(転落したと考えられる地点、グーグルストリートビューより)

夜遅くに自宅の網戸を破り出たと思われる1歳男児が用水路に転落死する事故が起きました。事故当時は両親が在宅していましたが、無断外出に気付いたのは夜11時頃でした。

6日夜、兵庫県丹波市で1歳の男の子が用水路で浮いているのが見つかり、その後死亡が確認されました。自宅のリビングにある網戸には子どもが通れるほどの大きさの破れた箇所があったということです。警察はその破れた箇所から男の子が1人で自宅を出たとみて当時の状況を調べています。

6日午後11時すぎ、丹波市氷上町で「子どもが家からいなくなった」と警察に通報がありました。警察が捜索したところ、通報から約30分後に自宅から約50m離れた水深約40~60センチの用水路で、中野隆凱ちゃん(1歳9か月)が浮いているのが見つかり、意識不明の重体で病院へ搬送されましたが、その後死亡が確認されました。

隆凱ちゃんに目立った外傷はありませんでした。

警察によりますと、家族らで食事をした後に片付けをしていたところ、リビングにいた隆凱ちゃんがいなくなっていることに気が付いたということです。

警察へのその後の取材で、自宅のリビングの網戸には子どもが通れるほどの破れがあったことも確認されたということです。

また、現場近くの防犯カメラには隆凱ちゃんがひとりで歩いているのが映っていたことなどから、警察は隆凱ちゃんが網戸からひとりで外に出たあと、誤って用水路に転落したとみて調べを進めています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4ae7a5b0f8e70ee21cb001636e2441de21b38af8

 6日午後11時10分ごろ、兵庫県丹波市氷上町香良の民家から「30分ほど前に子どもが家からいなくなった」と県警丹波署に通報があった。駆けつけた署員が付近を捜索すると、約50メートル離れた用水路で男児(1)が心肺停止の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。署は男児が転落した可能性もあるとみて、事件と事故両面で調べている。

 署によると、男児は両親と6カ月の弟の4人暮らし。いなくなる直前には、知人女性を含めた5人で家におり、母親と女性が食事の後片付けをしていたという。近くのコンビニの防犯カメラには、付近を1人で歩く男児の姿が映っていた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/bcb35eb455db5ac4365437bc6384381a1077b69c

お悔やみ申し上げます。

転落したのは、コンビニの駐車場脇を流れる用水路でした。路上を歩く姿が「丹波の森街道」沿いにあるコンビニの防犯カメラに撮影されていました。

周囲は田んぼが広がっている地域です。住宅等はわずかしかありません。

用水路の脇は雑草が生い茂っていて、柵などはありません。大人が日中に歩いていても、時に足を滑らせてしまう事もありそうです。1歳児は簡単に転んでしまいます。

道路沿いに照明は疎らにしかありません。用水路付近にはコンビニの明かりはあまり届かず、事故が起きた当時は闇に包まれていたでしょう。足下は真っ暗です。大人でも怖くて歩けません。

男児が自宅を抜け出したのは昨晩の遅い時間でした。一家4人と知人女性の計5人で自宅におり、母親と女性が片付けている隙に網戸を破って抜け出したと考えられています。暑くも無く寒くも無いこの季節は、網戸から心地よい空気が流れてきます。

個人差はありますが、歩ける年齢の1歳児は夜9~10時頃には就寝します。普段は母親が添い寝している筈ですが、当日は知人女性と夕食の片付けをしていました。

子供は環境の変化に敏感です。特にいつもは一緒にいる筈の母親が傍にいなければ、狂った様に探し回る子供もいます。とは言え、同じ自宅に母親は滞在していました。自宅内を歩き回って母親を見つけるか、泣き声に気付いた母親が駆け寄るのが一般的でしょう。

しかし、知人と片付けをしている母親が子供がいない事に即座に気付きませんでした。1人で屋外に出てしまう癖があったならまだしも、そうした癖がなければ1人で歩いて外出してしまう事態はなかなか思いつきません。

——-
(追記)
 男児はいなくなる直前までリビングにいたそうです。普段は両親どちらかが接して過ごしているでしょうが、事故当日は知人女性と食事の片付けをしていました。
——-

父親の行動も気掛かりです。母親が片付けているのであれば、その間は父親がきょうだいと一緒に就寝するでしょう。熟睡していて気付かなかったのでしょうか。生後6か月の弟がいるので、子供だけで就寝させるのは避けたい筈です。

1歳児は怖い年齢です。少しでも目を離すと、思わぬ方向に勝手に歩いて行ってしまいます。屋外ではベビーカーに乗せてたり手を繋いだりしていますが、自宅内ではついつい油断してしまいます(代わりに物に手を伸ばすのを警戒しますが)。

この事故はいわゆる「マンションの窓からの転落死」と類似点が多いです。開いている窓から屋外に転がり出てしまうのはそっくりです。上層階から転落するか、1階から抜け出した先で事故に巻き込まれるかの違いです。

考えられる対策は、子供1人で勝手に窓を開けられない様にする仕組みです。窓が一定以上に開けられない「補助錠ロック」が市販されています。

用水路の対策も必要ですが、農村地帯の用水路全てに柵などをするのは難しいです。「子供から目を離さない」「子供が1人で外出できない自宅」が重要です。