預かった祖母が外出している隙に孫(1歳)がブラインドカーテンの紐に首を絡ませて亡くなる事故が発生しました。
今年6月、福岡市南区の住宅で1歳の女の子の首にブラインドの紐が絡まり、窒息死する事故が起きました。
紐やチェーンなどが子供の首に絡まる事故は全国で相次いでいますが、専門家は首の力が弱い3歳までの子供への注意を強く呼びかけています。(中略)
夕方になって、祖母が買い物をするため寝ている雛樹ちゃんを残したまま外出。
誰もいなくなった住宅で、雛樹ちゃんの首にブラインドの紐が絡まる事故が起きました。
雛樹ちゃんの父親
「(近くの保育園が)娘がカーテンの裾の紐で首が絡まった状態で首つっていたとということで通報して頂いて、救急隊が駆けつけて、ガラスを割って救助して頂いた。カーテンの裾で首が引っかかる事件が起きるとは思ってもいなかったので、もうまさかという感じですね…」雛樹ちゃんは心肺停止の状態で病院に運ばれ、翌日の夕方、死亡が確認されました。(中略)
ブラインドの紐などが子供の首に絡まり、窒息する事故は各地で相次いでいます。
窒息したあと数分で死亡する恐れがありますが、専門家は3歳までの子供が特に危険だと指摘します。
注意すべき子供の年齢についてー(アメリカの研究によると)
佐久総合病院 佐久医療センター 小児科医長 坂本昌彦さん
「平均年齢がだいたい2・2歳くらい。2歳前後がリスクが高いと言われていますね。だいたい93パーセントが3歳以下だと。(3歳までは)頭の動きをうまくコントロールするのが難しくて、要するに首の筋肉がまだ発達していないからですね。だからこの時期の子供はすごく転びやすいんですね。(事故は)音を立てずに、そして静かに、短時間で起きてしまうと。保護者が近くにいても起きてしまう可能性がある」
非常に痛ましい事故です。お悔やみ申し上げます。ブラインドカーテンを操作する紐に首が絡まったのが死亡原因でした。
そもそも祖母が1歳児を1人きりにして外出しなければ恐らく避けられた事故でした。たとえ寝ていたとしても、1歳児を放置して外出するのは何ら許容できません。私自身も祖父母の安全意識の無さに頭を痛めています。「1歳児を1人きりにしない」のが鉄則です。
一方、ブラインドカーテンの紐で幼児が窒息死する事故は初めて見聞きしました。我が家もブラインドカーテンを使用しており、全くの盲点でした。
どうして子供はブラインドの紐で命を落としてしまったのでしょうか。専門家は「短時間で意識を失う」「1-3歳児は頭が重く、自力で抜け出すのが難しい」と指摘しています。
この事故がごく短時間で進行するからです。コードで首がしまると、わずか15秒で意識を失い、2〜3分で命に関わる状態になってしまいます[3]。このような短時間では、気づいてから助けに行っても間に合わない可能性があります。(中略)
被害に遭った子どもの86%が3歳以下で、平均年齢は2.2歳でした。特に1歳頃が最も危険で全体の1/3以上を占めていました。[2]。
この年齢の子どもたちが特に危険な理由は、体の構造と発達段階にあります。
まず、頭が体重に占める割合が大人より大きく、首の筋力がまだ十分に発達していません。そのため、一度紐に絡まってしまうと、自力で抜け出すことが難しいのです。頭の重さで紐がさらに締まってしまい、パニックになってますます絡まってしまいます。
また、この年齢の子どもは気道が狭くて柔らかいため、少しの圧迫でも簡単に呼吸が止まってしまいます。大人なら耐えられる程度の圧迫でも、子どもには致命的になるのです。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/22d20e3095fd28dcac8bb8dec0454e02a418a132
実は平成28年に消費者庁が「ブラインド等にひもの事故に気を付けて!」という注意喚起を行っていました。
いくつかの事例が紹介されています。
【事例1】(ブラインドの近くに配置されたベッドで事故になった事例)
ベッドに寝かせていたが、ブラインドのひもが子供の首に巻いていて反応がないのを、床の上で発見された。寝返りをしてベッドから落ちた際に、たまたまひもが首に食い込んだと推測されている。【事例2】(出窓の側にソファーが置かれていて事故になった事例)
ブラインドのロープが切れる音がして振り向くと、女児が首を押さえており、首にロープの跡が赤く残っていた(治るのに一週間以上掛かった。)。首にブラインドのロープが引っ掛かったまま、出窓の部分からソファーに跳んだと思われる。【事例3】(遊び中に誤って事故になった事例)
かくれんぼをしていたところ、誤ってブラインドのひもに首を掛け、締められてしまった。病院へ連れて行った。今は元気にしているが、半日ほど意識不明の状態だった。【事例1】(いつもひもをまとめていたが事故になった事例)
両親は、子供たちが引っ掛からないように、いつもシェードのひもをまとめていた。男児(1歳 10 か月)が、兄(4歳)の部屋で遊んでいたところ、父親が 10 分ほど目を離した後で部屋に戻ると、男児が両脚を床につけた状態でひもを首に絡めて立っていた。ひもは、絡まり合って男児の首に食い込んでいた。10 日後、男児は窒息が原因となって病院で亡くなった。ある朝、もうすぐ4歳になる女児が自分のベッドルームで遊びながら映画を見ていた。彼女は窓から外を見るのが好きで、その日もそうしていた可能性がある。お昼頃、母親は昼食を作っていたところ、母親が最後に女児を見てから5分から 15 分後、女児が横型のブラインドのひもにぶら下がっているのを兄が見付けた。女児の父親は苦労して娘の首からひもをほどいたが、女児は病院到着時に死亡が確認された。
何かの弾みで紐が首に食い込み、自らの体重が掛かってしまって抜け出せなくなった事例が大半です。
子供が近づいたり遊んだりしない様にと注意は払っているのですが、何らかの隙に1人で勝手に紐で遊び、バランスを崩して紐が首に絡まってしまう可能性は否定しきれません。
子育て世帯の目線からは「紐の高さ」に危険性を感じました。ブラインドカーテン用の紐は長さがあり、床に付かない程度の高さに垂れ下がっています。
対策は子供の手が届かない場所まで紐を引き上げる事です。紐の長さを短くしたり、壁の上部に紐を半固定する方法です。これでもブラインドカーテンの開閉に支障はありません。
「コードクリップ」も有効です。多くのメーカー製品に標準装備されており、別立てで購入等もできます。
【無料配布】子どもの事故を防ぐ!ブラインドの紐は「コードクリップ」で安全対策を
https://blind-mart.com/guide/1002/
子供の転落事故防止や誤飲防止等は繰り返し指摘されていましたが、ブラインドカーテンへの指摘は希薄でした。使用されている家庭の方は早急に対策を行って下さい。
また、「乳幼児(未就学児)を1人して外出しない」のも重要です。多くの子育て世帯にとっては当たり前すぎる内容ですが、未だに放置された子供が外出して保護される事件が頻発しています。どうして放置して外出出来るのか、私には理解できません。
