大阪市は保育所等の新設を積極的に進めていますが、難航している地域もあります。その一つが福島区福島・鷺洲地域です。8月28日に開催された第21回大阪市待機児童解消特別チーム会議にて取り上げられました。

同地域は梅田を有する北区に隣接し、共働きする子育て世帯からの人気が高いエリアです。

実は何度も新設保育所の募集を行っているのですが、令和2年度以降は応募がないそうです。

以前から高かった賃料がコロナ禍以降の景気回復によって更に上昇すると共に、子育て世代からのニーズも更に強くなっています。その為、保育所に活用できる物件が全く出てこないのが現状だそうです。

https://www.city.osaka.lg.jp/templates/chonaikaigi2/cmsfiles/contents/0000634/634312/21honpen.pdf

私自身もコロナ禍前までは毎年の様に福島区東部で新設保育所の立地を確認していましたが、ここ数年は訪れた記憶がありません。保育所の新設が停滞している認識はありましたが、まさか5年間も無いとは思いもしませんでした。

それらの不利益は子育て世帯が被っています。福島区は大阪市内で最も保育所等へ入所しにくい地域の一つです。特に鷺洲・海老江地区の1-2歳児入所は極端に難しいです。

【2024保育所等一斉入所申込分析】(3)福島区/鷺洲・海老江地区の1-2歳児は極めて厳しい

賃料の上昇及び子育て世帯からのニーズ増加という流れは留まるどころか、更に強くなっています。認可保育所が新設される見込みは、決して高くないでしょう。

たとえ日本社会全体で少子化が急激に進んでも、福島区東部の様な都心部に隣接した地域に対する子育て世帯からのニーズは極めて強固です。入所難は数年、いや十数年後も続いている可能性が高いです。

また、保育所へ入所しにくいとなると、今度は小中学校が飽和します。既に一部の小中学校は狭隘化が進んでいます。中之島小中一貫校が新設されても、状況は大きく変わっていません。