大阪市西成区役所で保育料の請求ミスが発生していました。
幼稚園に通っている第1子を認可外保育施設へ通園していると誤認した結果、第1子扱いされた第 2子の保育料を全額請求していました。不思議な事に、第2子保育料無償化が導入された昨年9月以降の保育料も全額請求していました。
1 概要と事実経過
保育料の算定については、令和6年9月の制度改正以前は、第2子の保育料は半額に軽減されていました。ただし、年収360万円以上相当の世帯においては第1子が小学生以上の場合や、認可外保育施設等に入所している場合は、第2子は第1子扱いとなり、保育料は半額になりません。また、令和6年9月の制度改正以降については、世帯の所得や第1子の年齢、入所施設の種別にかかわらず、第2子以降の保育料は無償となります。
令和7年2月27日(木曜日)に第1子が区外の私立幼稚園(以下「当該幼稚園」という。)に通い、第2子(以下「当該児童」という。)が区内保育園に通っている方(以下「A氏」という。)から、こども青少年局幼保施策部幼保企画課(以下「こども青少年局」という。)あてに、当該児童の保育料に誤りがあるのではないかという旨の問い合わせがありました。
こども青少年局からの連絡を受け、当区の担当者が当該児童の保育料の決定状況を確認したところ、A氏の第1子は令和6年4月以降、当該幼稚園に通っているため、令和6年5月分以降の保育料について、令和6年8月分までは半額とし、令和6年9月分以降は無償とすべきところを、全額賦課として決定していたことが判明しました。
2 影響額
保育料 277,400円(令和6年5月~令和6年12月分)
(中略)4 発生原因
当区において、令和6年5月分以降の保育料を決定する際に、当該児童を第2子として半額とすべきところ、第1子が通う当該幼稚園を認可外保育施設等であると誤認し、総合福祉システムの入力を誤った結果、当該児童を第1子扱いとして、保育料を全額賦課として決定しました。また、令和6年9月の制度改正時に、当該児童を第2子として無償とすべきところ、この時点においても総合福祉システムへの上記の入力誤りに気付いていなかったため、引き続き当該児童を第1子扱いとして、令和6年9月以降の保育料も全額賦課として決定しました。
さらに、決定内容について複数人でチェックを行っていたものの、確認した職員も同様に誤った認識をしていたため事務処理誤りに気付くことができませんでした。
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/nishinari/0000648365.html
一読するだけでは事案を理解しにくいので、表へ落とし込みました。
第1子 | 第2子 | ||
通園先 | 区外の私立幼稚園(西成区は認可外保育施設と誤認) | 区内の保育園 | |
第1子に対する区役所の認識 | – | (誤)認可外保育施設へ通園 | (正)私立幼稚園 |
カウント | 第1子 | (誤)第1子扱い | (正)第2子扱い |
令和6年5月~令和6年8月 | 全額 | 全額 | 半額 |
令和6年9月~ | 全額 | 全額 | 無償 |
大阪市は令和6年8月までは第2子の保育料が半額に、9月以降は無償となっています。ただ、第1子の年齢や通園先等といった様々な条件が設定されています。
今回のミスが発生した原因は、第1子の通園先を誤認していた点にあります。ポイントは「区外」の「幼稚園」です。
各区の保育担当者は区内の幼稚園や保育所等の名称は認識していると考えられます。様々な施設とやりとりや問い合わせがあり、名称や所在地等は自然と覚えてしまう筈です。事業会社で取引先等の名称を覚えるのと同じです。
しかし、区外の施設となると話が変わります。一般的に区外の保育所等とのやりとりは殆どないと考えられます。ましてや、大阪市でなく大阪府が所感する幼稚園なら尚更です。
馴染みの薄い区外の幼稚園の名称を見て、「認可外保育施設」だと誤って解釈してしまった可能性が高いです。
更に第2子保育料無償化が実施された令和6年9月以降の扱いが不可解です。保育料を決定するシステムがきょうだい関係を認識できていれば、自動的に第1子扱いから第2子扱いへと変更される筈です。しかし、変更されていません。
まさかとは思いますが、もしや「第2子保育料無償化に伴うきょうだいの数え方の変更作業は、システムによる一括変更ではなく区役所職員が手作業で変更している。」という可能性が浮上します。
確かに住民基本台帳に基づく世帯マスタを保育料決定システム(総合福祉システム?)へ落とし込むのは容易ではないかもしれません。数千人以上にも対象者の変更作業を手入力で行うとも考えづらいです。
保育所等を利用している世帯としてはできるのは、「正しい保育料が引き落とされているかの確認作業」です。特に第1子が認可外保育施設や幼稚園へ通っている、第2子保育料無償化によって保育料額に変更が生じた世帯は必須です。
我が家も変更がありました。9月分以降の保育料は引き落としが止まっています。念の為、皆様もご確認下さい。