急速に秋が深まってきました。そして秋は学校選択の時期とも言えます。

一定区域から進学先を選択できる大阪市の学校選択制(令和7年度)は2024年10月31日が締切です。多くの小中学校は学校公開や説明会を開催し、入学予定者の保護者等の来校を促しています。

また、私立高校や公立高校の説明会もこの時期に集中しています。大阪府内の私立高校は秋の実力テストの結果が大まかな合否が定まると言われています。早い生徒は11月中にも進路がほぼ固まります(外部スポーツクラブ経由での推薦はもっと早いという話も)。

保育所等も同様です。大阪市は今週末にも申込内容を公表する予定です(いわゆる中間発表)。この数字を基に、更に別の保育所等を見学する動きが発生するでしょう。

過去に我が家も複数校の学校見学や学校公開に参加しました。授業や説明会等はありきたりです。気をつけてみているのは「廊下や階段」です。

多くの学校の廊下や階段には、様々な物が掲示されているでしょう。児童生徒や来客等、多くの関係者が目にする場所です。ここに掲示されている物は、学校として強く伝えたい事柄だと受け止めています。

とある学校では児童生徒が日々の授業等で作成した多くの作品類(絵画や壁新聞等)が掲示されていました。つい足を止めて見入ってしまいます。学年が上がるにつれて、出来映えは洗練されていきます。上手い下手もあります。

こうした掲示物から「学校は児童生徒の作品類を多くの方に見て欲しい、自信を持っている。」という想いが伝わってきます。中には子供と同じ保育所等を卒園した児童生徒の作品もあり、「あの小さかった子が、今はこんな作品を作れるようになったんだ」という感情が過ぎります。

階段や廊下の目立つ場所に「廊下は走らない」「正しく制服を着よう」「朝ご飯をしっかり食べよう」といった、校則や生活習慣に関するポスター類が目立つ学校もありました。これらが身についていない児童生徒が少なくなく、学校として問題意識を持っていると受け取れます。

ただ、学校の呼びかけだけでは限度があります。お世話になっている学校のとある先生が「学校で何度も指導をしても、家庭の協力が無ければ変わらない。」と嘆いていました。

廊下等で簡単な問題を出題した掲示物(小学校ではなぞなぞやニュース、中学校は英文和訳や理社の一行問題が多い)を張り出している学校もあります。親もついつい考え込んでしまいます。児童生徒の好奇心を刺激し、学習意欲等の向上を図る狙いがあるのでしょう。

各小中学校の学力水準を確認するには、全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果を見るのが最適です。大阪市は各校毎の結果を公表しており、大阪市立学校データベースにて集約しています。

「中学校毎の授業内容に違いは無い」という意見もありますが、どうしても数多くの生徒が属する平均点付近に合わせざるを得ないでしょう。学力水準が低い生徒が多い学校では、成績上位層から不満が出やすいです。

高校ともなると、各教科毎の教官室の前で様々な自主課題を配布している学校もあります。出題レベルを見る事により、その学校の学力水準が分かります。文理学科ともなると、難しい問題ばかりでした。昔は解けた筈ですが、今は無理です。

中学校は進路関係の資料が数多く掲示されています。ある中学校は3年生が利用する階段や廊下の至る所にギッシリと高校のポスターが貼られており、縦横も揃っていませんでした。極めて見づらく、乱雑だと感じてしまったぐらいでした。進路指導室が3年教室から離れた場所にあり、適切な進路が選択できているか疑問に感じたほどでした。

別の中学校では3年生教室の廊下にポスターが縦横を揃えて掲示されており、非常に見やすく感じました。公立高校・私立高校・通信制・大阪府外等にグループ分けされていました。3年教室の近くに進路指導室がありました。廊下にあるレターケースには高校名が記され、中にあるパンフレットは生徒が自由に持ち帰れる仕組みとなっていました。情報が整理されており、パンフレットがいたずらされないという治安の良さも感じました。

清掃や階段の清掃や手入れも気になりやすい部分です。隅っこに多少のホコリが溜まっている程度でしたら目を瞑ります。が、大きなゴミが落ちていたり、壊れた器具備品類がそのまま放置されている(「故障中」「廃棄予定」という張り紙があったとしても)と、「この学校は廊下に粗大ゴミ等があっても平気なんだ」と受け取りました。

また、大阪市には外靴のままで校舎内へ立ち入る「一足制」と、校舎入口や1階廊下等で外靴から上履きに履き替える「二足制」の学校があります。両方の学校を覗いたのですが、明らかに「二足制」の学校の方が綺麗で清潔感がありました。

「一足制」の学校は廊下や教室が誇りっぽく、喉がイガイガするほどでした。雨期は泥が、乾期は砂埃が上がりやすいです。様々な場所に砂が付着しており、「こんな校舎を利用しているのか」と絶句したぐらいです。インフルエンザやコロナウイルス等も流行りやすかったのではないでしょうか。

同じ自治体にあって教員が定期的に入れ替わる学校であっても、教育方針や雰囲気等が大きく違うのには驚かされました。その地域に多く居住している家庭や街の雰囲気に強く影響され、少しずつ各校毎の「色」が着いているのでしょう。

そうした「色」が強く表れているのが、学校の廊下や階段です。学校選びに迷った際は改めて確認して下さい。