やはりと言いますか予想通りと言いますか、待機児童問題は解消されない見通しです。

 政府は28日、2015年度からスタートする子ども・子育て支援新制度に関する会議を開き、15年度から5年間の保育ニーズと保育所、幼稚園などの整備計画を提示した。政府が待機児童解消を目指している17年度に、3~5歳児については受け皿を確保できるものの、保護者のニーズが強い0~2歳児に関しては全国で4万6000人分が不足する見通しだ。
 政府は、全国の市町村による保育ニーズ調査と整備計画を集計した。それによると、17年度に保育が必要な0~2歳児は116万人に上る一方、預かることができるのは111万4000人にとどまった。その後、受け皿不足は縮小するが、19年度もなお1万1000人分が足りない見込みだ。 
 保育ニーズがピークを迎えるのは17年度で、その後は少子化により減少に転じる。同年度以降の状況を見据え、市町村に過剰な施設整備を避けようとする心理が働いていることが、受け皿不足を解消し切れない一因と見られる。
 子ども・子育て支援新制度の財源には、消費税率10%への引き上げによる税収増分から年7000億円を充てる予定だったが、引き上げは17年4月に延期された。政府は新制度を来年4月から開始する方針を崩していないものの、十分な予算が確保できるかは不透明。有村治子少子化担当相は会議で、「円滑な施行には財源確保が最大の課題。最大限の努力を尽くしたい」と訴えた。(2014/11/28-12:05)

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014112800356

大阪市のH27一斉入所での保育所入所申込数は、前年より218人減少して13736人となりました(詳細はこちら)。
一方、年齢・地域による偏りは前年より大きくなっています。

3-5歳児は保育所の他に幼稚園がある事から、ほぼ入所先を確保できるのでしょう。
とは言っても、都心部を中心に保育所へ入れない3-5歳児は少なくありません。
公立保育所等の一部の保育所では3歳児入所枠を多めに設定しているのですが、4-5歳児となると退所者の補充程度の入所枠しかない保育所が専らです。
4-5歳児は転居等によって新たに別の保育所へ入所するのが困難な状況です。
特に弟・妹と同じ保育所へ入所するのは更に困難を極めています。

一方、0-2歳児は多くの入所枠が確保されていますが、内訳には大きな差があります。
地域差はありますが、大阪市では0歳児は入所申込数と募集数がほぼ均衡しており、殆どの地域では希望順位が高い保育所へ入所できています。
一方、1-2歳児は深刻です。
西区・中央区・天王寺区等では入所できる児童よりも入所できない児童が多く発生する見通しです(詳細はこちら)。
また、これらの区では3歳児入所も極めて厳しくなっています。

報道によると保育ニーズがピークを迎えるのは2017年度とされていますが、恐らく地域で大きな違いがあるでしょう。
大阪市内では既にピークを迎えて申込数が急減している区がある一方、申込数が当面は伸びそうな区もあります。
施設整備が進まなければ、伸びそうな区の待機児童問題はより深刻化する一方、減少している区は児童の募集に苦労する恐れがあります。

都心部の保育所整備は本当に難しい問題です。