ここ最近、何度か「中学受験はするの?しないの?」と訊ねられる機会がありました。

実は中学受験をするかしないかは、小学校に入学した直後からずっと迷っていました。

検討に検討を重ねた結果、「中学受験はしない」という結論に至りました。下調べしたところ、「何か違う」という感覚を抱きました。

メリットが肌感覚で分からない

中学受験するメリットはどこにあるのでしょうか。私は田舎の公立中学・高等学校を卒業したので、肌感覚では全く分かりません。偶々かもしれませんが、公立校でもそれなりに過ごせた記憶があります。

しばしば「中高の6年間に受験が無いのがメリットだ」と言われますが、代わりに小学4年~6年は受験を意識した生活となってしまいます。

夕方遅くや夜に大手学習塾の前を通りかかると、塾を出入りする小学生の集団を見かける機会がありました。時には夜10時前に見た事もあります。

肯定も否定もしませんが、「小学生がこんな夜遅くまで塾で勉強とは」というのが率直な感想です。のびのびと生活できるのが小学生の利点なのに。

過去問に違和感

書店で各中学校の過去問を確認しました。私自身は中学受験を経験していないので、入試問題をじっくり見るのは初めてです。

率直な感想は「こんな問題を小学6年生が解くの?!」「細かすぎる!!!」でした。

私が大昔に大学受験した際に解いた受験問題や練習問題等と比べても、余りに細かすぎる問題でした。大学入試問題の方が簡単なぐらいです。

強い疑念を頂いたのは、細かすぎる問題を解いた先が見えなかった事です。難解な問題で児童生徒を選抜する必要性は認めますが、こうした能力を発揮する場が思い浮かびませんでした。

大学入試で要求される知識等は、入学後や社会生活で必要とされる物が多いと感じています。入試は語学で苦労し、入学後も同じ様に語学で苦労しました。

コロナ禍で見学難航

私立中学を受験するのであれば、その前に各校の説明会に参加したり、学校内を見学したいと考えていました。しかし、コロナ禍により、そうした機会は大幅に縮小してしまいました。

実際の姿を見聞きできなければ、モチベーションは上がりません。冊子やウェブサイトだけでは雰囲気が伝わってきません。

最も小まめに情報収集を行えば、何らかの機会を見つけられたでしょう。しかし、そこまで行う時間や労力を割けませんでした。

経済力も狂気もない

君たちが合格できたのは父親の「経済力」そして母親の「狂気」』とは、中学受験を題材としたコミック「二月の勝者」で最も有名なフレーズです。

残念ながら我が家には経済力も狂気もありません。

経済力は深刻な問題です。塾費用や中学校の学費等は想像できるのですが、学費以外の諸経費が全く想像できません。願書等に記載されている経費一覧以外にも、様々な費用が必要なのは理解できますが、いつどれだけ必要なのかが肌感覚として分からないのです。

子供や親同士の付き合いにも費用が掛かります。私立中学校へ進学する家庭同士なので、相当の金額が必要となるでしょう。交際費は頭が痛い問題です。

上の子だけなら何とかなるかもしれません。しかし、下の子は難しいです。上の子は私立中学校に行かせながら、下の子には「お金が無いから無理」とは到底言えません。

同じく狂気もありません。毎日の様に自宅で勉強させる、塾の送迎を行う、作った弁当を持たせる、私立中学校を見学する等、とてもこなせません。日々の生活で精一杯です。

公立中への不安…あります

不安は公立中学校にもあります。

中学受験で上位層が抜ける、内申書、教員の当たり外れや質、部活動、悪い仲間等、無数に数え出せます。

小学校とは違い、親の目はなかなか届きません。教科担任制となるので、学校との関係も希薄となるでしょう。複数の小学校から進学するので、子供同士の人間関係も見えにくくなります。

授業や学習指導も不安です。公立中学校は学力差が非常に広いでしょう。公立高校文理学科への進学を考える層や、勉強するのを諦めて遊んでいる層が同じ教室に混在していると聞きます。

学校の先生はどこに合わせて授業を行うのでしょうか。学校の授業で足りなければ、塾通いを考えざるをえません。どこかのタイミングで学習塾に通うべきなのは覚悟しています。