ここ数年の間、内縁の夫と実母によって子供が虐待死する事件を数え切れない程に見聞きしました。再び起きてしまいました。

虐待死した島崎奈桜さん(小学1年生)に暴行を加えて死に至らしめた疑いで母親の内縁の夫たる倉田凱容疑者、及び容体悪化後に医療機関を受診させなかった保護責任者遺棄致死の疑いで母親たる島崎みなみ容疑者が逮捕されました。


 愛知県犬山市の小学1年の女児を暴行し死亡させたとして、同県警は18日、傷害致死の疑いで、母親の内縁の夫である会社員倉田凱(32)=犬山市上野=を、けがを負った女児を放置したとして保護責任者遺棄致死の疑いで、母親のパート島崎みなみ(33)=同=の両容疑者を逮捕した。県警は虐待の疑いもあるとみて、倉田容疑者らが暴行した経緯や頻度などを詳しく調べる。

逮捕容疑では、5月24日午後8時40分~同25日午前7時40分ごろ、倉田容疑者は自宅で島崎奈桜さん(7)に何らかの方法で暴行を加えて内臓に損傷を負わせ、死亡させたとされる。島崎容疑者は奈桜さんが暴行を受けて体調不良を訴えたにもかかわらず、医療機関を受診させるなど必要な措置をとらずに放置し、死亡させたとされる。

県警は両容疑者の認否を明らかにしていない。2人は内縁関係で、島崎容疑者の奈桜さんと3人暮らしだった。

県警などによると、奈桜さんは暴行を受けた後から嘔吐(おうと)や腹痛を訴えたが、その後、岐阜県本巣市の島崎容疑者の実家へ移動。意識不明となって病院に搬送され同月26日午前10時ごろ、死亡が確認された。死因は敗血症性ショック。

関係者によると、奈桜さんは周辺に「もともと岐阜に住んでいたが、保育園の時に母親の彼氏から誘われて犬山に引っ越してきた」と話しており、数年前から犬山市のアパートで倉田容疑者と島崎容疑者と同居していたとみられる。学校には同月24日まで登校していたが、一昨年から昨年にかけ、児童虐待の予防や対応に当たる愛知県の児童相談センター(児相)が計2回一時保護していた。また、犬山市要保護児童対策協議会で扱う対象児童だった。

https://www.chunichi.co.jp/article/929015

事件が起こりうる予兆は数多にありました。

島崎奈桜さんは保育園や幼稚園等に登園している間に2度も一時保護を受けていました。施設や病院等から「虐待の疑いがある」と児相が通報を受け、一時保護に踏み切ったそうです。

一定期間の間に同じ子供が2度も一時保護されるのは決して多くない事例です。一度目の一時保護を解除した後も家庭で虐待等が行われ、再度の一時保護を行わざるを得なかったのでしょう。児相が踏み込んだ対応を行っても虐待が収まりませんでした。

奈桜さんは今年4月から小学校へ通い始めました。虐待に関する情報は児相と小学校で共有されています。担任の先生等を通じてモニタリングを行っています。

暴行による虐待を主導したのは内縁の夫です。「内縁の夫と母親の連れ子」という組み合わせでは虐待事例が頻発しています。もちろん上手くいっている家庭が圧倒的に多いのですが、血の繋がらない子供に内縁の夫が激しい暴行を加えても、母親は見て見ぬふりをするケースが少なくありません。本事件も母親が見て見ぬふりをし、適切な治療等を受けさせませんでした。

児童が2度目の一時保護を解除した理由、及び児相と内縁の夫との関わり方が焦点の一つとなるでしょう。