千葉県八千代市にある私立保育所から保育中の2歳園児が抜け出し、数十メートル離れたコンビニで保護された事件がありました。
八千代市の私立保育園で13日に、園に通う2歳男児が一時園外に1人で抜け出していたことが18日、千葉日報社の取材で分かった。男児は園から数十メートル離れたコンビニで保護され、抜け出してから約20分後に連絡を受けた保育士が迎えに行って無事だった。市によると、園庭から出る門の鍵の閉め忘れが原因という。同園は男児が一時抜け出したことを認めており、市の担当者は「子どもの命に関わる事象として重大に受け止めている」としている。
市によると、男児が園を抜け出したのは13日午前10時45分ごろ。園庭で遊んでいた複数人のうち、2歳男児1人が園外に抜け出した。当時は園児約10人を保育士3人が見ていたという。
男児が交通量の多い道路にいたところ、近隣住民らが付き添って横断。コンビニに入ったのに気付いた住民が不審に思い、園に連絡した。保育士がコンビニに迎えに行って男児を保護。園は連絡を受けるまで男児がいなくなったことに気付かなかったという。
園は取材に「あってはならないこと」と男児が園を抜け出したことを認め、閉め忘れが起きにくい鍵に付け替えるなど再発防止策を徹底すると説明している。
事故等に巻き込まれなかったのが不幸中の幸いです。小さな男の子が1人でいる事を不審に思った近隣住民が付き添い、園に連絡しました。
1つの焦点となるのはカギのタイプでしょう。我が家がお世話になっている保育所では、園扉のカギは大人しか外せない高さに設置されています。登降園する際に保護者がカギを外し、出入りする物です。
それに加え、登降園が一段落した時間帯(10時~15時頃)はオートロック式となります。保護者がカギを開けただけでは門扉は開きません。インターフォンで園に来訪の旨を伝え、職員が主導でオートロックを解除します。
こうした仕組みであれば、誰かが園扉を開けっ放しにする(=オートロックが働かない)状態を除けば、園児が扉から抜け出す事はほぼ不可能です(遅れて登園した保護者が出入りする隙に抜け出す事までは防げない)。
もう1つは抜け出しに気づくまでの時間です。園児が抜け出して十数分が経っても、保育士は誰かがいない事に気づいていませんでした。園内だから所在確認等を行う必要はないと判断したのかもしれません。
が、園内でも重大な事故は起こり得ます。押し入れにて変わり果てた姿で見つかった上尾保育所事件は典型例です。
2歳児約10人を保育士3人で見ているのは一般的です。保育士の誰かが園扉側で見守り、扉付近の行動に気を利かせるべきだったでしょう。
付け加えるならば、保育士不足も影響しているかもしれません。園児を見守る手や目は多ければ多いほど良いです。園児にトラブルがあって保育士が離れてしまうと、保育士2人で園児9人を見守る事になってしまいます。目が行き届かなくなる場面が出てきます。
技術と人間、両方の手段を上手く活用するのが大切です。