立川市立第三小学校へ侵入して暴れた男2人が現行犯逮捕されました。「学校へいじめ相談に訪れた児童保護者が呼び出した」と見られています。

時刻行動
5月7日女子児童と別の女子児童の間でトラブルが生じた。
9:00頃相談の為、女子児童（2年1組）の母親が学校へ訪れた。
9:152年1組の担任（男性）と保護者が職員室隣の会議室で面談をした。母親は「子ども同士のトラブル」「いじめ」と主張している。
10:15面談はまとまらなかった。校外へ出た母親が友人（46歳男性）に連絡した。
立川駅前の居酒屋で飲酒していた46歳男性と27歳男性がタクシーで学校までやってきた。手には焼酎の瓶を持っていた。
11:00頃保護者が男2人が正門脇の通用門（外から外せるかんぬき有・警備員なし）から学校へ侵入した。男2人は校舎と体育館をつなぐ渡り通路を経て、2年1組の教室へ侵入した。
教室には児童32人と教員2人がおり、図工の授業を行っていた。児童は床で絵の具で絵を描いていた。
「○○（トラブル相手の女子児童の名前）はいるか？」と叫ぶ男2人に担任が応対しつつ、児童に避難を呼びかけた。
46歳男が酒瓶を叩き付け、2年1組の先生を椅子で殴った。先生は鼻から出血した。騒ぎを聞いて駆けつけた校長先生を27歳男が廊下で殴った。
体育館へ逃げる児童に副校長や教職員が気づき、2年1組担任から男性を引き離した。
教員は職員室は移動して施錠し、警察へ通報した。
男2人が職員室のドアの窓ガラスを割り、職員室の中へ入ってきた。
2年2組の先生から「2年1組の部屋に不審者がいる。2年2組は出入口を机で塞いでいる。」、副校長から「1階の廊下で男2人が暴れている。先生1人が殴られた。」と110番通報がありました。
11:101年生の先生が6年生の教室へやってきて「不審者がいる」と連絡、教室を施錠した。
教室のドアの前に机でバリケードを構築した教室もあった。
校長等が呼びかけて男2人を職員室隣の会議室へ誘導し、教職員3人で取り押さえた。取り押さえる際に教職員複数名がケガをした。
11:20頃男2人が警察官に現行犯逮捕された。
11:25校内放送で「不審者が来た」という連絡があった。
11:45校内放送で「児童にケガはない」「給食後に保護者引渡で下校する」との放送があった。
12:00頃児童が給食を食べ始める。保護者には「給食後に引き渡します。」と連絡があった。
13:00過ぎ迎えに来た保護者に児童を引き渡し始めた。
5/9通常授業を再開した。女子児童2人は登校しなかった。

「学校内への不審者の侵入」で思い出されるのは、2001年に発生した大阪教育大学附属池田小学校事件です。児童8人が死亡、児童・教職員15人が重軽傷を負いました。

男2人は学校と無関係ではなく、児童の保護者の知人だと報じられています。とある女子児童の保護者が話し合いの為に学校へ訪れたものの話がまとまらず、加勢の為に男2人を呼び出したと見られています。呼び出された2人は物理的な方法によって加勢しました。

保護者が学校へ相談に訪れるのは日常茶飯事です。私も学校の先生としばしば相談します。話がまとまる事もあれば、まとまらない事もあります。が、誰かに助力等を求めた事はありません。

理由は定かではありませんが、到着した男2人は職員室等で暴れました。多くの学校は無関係の人間は校内へ立ち入れませんが、何らかの方法で学校内に入り込みました。

その後は2年1組の教室へ移動し、先生に暴行を加えました。どうして2年1組に侵入したかはまだ報じられていませんが、何らかの意図等があったのかもしれません。女子児童と2年1組の関係が問題となります。

男2人が学校へ侵入した後の対応はスムーズだったと感じました。恐らくは日頃から不審者対応訓練を行っていたのでしょう。バリケードの構築等は訓練なしではなかなか思いつきません。

しかし、男2人が学校へ侵入した点は重く受け止めて欲しいです。侵入できなければ、こうした事件は起きませんでした。

また、女子児童の母親の相談内容と学校側の対応も検証が必要です。仮に不誠実な対応を行っていたら、保護者が不満を蓄積させるのは当然です。だからと言って友人2人を加勢に呼び出すのは不適切です。

非常に酷な話ですが、母親の友人2人が逮捕された女子児童は明日から登校するのは難しいかもしれません。本事件に関する直接的な責任は女子児童にはありませんが、周囲は「事件の遠因」と感じます。無関係であれば、今後も女子児童が登校できる対策が必要となります。

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