大阪府内の幼保施設の内、約2割が津波浸水域に設置されています。
今後起こりうる最大級の津波によって浸水する恐れのある幼稚園や保育所などの幼保施設が、全国に少なくとも3276カ所あることが毎日新聞の分析で明らかになった。認知症グループホームや特別養護老人ホームなどの高齢者施設は、少なくとも2386カ所で浸水する可能性がある。浸水域にあるこれらの施設が、津波の恐れがある市町村に立地する全ての幼保施設、高齢者施設に占める割合はいずれも1割を超える。未就学児や高齢者ら自力での避難が難しい災害弱者が津波の脅威にさらされる実態が浮かぶ。(以下省略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/5c66cdf29eb4654875f6ab038e89ce95d76749ae
同記事によると、津波による浸水域に所在している大阪府内の幼保施設は全体の19.5%とされています。
一方、「浸水域にあるのは危険だから、早急に移転すべきだ」というのは早急な議論です。大阪市は南海トラフ地震による津波浸水域を想定した地図を公表しています。
https://www.city.osaka.lg.jp/kikikanrishitsu/page/0000299877.html
ざっと大阪市の西半分、上町台地の西側ほぼ全てが浸水域とされています。大阪市域の約半分です。この地域から幼保施設を移転させるのは不可能です。
重要なのは津波等の大規模災害が発生した場合における避難場所です。幸いな事に大阪市内には耐震性に優れた無数の公共建築や高層ビル等があります。万が一の際にはこうした場所へ避難し、津波をやり過ごすのが合理的でしょう。
我が家がお世話になっている保育所でも、地震や津波が発生した場合にはこうした建物へ避難する計画を策定しています。定期的に避難訓練も行っています。
ただ、避難先で大勢の園児が長時間過ごすのは容易ではないでしょう。オムツも食事も足りません。保育所等から持ち出すにも限界があります。大阪市内が大規模な津波に襲われると、保護者が数日間は迎えに来れないケースも生じます。
大阪市内で津波浸水深が特に大きいのは、西淀川区・此花区・西区東部(木津川以東)です。低地が広がり、相当の期間は水が退かないと考えられます。外部からの助けが入るのにも時間が掛かるでしょう。
それぞれの立地や事情等に応じ、適切な計画を講じるのが重要です。東日本大震災では殆どの全ての保育所等から無事に避難できました。