今年4月に行われた全国学力・学習状況調査(2023年)につき、多くの市町村の結果がウェブサイトに公表されています。それらから点数を集約し、一覧表形式にしました。

赤が全国平均を上回る、黄色が大阪府平均を上回る部分となります。

小学生は半数弱の市町村が全国平均を上回っています(点数を公開していない豊中市も全国平均を大幅に超えている)。ここ数年は大阪府の学力水準の低さが強調されていたので、この結果は想定外でした。

特に島本町の結果は全国平均を大きく上回っています。同町は大阪にも京都にも通勤できるベッドタウンです。教育環境を重視する子育て世帯が多く移り住んでいると聞きます。

そして遂に大阪市の平均点が大阪府を上回りました。史上初かもしれません。小学校の先生は熱心かつ小まめに教えて下さり、こうした結果が出なかった事が不思議なぐらいでした。

一方で中学校となると、多くの市町村の平均点は大幅に下がります。全国平均や大阪府平均が9点強ほど低下しているのに対し、大阪府は10点以上も低下している市町村が目立ちます。

急激に落ち込んでいるのは泉大津市・貝塚市・岸和田市・門真市です。中でも泉大津市は小学校で全国平均を上回っているにも関わらず、中学校は大阪府平均すら大幅に下回っています。「急落」としか言えません。

岸和田市は小学校で大阪府平均を大きく下回っており、中学校で更にその差が広がっています。地元の大阪府立岸和田高校の進学実績が奮わない一端かもしれません。

反対に一部の市町村は中学校で全国平均との差を広げています。枚方市・茨木市・交野市・島本町・大阪狭山市が一例です。多くは小学校で全国平均を超えており、中学校で更に躍進しています。

中でも交野市は小学校が全国平均を下回っていますが、中学校は全国平均を上回っています。学力向上に向けた中学校での教育が上手く行われているのでしょう。

中学校の学力水準は授業の水準、そして高校受験に直結します。

一般的に学校の授業は中ぐらいの成績の生徒に合わせて行われると聞きます。学力水準が低い市町村・学校であれば、「中ぐらいの成績」さえ低くなってしまいます。

こうした情報の開示は「序列化に繋がる」という反対意見もあります。が、保護者の立場としては市町村や学校の現状が知れる、極めて重要な資料です。要注目です。