保護者の知人である男2人が立川市立第三小学校へ侵入及び教職員に暴行を加えた容疑で逮捕されてから、一夜が過ぎました。

【ニュース・5/9追記】保護者が学校でいじめ相談・決裂→呼び出した男2人が校内で暴行→教職員5人がケガ 立川市立第三小学校(時系列あり)

事実関係が少しずつ明らかになると共に、腑に落ちない点も浮上しています。

1-2時間目の授業時間帯に保護者対応

まずは保護者と担任との相談時間です。9時15分から10時15分まで行われました。一般的な小学校の時刻表に照らすと、1時間目の途中から2時間目の終わり頃に相当する時間帯です。

小学校の先生は多忙です。教科担任や副担任の導入によって空き時間もありますが、朝は授業準備・宿題の丸付け・欠席者への連絡等に追われています。

児童間のトラブルは昨日生じたと報じられています。早急な保護者対応が必要だと判断したのでしょう。

とは言え、1時間目と2時間目の授業を行わずに保護者対応を行うのは異例だと感じました。クラス担任がたまたま2時間続けて授業を受け持っていないとは考えにくいです。保護者対応の為に授業担当を他の教員と代わった可能性があります。

正門脇の通用門の「かんぬき」に外から手が届いた

より驚かされたのは通用門の施錠方法です。正門脇にある通用門はかんぬきで固定されており、外部から容易に外せたそうです。

 同署が校内に設置された防犯カメラを確認したところ、男2人が事件の約10分前、同小にタクシーで乗りつけ、正門の車両用扉の脇にある通用扉を開けて、敷地内に侵入していたことが判明した。扉にはかんぬきがあったが、外すことができた。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20250509-OYT1T50090/

下記画像の青色の門が通用門です。陰から午前9時~10時頃の映像だと考えられますが、正門は開けっ放しになっています。門の向こうにある渡り廊下から校内へ侵入したと考えられています。

大阪では考えられない杜撰さです。

我が家がお世話になっている小中学校や保育園は、児童生徒が登降園・登下校する時間帯以外は常に施錠されています。所用がある際はインターホンを押し、児童生徒の所属と氏名と用件と伝え、職員室からの遠隔操作で解錠してもらっています。業者や来訪者等も同じです。

施設内から外部へ出る人間がわざわざ職員室に解錠を依頼するのも手間が掛かるので、門の近くには解錠用のボタン等が設置されています。門の隙間から手を伸ばしても届かない、少し離れた場所にあります。

門には防犯カメラも設置されています。インターホン越しの映像も含め、恐らくは録画・記録されているでしょう。門を無理に乗り越えようとしたら、警報装置が作動するかもしれません。

大阪にある小中学校等での警戒が厳しくなったのは、2001年に発生した大阪教育大学附属池田小学校事件がきっかけだったと聞きます。

以降も様々な事件が起こる度に警戒が厳しくなり、ここ数年は児童生徒が出入りする時間帯を中心に業務支援員(スクールサポートスタッフ)が門付近に立って挨拶等をしています。

功を奏したのは、数日前に大阪市立千本小学校から下校する児童の列に車が突っ込んだ事件でした。

【ニュース・追記中】「全てがイヤに」大阪市立千本小学校の2・3年生に車が突っ込む、6人軽傷・1人重傷 殺人未遂で男を逮捕

衝突直前に業務支援員が児童へ「端に寄って!」と叫ぶと共に職員室へ緊急連絡をし、更に自動車内にいる男を引きずり出して拘束しました。

立川市立第三小学校へ侵入した男は酒に酔っていました。通用門が適切に施錠されていたら、その時点で諦めたかもしれません。酔っ払いが門をよじ登るのは難しいです。

結果的には「怒鳴り込んだ酔っ払いが暴れた」という、繁華街等では頻繁に生じている事件でした。ただ、暴れた場所は多くの児童が集う学校でした。

もしも酔っ払いでは無く、何らかの意図と凶器を持った人間だったら、言葉で表せない惨事が起きていました。