新築マンションの中には、保育施設を併設する物もあります。微々たる数ですが、子育て世帯にとっては心強い設備です。
保育施設付きマンション 都心部に 育住接近◎
東京や大阪の都心部で保育施設を併設する新築マンションが増えている。近年は都心回帰の傾向を受けて子育て世代や共働き世帯の入居が増加し、保育施設の需要が高まっていることが背景。待機児童問題に悩む自治体も、事業者の取り組みを促している。
「子どもを連れてすぐ帰宅できる環境は魅力的。マンション購入の大きな材料になった」と話すのは、昨年入居が始まった大阪市都島区のマンション「サンフォーリーフタウン桜ノ宮」に住む会社員の女性(30)。1階にある認可保育所に1歳の長男を預ける。
分譲したサンヨーホームズは設計段階から併設を決め、モデルルームなどでも来場者にPR。入居者以外も利用でき、現在は0~2歳の子ども19人を預かっている。
阪急不動産などが2014年に分譲した大規模マンション「ジオ新町」(大阪市西区)では、入居者に割引サービスがある認可外保育所を併設している。 (以下省略)
記事で取り上げられているサンフォーリーフタウン桜ノ宮に併設されているのは、桜ノ宮サンフレンズ保育園です。JR桜ノ宮駅の目の前にある同マンションの1階に入居する、小規模保育施設です。
0-2歳児の保育所送迎には大きな手間と時間が掛かります。毎日の身支度・準備を全て保護者が行い、登園してからも検温・着替え補充・オムツ交換等と大忙しです。
しかし、同じマンションの1階に保育施設があれば、必要となる時間は大きく削減されます。抱っこ紐やベビーカーを使わずとも、短時間で登園できるのは非常に魅力的です。また、忘れ物をしても短時間で取りに帰れます。
大阪市内では、他に淀川区に新設されるマンションにて同様の計画が進行しています。
優先入所制度はない
注意すべきなのは「併設された認可保育施設であれど、入居者への優先入所制度がない」という点です。一般的な保育所等と同じく、大阪市による入所調整を経た上で決定されます。
デベロッパー等は優先入所制度の導入を願っている様子ですが、福祉施設としても存在意義・公平性等を鑑みると、実現は困難でしょう。
とは言え、0-2歳児を対象とした小規模保育施設であれば、フルタイム共働き(夫婦合わせて200点)で第1希望とすれば概ね入所できています。待機児童問題が深刻な市中心部等でも、200点で入所できているケースが少なくありません(詳細はこちら)。
課題は3歳児以降です。子育て支援施設マップによると、同マンションの近くにはなのはな保育園と都島桜宮保育園があります。
両保育園は0-5歳児の保育を行っています。しかし、なのはな保育園の3歳児募集予定数は2人(H29一斉入所)、都島桜宮保育園は0人でした。北区にも保育所がありますが、募集数が若干名、もしくは非常に高い点数が必要となっています。
小規模保育等が併設されるマンションは、保育施設が不足している都心部が多いでしょう。そもそも保育所が少なく、当該地域の3歳児募集予定数が少ないのは当然です。
卒園児問題、非常に心配です。