ツイッターに気になる投稿がありました。
大阪市内に住む後輩がデキ婚することになった。めでたいと皆の祝福を受けている。そろそろ産休かと声をかけたらば西宮市に引っ越していた。
「保育所がしっかりしてて、待機児童が少ないですから。」と彼女は言う。
そうだね。大阪は子どもを育てるに良いところではなくなってるしね・・。— ジーロ【公式】 (@jiro2109) May 22, 2017
大阪市の待機児童・入所保留児童数等を見ている関係で、人口統計に目を通す機会が増えています。大阪市は子どもの数が回復傾向にあると言われていますが、実は「転出超過」です。
ある年のn歳児(n<7ぐらい)の人口と比べ、翌年のn+1歳児の人口が明確に減少しています。大阪市内で出生・転入する子どもは増えているでしょう。しかし、それ以上に「転出する子ども」が多いのです。
理由はいろいろあるでしょう。その中には、引用したツイッターにある様な「保育所がしっかりしてて、待機児童が少ない自治体へ転出する」という事例も少なくないと思います。
問題はここからです。「西宮市は本当に待機児童が少ないのか?」という部分です。
これについては、しぶや祐介氏(西宮市会議員)のブログに詳しく記載されています。ブログから数字を拾いました。
H28 | H29 | 参考:大阪市H29 | |
入所申込数 | 2407人 | 2718人 | 15101人 |
入所保留数 | 636人 | 830人 | 2989人 |
保留率 | 26.4% | 30.5% | 19.8% |
入所決定数 | 1771人 | 1888人 | 12112人 |
待機児童数 | 183人 | 323人 | 325人 |
保護者目線で気になるのは「保留率」です。入所申込みした児童の内、どれだけの児童が入所できなかったかを表しています。
西宮市の保留率はH28が26.4%、そしてH29は30.5%へ上昇しています。申込数が300人以上も増加したのが大きな理由でしょう。
申込みの大半を0-2歳児が占めているでしょう。300人分の申込みに応じるには、500-600人分の施設整備が必要となります。同市のH29整備進捗は330人分に留まっています。
保留率は大阪市で例えると分かりやすいでしょう。西宮市のH28保留率は、大阪市中央区・淀川区・阿倍野区(いずれもH29、以下同じ)とほぼ同水準でした。そしてH29保留率は天王寺区をほんの少し下回る数字でした。
西宮市の保育所等申込率は分かりません(ウェブサイトの検索機能が非常に使いにくく、調べ切れていません)。しかし、同市で保育所等への申込みを行った児童の内、3割前後は入所できなかったのは事実です。
また、大阪市と同じ様に、西宮市内でも地域によって大きな違いがあるでしょう。子育て世帯に人気がある西宮北口・夙川付近は特に入りにくく、反対に山間部はやや入りやすいのではないでしょうか。
私には「西宮市は保育所等へ入りやすい」とは到底感じられません。ツイッターへ投稿された方の後輩が無事に入所できるか、少し心配になります。
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