第49回衆議院総選挙の投開票日は2021年10月31日に行われました。
大阪府内の選挙区では日本維新の会が躍進しました。19小選挙区の内、15小選挙区で維新候補が当選しました。
ネット上では「別の国みたい」と指摘されたほどです。しかし、大阪に住んでいると、日本維新の会が躍進した理由は肌感覚で理解できます。
【吉村副代表の人気】
・大阪府の吉村知事がテレビに出続けていた、メディアジャック状態
・街頭演説では非常に多くの方が駆けつけていた
・特に女性からの人気が絶大だった
・候補者本人より吉村知事を強く打ち出したポスターも貼られた
維新あだちポスターが炎上していますが、写真の右端にポスター掲示板が写り込んでいるように、これは意図的に切り取られた印象操作。
陣営としては緑ポスターと白ポスターとを二連で貼っており、何らかの誤認を期待する意図は全くありません。もちろんリーガルチェック済みです。
(選対スタッフ投稿) https://t.co/eXkbk3WWw7 pic.twitter.com/QaIYQ09g6O— 足立康史 前衆議院議員 (@adachiyasushi) October 24, 2021
【コロナ対応】
・メディアを通じてコロナ対応を積極的にアピールする事に成功した
・2021年10月のコロナ感染が落ち着いていた
・春の第4波で生じた医療崩壊が夏場の第5波では発生しなかった
・全国一のコロナ死者が、「吉村府政の失敗」と見做されなかった
【政策】
・若年層や子育て世代に焦点を充てた政策主張が浸透した
・大阪市では全国に先駆けた保育料の引き下げ(従来の半分に)、学校給食費の無償化を実施した
・府内全域で先行実施された高校授業料無償化が好評だった
・維新以前の大阪の地方政治が酷すぎた
・「改革マインド」や「身を切る改革」が評判だった
・特定の地域出身者を優遇する制度を撤廃ないし大幅縮小した
・「分配」を主張する他党とは違い、「成長」を強調した
・ジェンダーや夫婦別姓問題へ積極的に触れなかった(候補者は賛成派が比較的多い)
・規制緩和による競争を訴える政策が、商売に重きを置く大阪で受け入れられた
【地方組織】
・風頼みでない、地に足が付いた地方組織が整備された
・街中で貼られたポスターや郵便受けに投函されたチラシが多く、後援会の活動量の多さが感じられた
【他党の自滅】
・自民党は昨年の都構想住民投票で共産党と組んで顰蹙を買った
・大阪3区で柳本元大阪市会議員が強行出馬を模索しながら断念し、白けたムードが漂った
・大阪自民の存在感が維新に隠れてしまった
・それ以上に立憲の存在感が無かった
・野党共闘の影響か、連合の活動量が少なかった?
・国会や国政での活動が、大阪での集票に繋がらなかった
・自民でなく維新に小選挙区票を投じた公明党支持者が少なくなかった
・政権批判票が集中した
【候補者】
・他党と比べて候補者の年齢層が若い(というイメージ)
・30代や40代の候補者を積極的に擁立した
・経歴や外見が重視された(と思われる)候補者が多く、投票行動に繋がった
・世代交代を求める波に乗った
【投票率】
・投票率は56.20%、4年前の前回総選挙の投票率を7.81%も上回った
・上積みされた投票の多くが維新に流れたか
大阪市民として最も気になるのは、「大阪都構想実施に関する3回目の住民投票」です。
昨晩の記者会見で大阪市長の松井代表は「今はありません」とコメントしました。
これまで2度、住民投票で否決された『大阪都構想』の3度目の挑戦について聞かれ、松井代表は「今はありません」と返した。
「今は」がポイントですね。松井代表が市長職や代表職を退いた後は否定できません。早ければ万博前、もしくは万博成功の祝賀ムードに浸った2025年末以降に行われる可能性があります。