平成25年10月時点での待機児童数は一昨年同時期より約2000人減少したものの、まだ全国で約44000人が保育所への入所を待っているそうです。

待機児童 3年連続減少も深刻な状況続く
3月31日 4時49分

保育所の空きを待っている「待機児童」の人数は、去年10月の時点で、全国でおよそ4万4000人で、3年連続で減少したものの、依然として深刻な状況が続いていることが厚生労働省の調査で分かりました。

厚生労働省が全国の市区町村を対象に去年10月時点の待機児童の人数を調べたところ、全国で合わせて4万4118人で、おととしの同じ時期より2009人減ったことが分かりました。
この時期の待機児童が減ったのは3年連続です。
国は、去年4月からの5年間で新たに40万人分の保育の受け皿を確保するなどとした対策を打ち出し、待機児童の解消を目指していますが、依然として深刻な状況が続いています。
都道府県で最も多かったのは東京都で1万1589人、次いで千葉県が1958人、大阪府が1761人、神奈川県が1703人、埼玉県が1391人となっています。市区町村では最も多かったのが川崎市で1534人、次いで福岡市が1046人、広島市が951人、東京・世田谷区が832人、札幌市が824人といずれも都市部で多くなっています。
厚生労働省は「それぞれの自治体が保育所を増やすなど対策を急いでいるが、追いついていないのが現状で、引き続き支援していきたい」と話しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140331/k10013367571000.html

各都道府県・政令指定都市・中核市別の数字は厚生労働省HPにて発表されています。
PDF及びエクセルで掲載されているので、テキスト化して見やすくしました。

都道府県待機児童数待機児童数待機児童数
差引
H25.4.1H25.10.110月-4月
1北海道17350333
2青森03838
3岩手118350232
4宮城433669236
5秋田386123
6山形7715376
7福島85252167
8茨城215595380
9栃木23144121
10群馬83325
11埼玉6731,391718
12千葉9641,958994
13東京8,11711,5893,472
14神奈川8581,703845
15新潟03232
16富山000
17石川000
18福井000
19山梨000
20長野000
21岐阜86961
22静岡97247150
23愛知135333198
24三重27292265
25滋賀269759490
26京都15175160
27大阪6811,7611,080
28兵庫385898513
29奈良11018777
30和歌山73124
31鳥取07474
32島根14128114
33岡山204020
34広島06464
35山口3311279
36徳島41170129
37香川077
38愛媛000
39高知26159
40福岡345798453
41佐賀113827
42長崎06868
43熊本402573171
44大分68175
45宮崎000
46鹿児島156504348
47沖縄1,7772,307530
都道府県計16,16729,09512,928
政令指定都市
中核市
待機児童数待機児童数待機児童数
差引
H25.4.1H25.10.110月-4月
48札幌市398824426
49仙台市533659126
50さいたま市117364247
51千葉市32142110
52横浜市0231231
53川崎市4381,5341,096
54相模原市132328196
55新潟市000
56静岡市153273120
57浜松市269445176
58名古屋市280497217
59京都市94227133
60大阪市287446159
61堺市62245183
62神戸市337451114
63岡山市000
64広島市372951579
65北九州市0220220
66福岡市6951,046351
67熊本市180514334
政令指定都市計4,3799,3975,018
68旭川市11714932
69函館市000
70青森市05757
71盛岡市50233183
72秋田市0104104
73郡山市127563
74いわき市000
75宇都宮市07878
76前橋市000
77高崎市000
78川越市112241129
79船橋市227491264
80柏市11720588
81横須賀市3413399
82富山市000
83金沢市000
84長野市000
85岐阜市000
86豊橋市000
87岡崎市000
88豊田市37171134
89大津市146285139
90高槻市5512267
91東大阪市230577347
92豊中市7511843
93姫路市6109103
94西宮市0160160
95尼崎市74179105
96奈良市9514853
97和歌山市63327
98倉敷市4838▲ 10
99福山市000
100下関市01515
101高松市099
102松山市4012787
103高知市179073
104久留米市152510
105長崎市9711720
106大分市8913445
107宮崎市000
108鹿児島市57697640
109那覇市439706267
中核市計2,1955,6263,431
合計22,74144,11821,377

首都圏や関西と言った都市部を中心とした待機児童の多さが飛び抜けています。
こうした自治体では保育所の新設を積極的に進めている様ですが、申込数の増加に追いついていない様子です。
また、公募に対する申込数も決して多くはない印象です。
保育士の不足や建築コストの高騰等により、公募に対して申込みを行う事業者が更に減少しないか少し心配です。

年度途中における待機児童数の増加には一つの特徴があります。
それは「0歳児待機児童の顕著な増加です。」

H25/4待機児童数H25/10待機児童数
0歳児3,03518,619
1-2歳児15,62120,751
3歳児以上4,0854,748
22,74144,118

http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11907000-Koyoukintoujidoukateikyoku-Hoikuka/0000042027.pdf より作成

4月と比較し、10月時点での0歳児待機児童数は約6倍と急増しています。
他の年齢が1.2-1.3倍程度の増加であり、0歳児は突出しています。

原因は恐らく「平成24年度の後半生まれ(H24/10-H25/3)の申込み」でしょう。
年齢要件によって平成25年4月入所の一斉募集に申し込めず、平成25年度前半に年齢要件をクリアして申し込んでも入所できなかった方々です。
転居等によるやむを得ない場合を除き、年度途中に0歳児クラスで空き定員が生じるのは希です。
仮に空き定員が生じたとしても、入所できるのは基準点数が著しく高い方のみです。

0歳児保育は保育児の人員配置が手厚く、逆に保育士の配置数がネックとなってしまっ定員を増やしにくい状況にあります。
0歳児の定員を増やすと1歳児以降に持ち上がる児童も多くなり、全年齢の定員の増加も考慮しなければなりません。
特定の年齢の定員だけを簡単に増やすわけにはいかないのが現状です。
また、仮に0歳児の定員を増やしたとしても一斉入所で埋まってしまい、年度後半生まれの方が入所するのは難しい状況に変化は無いでしょう。

数年後、「保育所の入所問題が一因となり、都心部の子供の出生月が年度前半に集中しているのが判明しました」と報道されるかもしれません。
おかしな話です。