の希望者は少ない、3歳児以降の保育に不安か
保育所への第1希望者が非常に多い反面、地域型保育事業の第1希望者は非常に少ないのが特徴的です。
第1希望者がやや多いのは鶴見ぴよぴよ保育園(第1希望が4人だが募集予定無し、昨年は8人募集)、鶴見なないろ保育園諸口園の7人(0歳児募集予定を1歳児に振り替え?)です。
多くの1歳児が入所申込書を提出した鶴見区では、地域型保育事業を希望する順位によって内定/不承諾が別れるケースが続出するでしょう。
鶴見区は3歳児募集数も決して多くありません。地域型保育事業へ入所しても、3歳児以降の保育の場が見つからない児童が続出してしまいそうです。鶴見区は都心部並に保育所が不足している地域です。
なお、幼稚園からこども園へ移行した念法幼稚園は3歳児1.67倍です。連携関係にある念法保育園(地域型)は1歳児1.44倍、2歳児3倍です。3歳児以降の保育が実質的に保証されているのが魅力的です。
今後の予定&お願い
今年も各区毎の申込状況等を分析し、何らかの情報を掲載していきます。今年の内容はH31申込分析、昨年の内容はH30申込分析からご覧下さい。
「○○区の情報を詳しく知りたい」「××保育所は昨年より入りやすいの?」等のリクエストがありましたら、記事へのコメントや問い合わせからお寄せ下さい。多少のお時間を頂く場合がありますが、ご了承下さい。
次回以降は中央区・城東区・東淀川区・生野区・旭区・住吉区・住之江区を予定しています(リクエストしたのに漏れている区があれば、ご指摘下さい)。
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