児童にノートを投げる、暴言を繰り返す等の行為を行ったとして、大阪市立小学校に勤務する教員が停職3か月の懲戒処分を受けました。
29日、大阪市教育委員会は、児童に暴言や威圧行為を行ったなどとして、市立小学校の38歳の女性教諭を停職3か月の懲戒処分としました。
大阪市教育委員会によりますと、女性教諭は、2021年度から昨年度にかけて、クラス担任や少人数指導の授業を担当する中で、児童に対して、ノートを机に投げるようにして返却したり、提出物を見て「字が汚いからやり直し」「なんでこんなん分からへんの」などの言葉をかけたりしたほか、テスト中に回答を書く手が止まった児童に対し「はよ書きや、やる気あんの」など、暴言や威圧行為を繰り返したということです。
これにより、少なくとも5人の児童が「先生が怖い」として通常の教室での授業を拒み、一部の児童は今も別室に登校しているということです。
学校と市教委による調査の結果、少なくとも21人の児童に対する14件の言動が、暴言や威圧行為として認められ、市教委はこの女性教諭を停職3か月の懲戒処分としました。
女性教諭は、市教委の聞き取りに対し「児童による言葉の切り取り」「厳しく指導することもあるが生活学習規範の向上のため。親が過干渉だからこういう訴えが出ている」と話しているということです。
女性教諭は処分が出た29日までクラス担任として勤務し、調査が一定進んだ去年7月からは、監視役として別の教員が付きそう中で、授業などを担当してきたということです。
市教委が年に1回、各学校に対して保護者アンケートをするよう求めていて、2022年度のアンケートで、多くの児童や保護者から女性教諭の威圧的な言動について訴えがあり発覚しました。
市教委は「指導は必要だが、子どもの人権・人格は尊重せねばならない」とし、今後、個別の研修を行うことも検討しているとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e627da5cc07067e1ef1f5abb7a30004aca7cff2b
複数の児童にノートを投げるなど威圧的な行為をしたとして大阪市教育委員会は2月29日、市立小学校に勤務する女性教諭(38)を停職3カ月の懲戒処分にし、発表した。
市教委によると教諭は2021~23年度、少なくとも21人の児童に対し、ノートを投げて返却したり、強い口調で「なんでこんなんわからへんの」などと暴言を吐いたりしたという。
22年度に実施した体罰に関するアンケートに複数の保護者が教諭の行為について記入していたことから、市教委が調査を進めていた。教諭は自らの行為を否認していたが、23年度に赴任した別の小学校でも複数の保護者から同様の訴えがあり、懲戒処分に至ったという。
大阪市教委からの報道発表資料としても掲載されていますが、各メディアはより細かく報じています。
報道発表資料 教職員の懲戒処分について
https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/kyoiku/0000620355.html
「処分に時間が掛かり過ぎ、かつ問題教員を教壇に立たせ続けたのは異常。」というのが率直な感想です。
日付 | 出来事 |
2021年度~2023年度 | 女性教諭の暴言や威圧的行動が確認される。 |
複数の児童が授業を拒否した。 | |
2022年度後半 | 体罰に関するアンケートで複数の保護者が教諭の行為を指摘した。 |
市教委が調査を始めた。が、行為を否定した。 | |
2023年4月 | 別の小学校へ異動し、クラス担任を受け持った。 |
複数の保護者が暴言や威圧的行動を訴えた。 | |
2023年7月 | 監視役として別の教員が付きそいつつ、授業等を担当した。 |
2024年2月29日 | 停職3か月の停職処分が下る。この日までクラス担任として勤務した。 |
教諭による暴言や威圧行為は、少なくとも2021年度から2022年度に掛けて行れました。複数の生徒が教諭の授業を拒否し、一部の児童は現在も別教室へ登校しています。
こうした振る舞いは即座に子供や保護者の間で話題になります。様々なルートを通じて別の先生や学校管理職にも伝わります。
が、この時点で学校が具体的な対応を行ったとは報じられていません。当該教諭からヒアリングを行った程度でしょう。
朝日新聞の記事によると、市教委が問題を把握したのは2022年度に実施された保護者アンケートだとしています。同アンケートは全世帯に配布されるものです。
ただ、記入する内容は子供から聞いた内容が専らです。学校で起きている事を子供が話さなければ、何かを指摘するのは難しいです。
複数の保護者が同じ様な内容を記入していたと言うことは、それだけ多くの児童が暴言や威圧的行為を見聞き・体験した事を示しています。極めて深刻な事態です。
にも関わらず、市教委の対応は生ぬるいものでした。聞き取り調査の上、問題が発生した学校からは異動させたに留まっています。
案の定と言うべきでしょうか。異動先でも問題行動を起こしたのか、僅か3か月後には監視役として別の教員(教頭?)が付き添う事態に陥りました。児童や保護者から強いクレームが付いたと考えられます。
そして市教委から停職処分が下った2月末まではクラス担任を務め続けました。保護者や児童は極めて強い不満を抱き続けた筈です。授業を拒否したり、別の学校へ転校させた家庭もあるでしょう。
一連の行為には、市教委の対応が極めて甘いと感じざるを得ません。問題行動を続ける教諭を3年間も教壇に立たせ続けました。児童は授業に集中できず、保護者は児童の体調等を気遣う毎日が続きました。
甘さは「指導は必要だが、子どもの人権・人格は尊重せねばならない」というコメントに尽きます。「尊重せねばならない」のは当たり前です。「子供の人権・人格を傷つけるのは言語道断。厳しい処分を行う。」とコメントすべきでした。
市教委は今後も甘い対応を続ける予定です。「指導は必要」とし、個別の研修を行うことも検討しているそうです。もう指導は不要でしょう。教育現場から立ち去らせるべきです。
保護者や児童からは2度もレッドカードが突きつけられました。