城北公園通以南～大川は市内屈指の激戦地区
一方、上記2地区と大きく異なる地域もあります。城北公園通より南から大川の間、天満を中心とする北区南東部です。
梅田・淀屋橋・南森町等に近く、大阪三郷・天満組を源流とする商業地が広がっています。近年はファミリー向けのマンション供給も盛んです。気づいたらタワーマンションが・・・・という光景もあります。
そうした経緯からか、保育所等の整備はあまり行われていませんでした。保育所が少ない地域に大型マンションが次々と建設された結果、保育所が一気に不足する事態に陥っています。
最低点も極めて高い数字です。0歳児は大半の保育所で200点です。中でも同心保育園・音色つばさ保育園は201点です。
同心保育園は地域内に社宅等が多く、共働き・単身赴任世帯が少なくないからではないでしょうか。ファミリー向けマンションも多い地域です。市内全域を通して極めて入りにくい保育所の一つです。
新設保育園は次子出産・入所タイミングが重なりやすい
音色つばさ保育園は平成24年10月に開所した新しい保育園です。周囲にタワーマンション等が次々に新築されており、未就学児が一気に増えています。また、同保育園に代表される、新設保育園に共通した特殊事情もあります。
新設保育園では、多くの世帯で保育所入所・復職するタイミングが同じです。その為、次子出産タイミングも重なってしまうのです。平成24年4月～10月頃に復職したとなると、2-3年後に次子を出産する世帯は少なくありません。
開所から2年後～3年後、平成26年10月から平成27年9月に産まれた児童が入所申込を行ったのが平成28年度一斉入所です。
数字で見ると明らかです。同保育園の平成27年度一斉入所において、201点以上あった児童は3人でした。しかし、平成28年度は12人と激増しています。多くを次子が占めると推測されます。
北区南西部の1-2歳児は加点前提
1歳児はより厳しくなります。ほぼ全ての保育所で201点以上となっています。フルタイム共働きでも入所できない可能性が濃厚です。募集数の少なさ・認可外保育施設を利用しやすい土地柄・共働き世帯の多さが最低点を引き上げています。
中にはきょうだいが在籍していても入所できない児童が生じた可能性がある保育所もあります。1歳児倍率が7倍を超えた音色つばさ保育園とちゃいれっく東天満保育園です。
2歳児も同じ傾向です。募集しない保育所が多いので、募集枠のある保育所へ集中する傾向があります。ほぼ全ての保育所で最低点は201点以上となっています。
平成29年4月には中崎西1丁目に新しい保育所が開所する予定です。しかし、すぐ近くで大型タワーマンションの建築も予定されています。北区南東部の保育所不足・入所の困難さは続くでしょう。
やや入りやすい地域型保育・乳児保育所
しかし、地域型保育事業や2-3歳児までの保育を行う保育所等（いわゆる乳児保育所）は若干異なります。上で挙げた5歳児までの保育を行う保育所と比べ、最低点はやや低くなっています。特に0歳児は顕著です。140-180点で入れる施設が多くを占めます。
こうした施設は保育所と同じ保育料・厳格な安全基準を満たしていますが、卒園後に新しい保育施設等を探す必要があります。その為、多くの保護者は第1希望とせず、下位順位で希望しているのが実情です。
ただ、1歳児クラスは異なります。最低点は180-201点と一気に高くなっています。保育所の1歳児最低点が極めて高く、その影響を受けているのでしょう。
優先入所枠がある地域型保育は高人気
例外は中之島ちどりキッズです。同園の運営法人は、すぐ近くで中之島ちどり保育園（認定こども園）を運営しています。その為、恐らく両園は連携施設として関係があり、卒園児の優先入所枠も設定されているのではないでしょうか。
地域型保育事業を卒園後、優先入所枠がある保育所等へは最優先で入所できます。実質的には母体となる保育所等の分園的な扱いがされているのでしょう。
卒園後の保育所探しが不要となれば、魅力は一気に高まります。中之島ちどりキッズの最低点は保育所並みの高さです。
一括りにできない「北区」
北区と言っても地域で保育所事情は大きく異なります。西部・北東部はフルタイム共働きなら全年齢で概ね入所できますが、南東部は困難（特に1-2歳児）です。
南東部で保育所を探す場合、加点事由が前提となるでしょう。復職を急ぐ家庭では、認可外保育施設の利用も盛んです。しかし、この地域では、認可外施設も入所予約待ちが多いという話も聞きます。
子育て世帯向けの大型マンション建築と比べ、保育所の新設は必ず遅れます。また、民間デベロッパーに人気がある地域は地価が高くて出物も少ないので、保育所を建築しにくいのが実情です。
南東部で最も保育所を建築しやすいのは、実は扇町公園内かもしれません。特区構想の利用です。キッズプラザ内、という方法もあるでしょう。
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