ツイッターに気になる投稿がありました。

大阪市の待機児童・入所保留児童数等を見ている関係で、人口統計に目を通す機会が増えています。大阪市は子どもの数が回復傾向にあると言われていますが、実は「転出超過」です。

ある年のn歳児(n<7ぐらい)の人口と比べ、翌年のn+1歳児の人口が明確に減少しています。大阪市内で出生・転入する子どもは増えているでしょう。しかし、それ以上に「転出する子ども」が多いのです。

理由はいろいろあるでしょう。その中には、引用したツイッターにある様な「保育所がしっかりしてて、待機児童が少ない自治体へ転出する」という事例も少なくないと思います。

問題はここからです。「西宮市は本当に待機児童が少ないのか?」という部分です。

これについては、しぶや祐介氏(西宮市会議員)のブログに詳しく記載されています。ブログから数字を拾いました。

H28H29参考:大阪市H29
入所申込数2407人2718人15101人
入所保留数636人830人2989人
保留率26.4%30.5%19.8%
入所決定数1771人1888人12112人
待機児童数183人323人325人

保護者目線で気になるのは「保留率」です。入所申込みした児童の内、どれだけの児童が入所できなかったかを表しています。

西宮市の保留率はH28が26.4%、そしてH29は30.5%へ上昇しています。申込数が300人以上も増加したのが大きな理由でしょう。

申込みの大半を0-2歳児が占めているでしょう。300人分の申込みに応じるには、500-600人分の施設整備が必要となります。同市のH29整備進捗は330人分に留まっています。

保留率は大阪市で例えると分かりやすいでしょう。西宮市のH28保留率は、大阪市中央区・淀川区・阿倍野区(いずれもH29、以下同じ)とほぼ同水準でした。そしてH29保留率は天王寺区をほんの少し下回る数字でした。

西宮市の保育所等申込率は分かりません(ウェブサイトの検索機能が非常に使いにくく、調べ切れていません)。しかし、同市で保育所等への申込みを行った児童の内、3割前後は入所できなかったのは事実です。

また、大阪市と同じ様に、西宮市内でも地域によって大きな違いがあるでしょう。子育て世帯に人気がある西宮北口・夙川付近は特に入りにくく、反対に山間部はやや入りやすいのではないでしょうか。

私には「西宮市は保育所等へ入りやすい」とは到底感じられません。ツイッターへ投稿された方の後輩が無事に入所できるか、少し心配になります。