亡くなった池田詩梨(ことり)ちゃん(母親のツイッターより)

「またか」という気持ちばかりです。

札幌市で池田詩梨(ことり)ちゃん(2歳)が衰弱死しました。日常的に虐待を行っていた疑いがあるとして、母親とその交際相手が逮捕されました。

2歳児死亡 母親ら傷害容疑逮捕

2歳の娘に暴行を加えてけがをさせたとして、札幌市の21歳の母親と交際相手の男が傷害の疑いで逮捕されました。
娘はその後死亡し、警察が調べた結果、衰弱死だったということで、警察は2人が日常的に虐待を繰り返していた疑いがあるとみて、娘が死亡したいきさつなどを詳しく調べています。

逮捕されたのは札幌市中央区の飲食店従業員、池田莉菜容疑者(21)と飲食店経営、藤原一弥容疑者(24)の2人です。

警察の調べによりますと、2人は先月上旬から今月5日までの間に自宅マンションの部屋で池田容疑者の長女の詩梨ちゃん(2)に暴行を加えてけがをさせたとして傷害の疑いが持たれています。警察は2人の認否を明らかにしていません。

警察によりますと、5日午前5時ごろ、池田容疑者から消防に娘の体調不良を訴える通報があり事件が発覚したということで、詩梨ちゃんは頭や体の広い範囲にあざがあり意識不明の状態で病院に搬送されましたが、およそ40分後に死亡が確認されました。警察が調べた結果、死因は衰弱死だったということです。

池田容疑者と藤原容疑者は交際関係にあるということで、警察は2人が日常的に暴行や食事を与えないなどの虐待を繰り返していた疑いがあるとみて、詩梨ちゃんが死亡したいきさつなどを詳しく調べています。

一方、警察は詩梨ちゃんが亡くなるおよそ3週間前に警察官が池田容疑者と面会していたことを明らかにしました。

警察によりますと、先月12日に池田容疑者の自宅マンションの近くに住む人から「子どもの泣き声がする」と110番通報があり、その3日後に警察官が池田容疑者と面会したということです。

その際、詩梨ちゃんの体の一部にあざが見つかったということですが、池田容疑者は当時、「入浴した時に大泣きしたので通報されたのではないか」と説明し虐待の事実を否定したことなどから、警察は児童相談所への連絡にとどめ、その後、一時保護などの措置はとられなかったということです。詩梨ちゃんが亡くなったのはそのおよそ3週間後のことでした。

今回の対応について道警本部は「当時の状況については確認中で、現時点ではコメントできない」としています。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/sapporo/20190606/7000010882.html

札幌市ウェブサイトにプレスリリースが掲載されています。

Download (PDF, 81KB)

事件が起きたのは、札幌市中央区南10条西13丁目3-29にある「イルマーレ伏見」でした。

物件情報によると、同マンションは2LDKの部屋で構成されています。家賃は8万円前後です。


http://www.work-estate.co.jp/traffic/shiden/nissen11/s10w13_desin/s10w13_desin.htm

これだけの広さがあれば、親子2人がゆとりをもって生活できます。3-4人家族向けの住居ですね。テレビでは同じマンションで子育てをしている家庭がインタビューされていました。

既に池田容疑者のツイッターが特定されています。亡くなった詩梨ちゃんの画像を何度もアップロードしています。

本人の画像も投稿されています。

池田容疑者は飲食店従業員、そして藤原容疑者は飲食店経営者でした。同じ店の上司と部下という関係だったのでしょうか。

ツイッターによると、詩梨ちゃんが生まれたのは2016年12月2日でした。亡くなったのは2歳6カ月、イヤイヤ期の真っ最中です。

反抗期の真っ最中である詩梨ちゃんが邪魔になったのではないか、という悲しい推測が成り立ちます。

近所から何度も通報、児童相談所・警察が訪問していた

実は昨年秋から、何度も「育児放棄が疑われる、泣き声が聞こえる」といった旨の通報が児童相談所にありました。

児童相談所はその都度に訪問・連絡を行いました。

当初は詩梨ちゃんと面会できていましたが、今年4月には面会できずに連絡が途絶えていました。

 2歳の長女に暴行したとして、札幌市の飲食店従業員池田莉菜容疑者(21)らが傷害容疑で逮捕された事件で、市と北海道警は6日、事件前に虐待を疑う近隣住民らから計3件の通報を受けていたことを明らかにした。長女は5日、搬送先の病院で死亡が確認され、札幌市児童相談所の高橋誠所長は「認識が甘かった」と釈明した。

札幌市によると、昨年9月28日に住民から「育児放棄が疑われる」との通報が児童相談所に寄せられた。児相の職員が同日に家庭訪問し、長女の詩梨ちゃんと面会したが、「体にあざや傷はなかった」として、虐待は確認できなかった。

今年4月5日にも別の住民が「昼夜を問わず、子供の泣き叫ぶ声が聞こえ心配だ」と通報。児相は池田容疑者に電話したが会えず、4日後に折り返し連絡があった。同容疑者は電話口で面会を了承したが、その後連絡が途絶えたという。

東京都目黒区で5歳女児が虐待死した事件を受け、国は昨年7月、児相が通告を受けてから48時間以内に子供の安全が確認できない場合、立ち入り調査を行うよう求めた。札幌市の児相は4月に通報を受けた際、このルールを守っておらず、高橋所長は「(昨年の)9月に会っているという甘さがあったかもしれない」と話した。

