H28保育所等一斉入所結果分析、ようやく地域編です。第6回は北区を取り上げます。なお、北区に関する過去の分析記事は、「検索:北区 分析」からご覧下さい。
分析精度の向上の為、今年から各保育所・年齢(0-2歳児)毎の「推定入所最低点」(以下「最低点」とします。)を掲載します(地図は後日追記する予定です)。
ここ数年、北区へはファミリー層の転入が続いています。職住近接志向の共働き世帯が増加し、これに見合うマンションが続々と供給されているからでしょう。未就学児は毎年4-5%ほど増加しています。
これと伴う形で、北区では多くの保育所が新設されています。平成28年5月にマザーシップ新梅田保育園が、6月には愛の恵保育園が開園しました。それ以前から、毎年1-2カ所のペースで保育所が増えています。また、小規模保育施設も著しく増加しています。
では、保育所等へ入所するには、具体的に何点が必要なのでしょうか。北区を3地区に分けて見ていきます。
保育所の新設が盛んな大淀地区
福島区に近く、工場が多く建ち並んでいる大淀地区です。実は、数年前まで大淀保育所しかありませんでした。ここ数年で3カ所も保育所が増えました。地域単位での増加率は市内ナンバーワンかもしれません。
0歳児の最低点は多くの保育所で190点となっています。フルタイム共働きに準ずる世帯であれば、入所できそうです。保育所の新設が効いています。北区で最も低く、隣の福島区東部よりも低いぐらいです。
但し、大淀保育所は201点とやや高くなっています。0歳児募集数が3人と少なく(他園は6-8人)、兄姉が在籍している等の加点事由がある児童で埋まってしまう可能性が濃厚である為です。
1歳児の最低点はいずれも200点です。今年の場合、新設で募集数が多いマザーシップ新梅田保育園(10名)へ入所希望者が分散した事もあり、大淀地区全体としては1歳児は昨年より入りやすくなっているでしょう。
2歳児は注意が必要です。クオリスキッズ北梅田保育園・マミーズアイ保育園おおさかきた園の募集数は「0人」でした。こうした園では中間発表後に年度末退所者が生じない限り、原則としてその年齢の新入所者は発生しません。
となると、2歳児の入所希望者は、募集枠が設定されている大淀保育所(6名募集)・マザーシップ大淀南保育園(15名募集)へ集中します。大淀地区の2歳児入所希望者は22名でした。幸いな事に、ほぼ全員が2園のいずれかに入所できたでしょう。
城北公園通と淀川の間はやや入りやすい
次は北区北東部、具体的には城北公園通より北側の地域です。旧大淀区です。北側には淀川が広がっています。
比較的大きな河川がある地域は、保育所の入所倍率・入所希望者がやや低めにでる傾向があります。河川や河川敷に住んで登園する児童はおらず(青いビニールハウスに住む大人はいますが)、川向こうから登園する児童もほぼいない為です。
つまり、登園可能エリアが大きく制約されているのです。長柄大橋を渡れるとしても、淀川区・東淀川区から同地域の保育所へ登園している児童はごく少数ではないでしょうか。
0歳児の最低点は180-200点となっています。フルタイムに準ずる働き方ややや短い勤務時間の方でも入所できる可能性が高いです。地域型保育事業であれば、より低い点数でも入所できるでしょう。
1歳児はやや高く、全ての保育所が200点です。フルタイム共働きであれば、多くの世帯が入所できそうです。一方、200点を切ると厳しいです。地域型保育事業の最低点も高くなっています。
この地域の特徴は「2歳児を募集している保育所が多い」という点です。ただ、募集人数が少ない為か、最低点は1歳児よりやや高くなっています。中には加点事由が必要な保育所もあります。
全年齢を通して比較的入所しにくいのは長柄保育園です。UR居住者や都島区からの入所希望者が多い為と推測されます。
この地域では、6月に天神橋8丁目で愛の恵保育園が開所しました。こちらの保育園も多くの入所希望者を集めたでしょう。更に来年4月には中津3丁目にて新しい保育所が開所する予定です。
現在も豊崎・中津等で大型マンションの建設が進んでいると聞きます。未就学児も増加するでしょう。しかし、保育所等の整備も進んでいます。今後もやや入りやすい傾向は続くのではないでしょうか。