大阪市立小学校の体育館に空調設備が設置される見通しとなりました。

 大阪市の横山英幸市長は1日午後、災害への備えとして大阪市立の全ての小学校(約280校)の体育館に、エアコンを設置する方向で調整していることを明らかにしました。
 
 発災から1か月となった能登半島地震では、学校の体育館などでの避難生活が長期化しており、避難所の環境整備や避難者の健康維持が大きな課題となっています。

 こうした課題を受け、大阪市の横山市長は、「小学校の体育館は災害時に避難所として重要な役割を果たす。環境整備を速やかに行う必要がある」として、大阪市立の全小学校の体育館にエアコンを設置する方針を明らかにしました。

 大阪市教育委員会によりますと、全ての市立小・中学校の教室や、全ての市立中学校(約125校)の体育館には、すでにエアコンが設置されていますが、小学校の体育館には、これまで設置されていませんでした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d58207b0b783f43cc676f095cdac785d771f9d7b

方向性は歓迎しますが、遅すぎる判断でした。

以前から子供から「夏場の体育館が暑すぎる」という話(小言)を聞いていました。その為、夏場の体育館では大型の送風機や扇風機がフル稼働しています。

上記記事にある通り、既に市立小学校の普通教室には空調が設置されています(2017年頃だったと記憶)。また、大阪市立中学校の体育館には既に設置されています(冷房機能だけかも?)。

冬場の体育館も冷え込みますが、小中学生が活動する限りに於いては大きな支障はない様子です。体育の授業では長袖・長ズボンの運動着を着用し、しっかりと身体を動かしています。

冬場に発表会等を行う際は、体育館の四隅にストーブが設置されていた記憶があります。保護者には「膝掛け等をご持参下さい」とのアナウンスもありました。

学校として有り難いのは「夏場の冷房機能」でしょう。

一方、横山市長が設置する理由として掲げたのは「避難所の環境改善」でした。子供の学習環境よりも、(主として高齢者が過ごす)体育館の避難所機能を重視したのがやや残念です。

契機の一つとなったのは公明党大阪市議団の緊急要望でした。

能登半島地震では避難所の寒さが問題視されています。しかし、大阪で懸念されるのは「避難所の暑さ」です。

南海トラフ巨大地震が真夏に発生すると、炎天下に晒されている体育館に多くの住人が避難します。気温は明け方でも30度弱までしか下がらず、体育館は人体が発する熱気で更に温められます。熱中症等で命を落とす人が続出する可能性が高いです。

また、停電時への備えも必要です。空調が設置されても、停電で使えなければ意味がありません。様々な送電網が入り組んでいる大阪市内は停電が起こりにくい(発生しても早期に復旧する)と認識していますが、一夜であっても酷暑を耐えるのは辛いです。

市立小学校の体育館への空調設置は大阪市会のほぼ全会派が賛成するでしょう。大きな異論が無く、関連予算や工事が進行すると考えられます。「万博で使用した空調設備を体育館で再利用しよう」という迷案が心配です。