一方、道警によると、「子供の泣き声がする」と5月12日夜に110番があった。同15日に警察官が容疑者宅を訪ね、詩梨ちゃんの体を確認したが池田容疑者の説明に不自然な点はないと判断。緊急性は認められないと児相に報告したという。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019060601258&g=soc

札幌衰弱死、面会後に暴行激化か 5月中旬に警察官があざを確認

札幌市中央区の池田詩梨ちゃん(2)が衰弱死し、傷害容疑で母親と交際相手の男が逮捕された事件で、5月15日に北海道警の警察官が母親に面会してあざを確認し、そのあざの程度が遺体のあざよりも軽微だったことが6日、道警への取材で分かった。道警は5月中旬以降に激しい暴行を加えられた疑いがあるとみて捜査、十分な栄養を与えられていたかどうかも調べる。

https://www.kobe-np.co.jp/news/zenkoku/compact/201906/0012402660.shtml

6日22時に放送された報道ステーションによると、詩梨ちゃんは今年2月から近所の保育所へ入所したそうです。

保育士は「オムツを替える際に服を脱がしたが、アザ等は見つからなかった」と話していました。

しかし、今年4月を最後に登園せず、保育所との連絡が途絶えていたそうです。昼夜問わずに子供の泣き叫ぶ声が聞こえた時期と一致します。

死亡する前日にも児童相談所は訪問していました。が、会えなかったと報じられています(記憶が不確かなので、明日の新聞で確認します)。

詩梨ちゃんの何らかの異変が起きていることは、警察・児童相談所・保育所も掴んでいました。

しかし、今回も幼い命を救えませんでした。様々な教訓が活かされませんでした。

児童相談所の「甘さ」、そして「忙しさ」が詩梨ちゃんを死に追いやったのかもしれません。

(6/7追記)
今年4月から、児童虐待に関する全情報を北海道警と道立児童相談所が共有する体制が構築されました。

これに対し、札幌市児童相談所は「前件の情報共有を行わない方針」と報じられていました。

虐待情報全件共有へ 道立児相と道警 早期発見狙う 札幌市児相は行わず
03/20 05:00

 道内全8カ所の道立児童相談所(児相)と道警は19日、保護者らによる児童虐待に関する全ての情報共有を、新年度中に始める方針を決めた。児相はこれまで道警への情報提供を深刻な外傷があるなどの重大事案に限っていたが、全件に対象を広げることで連携を強化し、虐待の早期発見につなげる狙い。一方、札幌市児相は、全件の情報共有を行わない方針。

 保護者らによる児童虐待死事件が相次いでいることを受け、厚生労働省は昨年7月、全国の児相に対し、警察との情報共有を進めるよう通知した。厚労省によると1月末現在、児相と警察が全件で虐待情報を共有しているのは、大阪府や愛知県など9府県と名古屋市。

 道と道警は、増加する虐待に対応するには全件での情報共有が不可欠と判断し、昨夏から協議を始めた。情報の共有は、道立8児相が把握した虐待内容や家族構成などを、月に1度道に集約し、データを道警に送る方向で検討している。

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/288107

本件では警察官が交際相手から事情を聞き、「緊急性は認められない」と児相へ伝えていました。一定の情報共有は出来ていたのでしょう。

しかし、警察から情報を提供された児童相談所は独自に家庭訪問等を行いませんでした。その間に虐待・育児放棄が悪化し、詩梨ちゃんは衰弱死しました。

児童相談所が継続的にフォローし、保育所への登園を促していたら防げた事件だと感じています。

(6/8追記)
児相に対して北海道警が「母子との面会に同行しないか?」と誘ったのですが、児相は「対応できる職員がいない」と断ったそうです。

 札幌市の池田詩梨(ことり)ちゃん(2)が母親と交際相手の男から暴行を受け衰弱死した事件で、北海道警が5月に母子と面会した際、札幌市児童相談所が同行を提案されながら、人手がないことを理由に断っていたことが、児相への取材で判明した。面会していれば虐待を確認できた可能性もあり、児相担当者は「本来なら行くべきだった。警察に任せてしまった」と説明した。

 道警によると、5月12日に近隣住民から「子どもの泣き声がする」との110番があった。道警は自宅を訪れたものの詩梨ちゃんと会えなかったため13日、児相に「虐待の疑いあり」と通告。14日になって母子と15日夕に面会することが決まったため、児相に「母子と面会するが、同行するか」と連絡した。その際、児相側は「担当者が別件を抱え、対応可能な職員がいない」と断った。

 道警は15日の面会で、詩梨ちゃんの頰にあざがあることや、足の裏にばんそうこうが貼られていることなどを確認。しかし、傷害容疑で逮捕された母親の飲食店従業員、池田莉菜容疑者(21)=札幌市中央区=が「ヘアアイロンを踏んだのでばんそうこうを貼っている」などと説明したため、虐待ではないと判断した。児相も道警から連絡を受け、同様の判断をしたという。 (以下省略)

https://mainichi.jp/articles/20190608/k00/00m/040/225000c

非常に多くの案件を抱える児童相談所の忙しさは十分に理解できます。

しかし、その忙しさによって池田詩梨ちゃんを保護する機会を逃してしまったかもしれません。

児童相談所の不作為は批難に値するでしょう。一方、その忙しさを解消しない限り、同種事例は繰り返して発生します。