全国屈指の感染蔓延地帯となっている大阪市では、保健所が有効に機能していません。感染者が余りに多く、マンパワーが全く追いついていません。
松井市長は「高齢者施設でのクラスターを把握できていない」とコメントしました。
大阪市の松井一郎市長は15日、新型コロナウイルスの感染者急増に伴い保健所による疫学調査が追い付かず、1月以降、高齢者施設でのクラスター(感染者集団)の発生状況について実態を把握できていないと市役所で明らかにした。
市によると、今月9日時点で、市内の高齢者施設95カ所で計1096人の陽性者を確認しているが、クラスターがあるかどうかは把握できていない。保健所は、感染者が増える中、陽性者を重症化させないため日々の健康観察に重点を置いて対応しているという。
松井氏は「疫学調査が追い付いていない。施設との連絡は全て付いていて、入院調整はできている」と強調した。
これだけではありません。学校・幼稚園・保育所等で発生したクラスターも把握できていません。毎日大阪府から発表される日々の感染状況に、大阪市内で発生したクラスターが全く含まれていません。
のみならず、高齢者施設からの入院調整も難航していると聞きます。容体が悪化した高齢者を施設で治療・看取りしているのが実態です。
医療非常事態の大阪 高齢者施設で続々と感染が…壮絶!クラスターに挑む医師たち。
https://cdn.tv-osaka.co.jp/yasashii/news/?p=38534
育児休業からの入所・復職期限は?
そうした中、2022年4月入所まで残り1カ月半余りとなりました。多くの児童施設でクラスターが続々と発生している中、新たに入所するのに躊躇いや戸惑いを感じている人は少なくないと思います。復職を先延ばしにし、もう少し家庭で様子を見たい方もいるでしょう。
緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出された際、大阪市は保育所等への入所に係る復職期限を延長した事がありました。
新型コロナウイルス感染症に伴う保育所・認定こども園・地域型保育事業の対応について
https://www.city.osaka.lg.jp/kodomo/page/0000499996.html
原則は入所月の末日までの復職を求めていますが、宣言や重点措置が解除された翌月末日まで延長した事例を拾い上げました。
波 | 宣言・重点措置期間 | 入所時期 | 復職期限 |
第1波 | 宣言R2.4.7~R2.5.22 | R2.4.1 / R2.5.1 / R2.6.1 / R2.7.1 | R2.7.31 |
第2波 | なし | – | – |
第3波 | 宣言R3.1.14~R3.2.28 | – | – |
第4波 | 宣言R3.4.25~R3.6.20 | R3.4.1 / R3.5.1 / R3.6.1 / R3.7.1 | R3.7.31 |
第5波 | 宣言R3.8.2~R3.9.30 | R3.9.1 | R3.10.31 |
第6波 | 重点措置R4.1.27~R4.2.20 | R4.1.1 / R4.2.1 | R4.3.31 |
全ての宣言等が対象ではありません。大阪市内の感染者が著しく多かった時期に適用されています。
では2022年4月入所はどうなるのでしょうか。昨年や一昨年の事例を踏まえると、「大阪市内の感染状況が悪く、4月に宣言や重点措置が発出されていたら、4月入所に係る復職期限は5月末以降に延長される」と推測できます。
具体的に言うと、現在発出されている重点措置が4月1日以降に再延長(3月までの延長は確定的)されれば、復職期限も同様に延長される可能性が強いです。家庭保育の要請が延長されるのであれば、復職期限との整合性を図る必要があります。
なお、復職期限が延長されたとしても、職場との調整や育児休業給付金の受給は別の手続が必要となります。いろいろとややこしいですね。
お世話になっている保育所では、オミクロン株による大規模な休園は避けられています。感染者の発生や一部クラス単位での休業に留まっています。
その代償として、クラスを跨ぐ遊びや行事等は皆無に近くなってしまいました。致し方ないとは言え、活動の幅の狭まりを痛感しています。