【ニュース】保育士確保へ朝夕1人や教諭活用・・・児童にメリットは?の続報です。

保育士の配置基準を緩和する省令改正が平成28年2月18日付で実施されていた事が明らかになると共に、同省令改正と同内容を盛り込んだ条例改正案が維新・自民・公明の賛成(共産は反対)によって可決されました。本会議でも可決される見通しです。

条例改正内容は、児童福祉施設最低基準の一部を改正する省令(平成10年厚生省令第51号)そのものです。具体的には下記の通りです(大阪市担当者の答弁より)。

(1)朝夕の児童が少ない時間帯は保育士1名+無資格者1名の配置が可能に
(2)小学校教諭・幼稚園教諭・養護教諭を保育士と見なす事が可能に
(3)研修参加・年休参加で保育士が不足する場合は、無資格者の配置が可能に
(4)年齢別配置基準において、常に2/3以上は資格者を配置する

これらを保育現場の判断で適用できるよう、省令と同じ内容を盛り込んでいます。適用は各事業所の判断に委ねられています。

なお、これを質疑で取り上げた佐々木委員(維新)は、より積極的に無資格者を活用する様に主張しています(主張全てが条例改正に取り入れられているのでは無い様です)。

・資格はないが十分な育児経験を有する方を積極的に活用すべき
・これによって保育士の勤務時間が短縮され、潜在保育士が復帰しやすくなる
・保育士の業務負担が軽減される
・手が掛かる時間帯・年齢へ保育士を集中できる

保育所における無資格者・隣接職種資格者の活用は悩ましいです。保育士不足を緩和する効果が生じるのは間違いない一方、保育の質や保育士待遇の低下への懸念は無視できません。保護者の願いは「子供が安心して過ごせる保育施設」です。

保育士不足は「子育てや家庭との両立が困難」「低賃金」が主な理由です。根本的な原因への対応を行わず、配置基準の実質的緩和によって保育士不足を解消するのは邪道としか思えません。

条例改正内容の導入は各事業所に委ねられています。まずは公立保育所において導入し、その効果を検証して欲しいです。市職員には小学校教諭等がおり、異動によって容易に実現できます。大半の事業所では導入せず、保育士有資格者による保育を継続するのではないでしょうか。