昨晩7時のNHKニュースにて、こども食堂が全国で増加している旨のニュースが放映されました。「子供の貧困が加速している」という内容かと思ったら、全く違う内容に困惑してしまいました。

「子ども食堂」全国で20%余増 幅広い世代の交流の場に
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211226/k10013405131000.html

「地域のにぎわいや、まちづくりの一環としてのこども食堂」が強調された内容でした。

NPOによりますと、子ども食堂が発足した当初は、親が働いているために1人で食事をする子どもや食事が十分に取れない子どもなどが利用するケースが多かったということです。

その後、子どもだけでなく高齢者や学生など幅広い世代の交流の場として広がっていて、コロナ禍だからこそ、子ども食堂を始めたケースも多いということです。

NPOの湯浅誠理事長は「コロナ禍で人と人のつながりが薄れつつあると言われる中、こうした活動をさらに広げていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211226/k10013405131000.html

このニュースは夕食を食べながら見ていました。見終えた後は「こんな役割のもあるのか・・・・でも何か腑に落ちない」と感じていました。改めて考え直した所、放映された番組には「子供の貧困」が全く取り上げられていなかった事に気づきました。

さきのニュース記事を「貧困」で検索しても、何も抽出されません。意図的に「貧困」という言葉を使わなかったののではないかと邪推してしまうぐらいです。

確かに「こども食堂」が様々な役割を担っている、いや「担わされている」のは事実です。貧困は子供に留まらず、高齢者世帯や外国人世帯にも少なくありません。

こうした世帯へ食事等の支援を行っている団体もありますが、圧倒的に数が足りません。全国に相当数があるこども食堂がその射程を広げ、食事支援を求める様々な層へ支援を行う様になるのは一つの形です。

ただ、これは美談ではありません。以前から進行していた経済格差がコロナ禍によって更に加速したにも関わらず、政府や自治体は有効な再配分政策・福祉政策・飲食等の支援を打ち出せていません。

その穴埋めをしているのがこども食堂等です。

NHKニュースはこども食堂が増加している背景に何があるかを指摘すべきでした。「交流が広がっている」事自体は一つの事象ですが、それで済ませられる内容ではありません。

2023年にも発足される「こども家庭庁」が「こども食堂を積極的に支援します!より多くのこども食堂を求めます!」と言い出さないか、心配しながら見つめています。